元μ'sマネージャーと女神たちの物語   作:カット

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何がバレたのか、読んでいけばわかります。


13、バレた

「それじゃあ気を付けて帰れよ?」

 

ファーストライブ翌日の夕方、絵里、希、亜里沙、美希、雪穂の5人は今日帰る。

 

俺と穂乃果はその見送りに来ている。

 

「えぇ、ありがと」

 

「また来れる時は来るからその時は穂乃果ちゃんにワシワシを……」

「しなくていいよ!?」

「希、それは俺の役目だ」

「そうやね」

 

「Aqoursの活躍期待しています!」

「それは俺に言われても困るな」

 

「お兄ちゃんも、体調には気を付けてね?」

「おう!」

「お姉ちゃん?達兄に迷惑かけちゃダメだからね?」

「わかってるって!」

 

みんな一言ずつ言って改札を通っていったが、最後に美希だけが改札を通らずにこっちに来た。

 

どうしたんだ?何か言い忘れたのかな?

 

「穂乃果さん、夜の声は大きくなりすぎないようにしてくださいね?旅館までそんな離れてないんだからAqoursの高海さんに聞こえちゃうかもよ?」

 

「っ//き、気を付けます//」

 

そ、それを言いに来たのかよ…

 

「それじゃあ行くね、お兄ちゃんも襲いすぎたらダメなんだからね〜」

 

いや〜美希も言うようになったな〜つーか最後の大声で言うなよな!?

 

最後色々言われたらけど見送りはこれで終わりだな。

 

「さて、帰るかって言いたいけど…少し早いけどこの辺で飯食ってくか?」

 

「うん!どこかオススメの場所あるの?」

 

「さぁ?こっち来て外食とかしてないし知らん」

 

「な、なんて適当…」

 

あっ、穂乃果に適当って言われちまったよ。まぁでもほんとのことだし仕方ないか。

 

「良さそうな場所あったらそこ入ろうぜ!今日は奢ってあげよう」

「うん!ほんと?やったー!」

 

………奢るって言ったのもしかして失敗か?

 

その後良さそうな場所を見つけたからそこに入って夕食を済ませ家に帰った。

 

今日も一緒に入ったけど昨日みたいなハプニングは起こらなかった。

 

風呂場でハプニングは起こらなかったけど、その後はまた、穂乃果と遅くまで楽しんでいた。

 

何を……とは言わねぇぞ。彼女と一緒にいるんだ。言わなくてもわかるよな?

 

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翌日

 

「それじゃあ行ってくる」

「うん、行ってらっしゃい」

 

今日も穂乃果に見送ってもらって家を出た。もちろんキスも忘れていない。

それにしても、やっぱり大切な人に見送ってもらえるって幸せだな。

 

惚気はここまでにしよう。今日からスクールアイドル部としての朝練が始まる。ファーストライブまでにもやってたけど部活としては今日からだな。

 

ちゃんと遅れずに来てるかな〜

 

「「「おはようございま〜す!!!」」」

 

「おぉ〜みんな早いな。おはよう、ちゃんと遅れずに来てるな」

 

旅館前の砂浜に行くと3人とも待っていた。準備万端って感じだな。

 

「先生が最後です!」

 

「みたいだな、もう準備はできてるか?」

 

「はい!先生が来るまでに準備運動も済ませちゃいました!」

 

そこまでやってたのか。やる気があってよろしい。

 

「そうだな、それじゃあ始めるか!って行きたいけどその前に…一昨日話してた場所についてはどこか思いついたか?」

 

「曜ちゃんが思いついた場所を言ってくれました」

 

「学校から少し離れたところに神社に続く階段があるんですよ。そこがいいかなって思います!」

 

なるほど、そんな階段があったのか。これは練習に使えそうかもな。

 

「よし、じゃあ今日の放課後使ってみようか。部室の掃除終わってからでも時間はあると思うしな」

 

「「「はい!」」」

 

「それじゃあ朝練開始だ!」

 

旅館前の砂浜で練習をしてそのあと学校に向かうバスに乗り込んだ。

 

空いてるから4人が近くの席にまとまって座れたから、今日の朝練のことを話している。

 

「やっぱりもっと体力はつけておく必要あるな。多分この中で1番体力あるのは曜だと思うけどこの前のライブの後どうだった?」

 

「やっぱり疲れました。ライブ1曲ならなんとかなっても2曲は今のままじゃ…もしかしたら激しく動く曲だと1曲持つかどうか…」

 

うん、ちゃんと今の段階で自分がどこまでできそうかわかってるみたいだな。

 

わかってるならそこまで無理はしなさそうだと今は信じておこう。

 

「やっぱり曜ちゃん凄いね、私なんか倒れそうになったもん」

「というか千歌ちゃん…先生がいなかったら床に倒れてたよね?」

「あはは…」

 

そういえば疲れてるの自覚してるのに動こうとしたんだっけな〜

 

早く承認してもらいたいからじゃなくて別の理由で……

 

「ああいうことはもうするなよ?」

「はぁ〜い」

 

「梨子はどうだった?」

「私も千歌ちゃんみたく動いてたら多分倒れてたと思います」

 

スクールアイドルをやっていく上で、体力ないことはみんな自覚できてるみたいだな。

 

「みんなちゃんと自覚できてるみたいだな。

 

今のままじゃファーストライブの動きより大きく動く曲をやっていくことはできない。放課後階段がどんな感じか見て決めることになるけど、しばらくは基本的なステップの動きをスムーズにすることと体力強化、この2つを重点的にやっていく。

 

時々ファーストライブの曲もやっていく。それでいいな?」

 

「「「はい!」」」

 

バスの中だしそんな元気よく声を出さなくていいんだけどな……

 

人少なくて助かった。

 

とりあえずこれからの部活の活動について話した後は雑談でもしながら学校に着くのを待った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

昼休み(教室)

 

「千歌ちゃん授業中寝すぎよ」

「あはは…早起きで眠くて眠くて」

 

今日の千歌ちゃんは授業中のほとんど寝ちゃってた。

午前中は体育の授業あったけど寝なかったのはそこくらいだと思うな。梨子ちゃんも呆れちゃってるよ。

 

「梨子ちゃんの言う通りだね。それに山田先生の授業中にも寝ちゃうとか……すごい度胸だよ」

 

「うっ…最悪の場合は小野先生に庇ってもらえれば…」

 

えぇっ!?小野先生頼み!?というかちゃんと起きて授業受けるって選択肢ないの!?

 

「千歌ちゃん、それはよくないわよ…」

 

「そうだよ!だいたい、先生が庇ってくれると思う?」

「助けられることなら助けるって言ってた。だから庇ってくれる!」

 

あはは……そうは思わないけどな〜まぁ怒られたら怒られたらで反省してくれるかな……

 

 

「小野〜」

「なんですか?」

 

職員室で昼飯を食べてる時にいきなり呼ばれたけど何かあったのか?ってあるから呼ばれたのか。

 

「今日いつもより早めに朝練始めたのか?高海のやついつもより授業中寝てたけど」

 

「あいつ寝てたんですか!?」

 

おいおい、いくらμ'sに憧れてるからって授業中寝るっていう穂乃果の悪いところまで真似すんなよな〜

 

「な、なんかすみません。あいつの分の課題とか増やしていいんで」

 

「そうか、ならそこは私に任せてもらおうか」

 

千歌のことだし助けてもらえるんだと思ってるだろうけど……あいにく俺はそこまで甘くないんだよな。

 

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放課後

 

「これでよし!」

 

鞠莉さんに使っていいって言われた部屋に【スクールアイドル部】って紙を設置した。というか1回字を間違えたんだね。

 

「おっ、お前ら早いな」

 

「先生遅いですよ!」

 

ちょっ!?先生だってやることあるのに千歌ちゃんそんなこと言っちゃダメだよ…

 

「それは悪かったな〜誰かさんが授業中に寝てたってことを聞かされてたからな〜」

 

「うっ……た、助けてくれますよね?」

 

ち、千歌ちゃん……

 

 

なんだ?千歌はやっぱり俺が助けるとでも思ってるのか?さすがにそこまでは助けるつもりないんだよな。

 

「学校にいる時は授業でわからないところを教えるって手助けはするさ、教室だし。

でも授業中寝てたとか話聞いてなかったとか、そんなことがあっても俺は知らん」

 

「そんな〜」

「千歌ちゃん…それは当たり前よ」

「ちゃんと授業は受けないとね」

 

「曜ちゃんたちまで!?」

 

ははっ、2人にも見放されるよ。って……バツで書き直してるけど字間違えたのかよ。

ま、まぁ……いいか。

 

「授業中の話はここまでにして、そろそろ入ろうぜ」

 

「そうですね、それじゃあ」

 

千歌が持ってる鍵で部室となる部屋に入った。というか鞠莉さん…何故千歌に鍵を渡したんだよ……

 

「こ、これは…」

「掃除して使ってとは言ってたけど…」

「これほどとは…」

「想像以上だな…」

 

す、すげぇ汚いなここ……2年前はちゃんと掃除してたんだろうな?

 

「とりあえず始めて行くぞ」

「「はい!」」

 

あれ?1人返事が……

 

「むむむ、何か書いてある…」

 

千歌がホワイトボードに書いてあるものを見つけた。

ホワイトボードにか……歌詞か?

 

「なんだろこれ…」

「歌詞……じゃないかな?」

「多分そうじゃないか?きになるかもしれないけどとりあえず掃除始めるぞ。今日中に終わらなくなるぞ」

 

「は〜い」

 

な、なんか返事にやる気がないように見えるが……とにかく掃除を開始して意外と早く終わった。

 

「あとはこの本か。多分これは図書室のだも思うし持ってくぞ」

 

「私たちも持つんですか?」

 

「「ち、千歌ちゃん……」」

 

な、なんて図々しいやつだ……大体俺1人でやったら何往復しないといけないんだよ。

 

「千歌?1人で持ってくか?」

「じょ、冗談ですごめんなさい」

 

まぁ俺も冗談だけどな。それにしても…あれだけ汚かった部屋もここまで綺麗になるとはな。

 

あとは本だけだ。この部屋にあった本を手分けして図書室まで運び出した。もちろん俺が1番多く持っているが。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やっぱり部室できてた!」

 

 

図書室にて2人の1年生が話している。

1人は国木田花丸、もう1人は生徒会長の妹の黒澤ルビィだ。

 

 

「スクールアイドルの?」

「うん!またライブ見れるんだね〜」

 

 

スクールアイドルが好きな黒澤ルビィはまたライブが喜んでいる。

それだけスクールアイドルが好きなのだろう。

 

 

「こんにちは〜」

「ピギッ!?」

 

 

図書室にこの2人以外の声がして、人見知りのルビィは扇風機の後ろに隠れた。隠れたつもりなんだろうが……

 

 

「あっ、花丸ちゃん!と〜ルビィちゃん!」

 

「ピギッ!?」

 

あ、あれで隠れたつもりだったのか?というかこの2人会ったことないけど1年生か?

 

「千歌ちゃんよく気付いたね」

「「えっ」」

 

曜は気付いてなかったのか?あれちゃんと隠れられなかったのに。

 

「こ、こんにち………は」

 

「こんにちは、あの…そちらの方は」

 

やっぱり2人も知らないみたいだしここは俺から言うべきだな。

ルビィちゃんって言われてた子はどうかしたのか?

 

「2年と3年には授業教えに行ってるから知ってるけど1年には行ってないからな、知らなくても仕方ない。

俺は今年からこの学校の教員になった小野t……」

 

「ピギィィィィィ!?」

 

「ど、どうした!?」

 

えっ、いきなり叫びだしたけどどうしたんだ?悲鳴に近い叫び声が図書室に響いた。

つーか名前最後まで言わせて……

 

「あ、すみません、ルビィちゃん究極の人見知りで男の人も慣れてなくて…」

 

なるほど、納得だ。

 

「そっか、なら俺は先に外出ておくことにするよ。これ多分図書室の本だからこの机に置いとくぞ」

 

「すみません、気を遣ってもらって…」

 

「いいって、それじゃあ……っ!?」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

えっ、何?俺はなんで壁に抑えつけられてるの?この子えっと…ルビィって子だよな?人見知りで男の人に慣れてないんじゃ……

 

「ななななんであなたがここにいるんですか!?」

 

なんでって言われても…さっき教員になったって……ルビィ?宝石、もしかして

 

「君もしかして生徒会長の妹だったり?」

 

「そうです!お姉ちゃんに会ったことあるんですね!あっ!?ちょっと待っててください!」

 

ん?この子図書員なのか?貸し出し用のカウンターにカバン置いてるみたいだけど……

 

「えっと…ルビィちゃんどうしたの?」

「オラにもわからないずら…」

 

千歌も友達の子もわからないみたいだけど…俺はなんとなく予想できてる。多分この子は俺がμ'sのマネージャーをやってたことを知ってる。

 

「そっか、ルビィちゃんスクールアイドル好きだもんね」

「それってμ'sってグループのことも?」

「そうだよ!」

 

曜と梨子も気が付いたみたいだ。2人は俺がμ'sに関わっていたことを知っている。まぁ千歌はなんで気が付かないのかってレベルなんだけどな…

 

「あった!小野達也さん!サインお願いします!」

 

やっぱりサインを求めてきたか。そんなことだと思ったけど。

 

「えっ?」

 

「ルビィちゃん?なんで先生にサイン頼むの?」

 

えっと…花丸って言ってたっけか?その子は分からなくても仕方ない。初対面だしな。

 

「知らないんですか!?」

「何を?」

 

「千歌ちゃん本当に気付いてないみたいね」

「うん、何回か気がつくチャンスあったんだけどね」

 

何回かって言っても2回だけじゃね?

 

「この学校の教員ということには驚きましたけど、μ'sのマネージャーをやってた人なんですよ!そんな人に見てもらえるなんて羨ましすぎます!」

 

「………えっ、えぇぇぇ!?」

 

やっぱりそのことを知ってたか。

 

図書室に今度は千歌の叫びが響いたけど千歌……俺はお前がよくここまで気付かなかったなって思うぞ。

 




今回はここで終わりにします。
ついに元μ'sのマネージャーということが千歌にもバレましたね。最初からここで千歌が知ることにしていました。
次回もお楽しみに!

もうすぐお気に入りの数が前作を上回りそうですね。
そして高評価をしてくださった
koudorayakiさん、ありがとうございます

そして最後に宣伝です。
新しい小説を『絶望を感じた少年に光を』というタイトルで書いています。気になる人は読んでみてください。

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