元μ'sマネージャーと女神たちの物語   作:カット

11 / 52
なんとかできた…

今回はファーストライブ終了のところまで書きました。
前回の後書きで書くって言わなければもう少し早く投稿できてましたね。


11、ファーストライブ!

前回は…

 

浦の星女学院の生徒数だけでは体育館が満員にならないと気が付いた千歌、曜、梨子の3人。

沼津駅周辺でライブの宣伝をしていた。すると千歌がチラシを私たち黒澤ルビィという生徒会長の妹がグループ名は何かと聞かれ、そこで決まっていないことに気が付く。

チラシを配ったあと3人で話し合い、グループ名が『Aqours』となった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

グループ名は決まったしあとはお客さんの人数だね。

 

千歌ちゃんは何かいいこと思いついたって言って居間の方に行っちゃった。だから私と梨子ちゃんは先にお部屋に上がらせてもらったよ。

 

バンッ!

 

ドアが勢いよく開けられて千歌ちゃんが入ってきたけど…びっくりしたよ。

 

おでこに書かれてるの…バカチカ?

 

「いい作戦だと思ったんだけどな〜」

 

「どんな作戦だったの?」

 

「えっとね〜」

 

千歌ちゃんはおでこに書かれたバカチカっていうのを消しながら答えてくれたけど…

 

どうやら従業員の人数を聞いてそれが200人くらい、その人たちに見に来てもらおうって思ったみたい。大好きなプリンをあげながら…

 

それで何回も説得しているうちにおでこにバカチカって書かれちゃったみたいだね。

 

「でもお姉さんの言ってることもわかるよ」

「え〜曜ちゃんはお姉ちゃん派なの?」

 

「だってさ、そんなに従業員に来てもらっちゃったら旅館の仕事とか困っちゃうでしょ?」

 

「あっ…」

 

そこまでは考えが回ってなかったんだね…それより梨子ちゃん遅いな〜

 

「そういえば梨子ちゃんは?」

 

「さっきお手洗い行くって言ってたけど遅いね」

「いたっ、何してるの?」

 

えっと…何してるんだろ?

 

あっ、しいたけを避けようとしてたんだ。

 

手すりを掴んでドアに足をつけて進もうとしてた……のかな?

 

「い〜やぁぁぁぁ!?」

 

 

ドタン!? ワン!?

 

 

なんだろ?と思って見てみたら梨子ちゃんが落ちてしいたけが下敷きになってた。

 

下敷きになってるしいたけは当然心配だけど……梨子ちゃんも大丈夫かな?嫌いな犬とあんなに密着して……って気を失ってる!?

 

「しいたけ大丈夫!?」

 

「しいたけもだけど…梨子ちゃん気を失っちゃってるよ!?」

 

「うそっ!?」

 

気を失うほど犬が嫌いなんだね梨子ちゃん……

 

とりあえず梨子ちゃんはベッドに運んで衣装作りを進めておくことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どうだ小野?体育館は満員になりそうか?」

 

「どうですかね〜客集めとか……というより練習以外特に協力してないからその辺はわかりませんよ」

 

「ほんとに全然手伝ってないんだな」

 

「まぁ…」

 

やるのは俺じゃなくて千歌たちだからな。

 

「そういえば穂乃果も来るみたいですよ。金曜にこっち来るって言っててライブも見に来るって」

 

「そうか高坂が、久しぶりに弄れるな」

 

弄る!?なんてことを言う教師だ!?って普通は言うけど山田先生だしな。

 

「弄れるっていうのは置いておいて…満員になるといいですね。そこは3人の頑張り次第ですよ」

 

「まっ、高坂たちの時は人全然いなかったみたいだけどな」

 

……今それを言っちゃいます?

 

『浦の星女学院スクールアイドルアクアです!』

 

「いきなりなんだ!?」

 

「あ〜お前がこっち来てから聞いたことなかったな、町内放送だ」

 

3人とも用があるって言って帰っていったけど…用ってこのことか。つーかよく放送の許可もらえたな。

 

「なるほどな、町内放送で人を集めるつもりか」

 

「あいつら考えたな」

 

たしかにこれならたくさんの人にライブのことを聞いてもらえるな。

 

「待って!まだ学校から正式に承認されてないわ!」

 

「そっか!じゃあ…浦の星非公認アイドルAqoursです!」

 

非公認って……

 

「今度の土曜14時から、浦の星女学院の体育館にてライブを……」

 

「非公認って言うのはちょっと……」

 

「じゃあなんて言えばいいの〜!」

 

………

 

「あの……浦女の生徒って放送流しながら会話するんですか?」

 

「………いや、あいつらがその辺バカなだけだ」

 

うわっ、教師が言っていいのかって発言だな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ライブ前日

 

「これでホームルーム終わりだ!」

 

いつも通り授業をやり、ホームルームも終わって部活のない生徒は下校となった。

 

「調子はどうだ?」

 

「ここまでやれることはやってるって感じなので、あとは本番に向けて細かい確認とかですね」

 

「衣装も歌もバッチリ!踊りも最後に確認するって感じです!」

 

「これから砂浜で一通りやってその後千歌ちゃんの家で最終チェックです」

 

なるほど、千歌たちは最終チェックって感じで学校ではやっていかないんだな。

 

「そっか、まぁ今更ジタバタしても仕方ないな。頑張れよ!」

 

「「「はい!」」」

 

いい返事だ。3人を見送ってやるべき作業を始める。スクールアイドルとは関係ない教師の仕事を……

 

と言っても結構進めてはあるんだよな。今日は駅まで穂乃果を迎えに行くことになってるから少しずつやっておいた。

 

だから……

 

「よし、終わりっと!」

 

作業は早めに終わって少し時間に余裕ができていた。

 

「お疲れさん、高坂を迎えに行くんだろ?」

 

「そうですね、時間に余裕はあるんですけどそろそろ向かいます。それじゃあお先に失礼します」

「おう」

 

さてと、駅に向かうか。穂乃果とは電話では結構話してるけど実際に会うのは久しぶりだな。

 

 

-----駅に着き-----

 

「もうそろそろか」

 

やっぱちょっと早すぎたと思って少し駅の周辺を歩こうとしたその時、

 

「お〜い!たっちゃ〜ん!」

 

「穂乃果!?」

 

改札から出てきた穂乃果が勢いよく抱きついてきた。

 

聞いてた時間より早くて驚いちまったよ。

 

「久しぶりだな穂乃果!」

「うん!ずっと会いたかった!」

 

少しの間、そこで俺と穂乃果と抱き合っていた。

 

しかしここは駅、周りには人がたくさんいる。だから……たくさんの人に見られていた。

 

それに気付いたのは……

 

「ちょっとお姉ちゃん!?周りに人たくさんいるのわかってる!?」

 

「お兄ちゃんもだよ!?」

 

「「あっ……」」

 

美希と雪穂に言われて気が付いた。周りからの目線は嫉妬の目線が多かった。

 

………ん?

 

「美希と雪穂も来たのか!?」

 

「「今気付いたの!?」」

 

そりゃあ気付くの遅くなるさ。予定より早く着いてるんだしいきなり抱きつかれるし。

 

あれ?これ作業早く終わってなかったら待たせてたことになるんじゃね?

 

「まぁな、穂乃果しか来るってこと聞いてなかったし予定より早く着いたしさ」

 

「あ〜それお姉ちゃんのせいだね」

 

「穂乃果さんがわざと予定より1本遅い時間を教えたのと、私と雪穂がこっちに来ること黙ってたからだよ。驚かそうって言ってたから」

 

なるほどな〜これは穂乃果にはお仕置きが必要そうだな〜

 

「えっへん!」

 

いやいや穂乃果、胸を張ってるけど誰も褒めてないから、というかそんな風にしてると希みたくワシワシを……うん、外だしやめておこう。

 

というかそれよりも…

 

「なぁ、美希と雪穂も今住んでる俺の家に泊まるのか?」

 

「あっ、それは大丈夫!私と雪穂はお兄ちゃんの家の隣にある旅館に泊まるから!」

 

「そういうこと、だから達兄はお姉ちゃんと2人っきりになれるよ♪」

 

あれ?雪穂ってこんな風に言う子だったっけ?

 

まぁでも、食材とか2人分しか用意してなかっ

し助かるな。

 

「えへへ、そういうことだからたっちゃん!美味しい料理よろしくね!」

 

「はいはい、じゃあとりあえず行くか」

 

「「「うん!」」」

 

いつまでも駅にいるわけにもいかないし家の方に向かいだした。まぁバス待ちだけど…

 

-----バス下車後-----

 

「うわ〜海だー!」

「お兄ちゃんいつも見れてるの?」

「まぁな!」

「なんかずるい…」

 

おい穂乃果、バス降りて少し歩いた瞬間に叫ぶなよ。

 

つーか雪穂、ずるいってなんだよ…

 

「綺麗〜」

 

「一応ダイビングショップもあるぞ?」

 

「ほんと!?じゃあ明後日潜ろうよ!2人っきりでね♡」

 

「予定ないしいいぞ!というか穂乃果と潜ってみたかったし//」

 

うん、穂乃果と潜りたいっていうのは本音だ。ダイビングショップあるって聞いた時に思ったし、千歌たちが潜ってる時に松浦さんがすっごく綺麗ってことを言ってたからな。

 

「おぉ〜少しの間会ってないのにラブラブだね」

「お兄ちゃんが照れるところってあまり見ないからラッキーだね」

 

……ほんと雪穂ってこんな言い方する子だったっけ?

 

ってか、ラッキーとか思うなよ美希…

 

海を見ながら4人で歩いていると千歌の家でもある【十千万】に着いた。とりあえず中までは入っていくか。

 

「こんばんは〜」

 

「おっ、小野先生いらっしゃい!後ろの子たちは?」

 

「俺の彼女の穂乃果と穂乃果の妹の雪穂、あと俺の妹の美希です」

 

「初めまして、高坂穂乃果です!」

「高坂雪穂です」

「小野美希です」

 

これ千歌に聞こえてたら慌てて降りて来そうだな。というか穂乃果の声大きかったし聞こえてるんじゃ…

 

「先生に彼女いたんですね〜4人で泊まり?」

 

「いえ、泊まるのは美希と雪穂です」

 

「「お世話になります」」

 

彼女いたんですねって、千歌は何も言ってないんだな。まぁ言う必要ないか。

 

「それじゃあ2人をお願いします。大丈夫だと思うけど2人とも、迷惑かけんなよ?」

 

「大丈夫だよお兄ちゃん!」

「そうだよ達兄!お姉ちゃんじゃないんだから〜」

「ちょっと雪穂!?」

 

「それは置いておいて、千歌たちはまだやってるんですか?」

「たっちゃん!?」

 

すまん穂乃果、俺も2人はしっかりしてるし問題ないって思ってる。

 

「ちょっと前までやってたんだけど千歌が寝ちゃって今日は終わりになったんだよ。それでもう終バス終わってるから志満姉が曜を送ってるところだ」

 

なるほどな、それで志満さんが出て来ないのか。というか終バスに気付かないくらい熱中してたんだな。

 

「それじゃあ俺たちはそろそろ…」

「雪穂たちがお世話になります」

 

美希と雪穂を美渡さんに任せて俺と穂乃果は家の方に向かった。って言ってもすぐ着くんだけどな。

 

「あっ、お兄ちゃん!夜楽しみすぎて遅れちゃダメだからね?」

「お姉ちゃんも!大きい声出したら聞こえるかもしれないからね?」

 

「っ!?うっせー!」

「雪穂!?」

 

ニヤニヤしながら言いやがって、遅れるわけねぇだろうが…

 

「もう〜雪穂も美希ちゃんもこういうこと言うようになってたんだね〜」

 

「絶対楽しんでるなあいつら、まぁでも、楽しんじゃっていいよな?」

 

「っ//うん//」

 

美希たちと十千万で別れてからすぐに家に着いた。

 

東京の俺と穂乃果の家の距離くらいしかないからすぐに着くんだよな。

 

帰ってから夕飯を作って一緒に食べて…正確には食べさせ合ってか、作った料理は喜んでもらえた。

 

「前より美味しい」って言ってくれたのは嬉しかったな。

 

その後は一緒に風呂に入ってその後はベッドで穂乃果と………

 

隣の十千万まで聞こえてないよな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ライブ当日

 

8:00

 

「たっちゃん起きて〜」

「ん……穂乃果?」

 

穂乃果に起こされて時計を見たけど…まだ8時だろ?

 

「早いな穂乃果」

 

「朝ご飯できたから起こしに来たの。一緒に食べよっ!」

 

作ってくれたのか、これは起きないとな。

 

「じゃあ着替えてすぐ行くよ」

「は〜い♪」

 

起きて着替えようとしたんだが…

 

なんかじっと見られてる…

 

「穂乃果?そんなに見られると着替えにくいんだけど…」

「今更着替えるところ見られても問題ないと思うけどな〜何回かお互いの裸見てるんだし」

 

おいおい、穂乃果がそんなこと言っちゃダメだろ……そういうのって男の方が言わない?

 

とりあえず見られながら着替えて一緒に朝食を食べた。

 

「美味い!いや〜朝からこんな美味い料理食べられるなんて幸せ者だな〜」

 

「もぅ〜褒めても何も出ないよ!」

 

何か出るっていうのは期待してない。でもマジで美味い。毎日食べたいくらいな。

 

さてと、天気予報見てるけど午後から雷を伴う雨か。

 

心配だな…

 

「ライブ中に停電になったら大変だもんね」

 

「あぁ……あれ?俺声に出してた?」

 

「ううん、出してないけど表情でわかったよ。非常用電源とかないの?」

 

あはは、さすが穂乃果だ。

 

多分ある……よな?聞いてみるか。

 

「あると思うけど場所わからないんだよな〜理事長も来るはずだし……というか条件出しておいて来ないってことはしないはずだから聞いてみるよ」

 

「たっちゃんならそういうと思ってたよ!」

 

あっ、バレてたか。

 

家を出る時間まで穂乃果と家でゆっくりしていた。会えなかった間のことを話しながら……

 

俺は先に行って理事長に確認したいことを確認して千歌たちと合流することになってる。

 

「それじゃあ穂乃果、先に行くな」

「うん、あとで雪穂たちと一緒に行くよ!行ってらっしゃいたっちゃん」

「行って来ます穂乃果」

 

チュッ♡

 

玄関で穂乃果とキスをして外に出た。大きめの傘は穂乃果に使わせて俺は折りたたみ傘で学校に向かった。って言ってもほとんどの時間はバスだけど……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「もうちょっとだね…」

 

時間は13時ちょっと過ぎ、会場時間までは20分くらいはある。ライブ開始は14時からだし本当はまだステージ袖にいる必要はないんだよな。

 

「緊張してるか?」

 

「そりゃあしてますよ!ライブ初めてですし…」

 

「まっ、そうだよな。でもお前たちは1人じゃない。千歌、曜、梨子、3人でここまでやってきた。作詞も作曲も衣装作りも、振り付けだって自分たちで考えてここまでやってきたんだ。今日までの成果を見せて、その上でお前たち自身も楽しめばいいんだ!」

 

「先生……そうだね!千歌ちゃん!梨子ちゃん!楽しもう!」

 

「そうだよね!ここまでやってきたんだもん!精一杯やって、精一杯楽しもう!」

 

「うん!でも、もし満員にならなかったら………いたっ!?」

 

千歌も曜も梨子もやる気になってる。でも梨子は満員にならなかったらってことを口に出している。だから軽くデコピンをした。それも千歌や曜も同じタイミングで…

 

「梨子ちゃん!その気持ちはわかるよ。私もだもん…でもたとえ満員にならなかったとしても楽しまないと!」

 

「曜ちゃんの言う通りだよ!私だって不安だよ!でもここまでやってきたんだもん!たとえ満員じゃなかったとしても今日は最後までやりたい!」

 

「曜ちゃん…千歌ちゃん…うん!私もやり切りたい!今日までやってきたんだもん!衣装は恥ずかしいけど…私もやりたい!」

 

これなら大丈夫そうだな。

 

「それじゃあ時間まで身体冷やさないようにしてろよ?

 

そろそろ俺の知り合いも来る頃だし戻るぞ。3人とも、楽しみにしてるからな、頑張れよ!」

 

「「「はい!」」」

 

不安になってると思ってたけどちゃんとやれそうだな。たとえ満員じゃなかったとしても今の3人なら絶対やりきるだろうな。

 

さて、穂乃果たちを迎えに行くか。

 

-----校門にて-----

 

「結構降ってるな〜そろそろ来る頃か」

 

ステージ袖で千歌たちと話した後校門までやってきた。穂乃果たちを迎えるためだ。

 

「いた!たっちゃ〜ん!」

 

穂乃果たちも来たみたいだけどそんな大声出さなくても聞こえるって…

 

「雨の中お疲れ様」

 

「坂の上までバスで来れたらよかったのに〜」

「それはわかる」

「お兄ちゃんいつもこの坂を?」

「大変じゃない?」

「慣れれば問題ないな」

 

やっぱりこの坂は初めて来ると大変だよな〜

 

まぁそれはさておき、雨の中話してるのも嫌だし体育館に向かった。入り口前近くまで来ると誰かがドアのところに立っていた。

 

あれは……あっ

 

「松浦さん?」

 

「小野先生今来たんですか!?そろそろ始まりますよ?」

 

………えっ?まだ13時半過ぎなんだけど

 

「ちょい待ち!?始まるっていうのに入らないお前にもツッコミたいが今は置いとくとして、開場が13時半ってだけでライブ開始は14時だぞ!?」

 

「えっ!?……あっ、ほんとだ。千歌たち時間間違えてるじゃん!?」

 

松浦さんも間違えてるよな?って突っ込むのはなし?

 

とりあえず3人に……

 

『Aqoursです!』

 

………

 

「たっちゃん、止めるの間に合わないみたいだよ」

 

「みたいだな、開始時間前だし満員になってないと思うけど…とりあえず入るか。松浦さんは入らないのか?」

 

「私は……ここでいいです」

 

まぁ来る時もう1人の入り口前で同じようなことしてる人いたし無理に言わなくていいか。

 

「そっか、風邪引くなよな」

 

そう言って穂乃果たちと一緒に体育館に入った。

 

「目標はμ'sです!聴いてください!」

 

入ったらちょうど曲が始まるところだった。タイミングはいい……のか?

 

まぁ時間間違えてることには気が付いてないだろうけど…

 

3人の最初の曲、【ダイスキだったらダイジョウブ!】が流れ千歌たちが歌い出した。

 

3人とも順調に踊って歌えている。そしてそろそろサビに入る。ちょうどその時……

 

雷が落ち停電となった。そのため曲が止まり電気も消え体育館は真っ暗になった。

 

………行くか

 

「行ってくる」

「うん、この傘持ってって。ってたっちゃんのだけどね」

「サンキュー」

 

穂乃果に貸していた大きめの傘を受け取って外に出た。非常電源用のコードは外の体育倉庫、そこからまた校舎内に戻らないといけないから急ぐ必要がある。

 

倉庫まで走っていくと誰かがドアを開けるところだった。あれは……生徒会長か。

 

「黒澤さん!」

「小野先生!?どうして!?」

「こんな雨でここに来てる、理由は同じはずだろ?」

「そうですね」

「急ぐぞ。俺が持つ」

 

自然と倉庫で黒澤さんと合流してそのまま理事長の鞠莉さんに教えてもらった場所まで走る。

コードを2人で繋いで俺らがいる場所に電気がつく。

 

LINEで体育館の電気もついたことを穂乃果に教えてもらった。元々こうなった場合の打ち合わせ?はしてたからな。

 

「体育館もついたみたいだし戻るか」

「えぇ、ですが何故わかるのですか?」

「東京から来てる俺の彼女に教えてもらった」

 

「それより…なんらかの方法でAqoursって名前伝えたの黒澤さんだろ?」

 

「っ!?何のことですか…?」

 

体育館まで戻りながらグループ名のことを聞いてみたがとぼけられた。μ'sの時は希はバレてたかって言ったけど黒澤さんはとぼけるみたいだな。

 

「千歌たちからグループ名がAqoursになったって聞いた日、バスの進行方向と反対に歩いていくの見えたけど?」

「そ、それは……」

 

見られてたとは思ってなかったのかな?

 

「まぁいいや、本当はスクールアイドル嫌いじゃないんだろ?」

 

「そ、それは……」

 

さっきと同じ返しだな。

 

「別にどう思ってるかまでわからないけど、個人的な理由で邪魔すんのは許さないからな?」

「わかっていますよ。むしろ……なんでもありません」

 

まぁ言いたいことはわかる。だからあえてこれ以上は聞かない。

 

「バカチカー!あんた時間間違えたでしょ!」

 

「美渡さん…来てくれたのか」

 

体育館に戻ると入り口でちょうど美渡さんが大声を出しているところだった。

 

そのまま体育館に入っていったから俺も入って最初いた位置に戻った。けどそこで…

 

「久しぶりね達也」

「久しぶりやね」

「お久しぶりです達也さん」

 

「絵里!?希!?亜里沙!?」

 

体育館出る前までいなかった3人がいて驚いた。大声は出してないけど。

 

「びっくりした〜」

 

「たっちゃんが電気つけに行ってる間に来たんだよ!」

 

「そっか、っと…そろそろ続き始まるし後でな」

 

体育館が満員になったところでサビの部分からライブが再開、かなり盛り上がっている。

 

3人は最後まで歌いきってライブは成功となった。って考えていいだろう。

 

「彼女たちは言いました!」

 

「スクールアイドルはこれからも広がっていく!どこまでだって行ける!どんな夢だって叶えられると!」

 

言った本人がここにいるってことには気付かないだろうな。

 

「これは今までのスクールアイドルの努力と、街の人たちの善意があっての成功ですわ!勘違いしないように!」

 

まぁたしかに黒澤さんの言う通りそうなんだろうな。

 

今はスクールアイドルは有名。だから始めたばかりの千歌たちのライブを見に来てくれたって考えることもできるだろうな。

 

「わかってます!でも、ただ見てるだけじゃ始まらないって!上手く言えないけど…今しかない瞬間だから…だから!」

 

「「「輝きたい!」」」

 

ちゃんと思ってることを言えたな。

 

見に来てる人にもその想いは伝わっている。その証拠に体育館に拍手が鳴り響いている。

 

途中ハプニングはあったけど、今回のライブは成功ってことで大丈夫だな!

 

「いたいた、小野先生」

 

後ろから見てた俺たちのところに理事長である鞠莉さんがやってきた。理事長って呼んだら何か言われそうだな。

 

「体育館満員になったぞ」

「そうね、時間間違えた時はどうなるかと思ったわ」

 

ほんとそれな…まさか開始時間間違えるとは思わなかったぞ。

 

「でもちゃんと満員になった。正直雷のおかげだと思うけどさ。承認してくれるんだろ?」

 

「もちろん!約束は守るわ」

 

側で穂乃果たちはきょとんってしてるな。まぁ誰も今話してる相手が理事長なんて思わないか。

 

「たっちゃんどういうこと?満員になったらって話は聞いてるけど…」

 

「ん?鞠莉さんは学生だけど理事長でもあるってだけだ」

 

『うそっ!?』

 

「oh〜やっぱり驚かれたわね、でも気軽にマリーって呼んでね!」

 

「一応言っておくけどみんな鞠莉さんより年上だからな?」

 

「ソーリー、それじゃあ少し休んだらあの子たちと理事長室に来て!承認するから」

 

さてと、無事に3人は承認されることになって俺も顧問か。まっ、やりながらどんな感じにしてくか考えることにするか。

 

「それじゃあ俺は3人のところ行ってくるな、穂乃果!」

 

「なに?わっ!?鍵?」

 

「俺の家のだ。落とすなよ?」

 

多分帰るのは穂乃果たちの方が早いし鍵を渡しておいた。

 

渡した後はそのまま3人の方へと歩いていった。

 




今回ほとんどアニメの内容で書いてないような気がしますね。まぁアニメ沿いとは書いてないから大丈夫ですよね?
あと絵里、希、亜里沙ちゃんの3人は急遽登場させてみました。

ライブ前日の最後に書いた部分ですが、何があったのかはみなさんのご想像にお任せします。

前作の方もまだお気に入りや評価が増えたりしていて嬉しく思います。
そちらに高評価をしてくださった
トップハムハット卿さん、ありがとうございます。

ちなみに次回はオリジナル回になる予定です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。