元μ'sマネージャーと女神たちの物語   作:カット

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最近寝不足で……誤字とかいつも以上にあるかもしれません。




10、グループ名

前回

 

新たに浦の星にやってきた新理事長の小原鞠莉。理事長兼生徒という思わぬ形で浦の星にやってきた。

その新理事長によってスクールアイドル部として承認してもらえるチャンスが来た千歌たち。

しかし条件として体育館でライブをし、満員にしなければならないことになった。

 

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「先生どうしよう!?」

「千歌?」

 

放課後になって千歌がいきなり職員室にやってきた。

 

ライブで体育館を満員にすれば部として承認してもらえ、満員にできなければ諦めて解散することになってしまう。

 

満員にするにはこの学校の生徒の人数だけでは足りないことに気が付いたのだろう。

 

「浦女の生徒数じゃ満員にできないよ!?どうしたらいいですか!?」

 

「なんだ?やっと気付いたのか?」

 

「気付いてたんですか!?」

 

さすがにな、教師になってこの学校のこと色々知っていったし、最初にお前や曜に聞いた話から人数が少ないことはわかってたからな。

 

「知ってたよ、理事長だってそんなことくらいわかってることだ。それにライブはこの学校の人だけが見れるわけじゃないだろ?」

 

「どういうことですか?」

 

「あとは自分たちで考えてみな。千歌だけじゃわからなくても曜や梨子と一緒ならわかることあるんじゃないのか?」

 

「教えてくれてもいいのに……」

 

あれ?拗ねたか?職員室を出ていく時そんな感じしたけど…まぁいいや。これくらいは自分たちでなんとかしてもらう。

 

「案外厳しいんだな、μ'sの時もこうだったのか?」

 

「山田先生、ライブを見てもらう人を集めるのを手伝っても仕方ないでしょ、それに穂乃果たちを手伝ってた時も、何回か自分たちで考えさせたこともありましたよ。まっ、どうしてもきつい場合は衣装作りくらいなら手伝いますから」

 

「まっ、小野が言うなら大丈夫だろ。それにたしかにお前がライブの知らせしたら、μ'sのマネージャーをやってたってことを知ってる人がいて興味本位で来る人もいるかもしれないしな。お前の選択は正しいよ。だけど問題になるようなことはさせるなよ」

 

それはわかってるって。そういう時は理事長も止めたりするだろ。

 

あとは3人がどうするかだな。

 

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曜視点

 

「やっぱり梨子ちゃんの言った通り気が付いてたって」

 

千歌ちゃんが職員室から戻ってきた。やっぱり先生はこの学校の生徒の数じゃ満員にならないことに気が付いてたみたいだね。

 

「どうするの?」

 

「千歌ちゃん、先生何か言ってなかった?」

 

多分小野先生のことだから何も言わずにってことはないと思うんだよね。

 

「人数が足りないこと理事長も気付いてるってことと、ライブを見れるのはこの学校の人だけじゃないってことは言ってたかな」

 

この学校じゃない人……それって

 

「千歌ちゃん!それって他校の生徒とかも呼んでいいってことじゃないの!?」

 

「えっ……あっ、そういうことか!?」

 

「そっか!曜ちゃんの言う通り他校の生徒やこの町の人も呼べばいいんだよ!」

 

小野先生…自分たちでやるように言いながらヒント言ってくれてるなんて。なんだかんだ気にしてくれてるんだ。

 

「千歌ちゃん!梨子ちゃん!人の多いところで宣伝しよう!」

 

「「うん!」」

 

よ〜し!千歌ちゃんや梨子ちゃんと一緒に頑張ろう!

 

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というわけで沼津駅にやって来たよ!そろそろ部活帰りの人が来るころで人が多くなるからね。

 

「ここで…配るの?」

「そうだよ!もうすぐ部活帰りの人が来るからね!」

「頑張ろう!梨子ちゃん、曜ちゃん、」

 

頑張ってチラシ配らないと!

 

頑張って集めたら先生も褒めてくれるかな?

 

「お願いします!あれ?」

 

千歌ちゃんが渡しに行ってるけど受け取ってもらえてない。

 

よし、ここは私が…

 

「こういうのは気持ちとタイミングだよ!見てて?」

 

あの2人組に言ってみようかな。

 

「ライブのお知らせでーす!よかったらどうぞ!」

 

「あなたが歌うの?」

「はい!」

「土曜日か〜行ってみようか」

「ありがとうございま〜す!」

 

よかった〜これで受け取ってもらえなかったら格好がつかなかったよね。

 

「曜ちゃん凄い!」

「よーし、私も!」

 

梨子ちゃんには褒めてもらって千歌ちゃんは……えっ、なんで壁ドンしてるの?チケットもらってもらうことはできてるけど……

 

あの子怖がっちゃったよ?

 

「勝った!」

「勝負してどうするのよ…」

 

うん、梨子ちゃんの言う通り……というか何と勝負してたんだろ?

 

「次…梨子ちゃんね!」

「えぇ!?」

 

順番制じゃないのに…というか私配り続けてるのにな〜

 

あれ?梨子ちゃん?

 

「ライブやります!来てね」

 

「……何してるの梨子ちゃん」

 

ポスターに写ってる人にやっても仕方ないのに…

 

ここまで声聞こえてくる。練習?そんなことしてる場合じゃ…

 

「練習してる時間ないよ、ほら!」

 

「わわわっ!?す、すみません!?あの…よかったらどうぞ…」

 

千歌ちゃん、人が歩いてるところにその勢いで押しちゃダメだよ……なんとか梨子ちゃんは当たらずに済んだけど……というかチラシもらってくれたみたいだね。

 

けど……どこかで見たような?

 

曜視点out

 

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千歌視点

 

もう〜梨子ちゃんったら練習してる場合じゃないのに…曜ちゃんは凄い頑張って配ってる。私も頑張らないと!

 

あっ!

 

「お〜い、花丸ちゃ〜ん!」

 

花丸ちゃん発見!このままライブの宣伝しちゃおう!

 

というか風呂敷が気になるけど今はいいかな。

 

「はいこれ!よかったら来てね」

 

「これは…ライブのお知らせ?」

「やるんですか!?」

「えっ」

「ピギッ!?」

 

花丸ちゃんの後ろからルビィちゃんも出てきた。でも気付いてなかったから「えっ」って言っちゃったよ…

 

悪いことしちゃったかな…でも来て欲しいな。

 

「絶対満員にしたいんだ。ルビィちゃん、来てね」

 

ライブのチラシを差し出したら受け取ってもらえた。よかった〜

 

他の人にも配りに行こうとしたけど…

 

「あの!」

 

「なに?」

 

ルビィちゃんに呼び止められた。なんだろ?

 

「グループ名は…なんて言うんですか?」

 

グループ名?………あっ

 

き、決めてなかった!?

 

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「まさか決めてなかったなんて…」

 

今日の分のチラシを配り終わったけど、ルビィちゃんにグループ名のことを指摘されたことを曜ちゃんと梨子ちゃんに話した。

 

「でも梨子ちゃんだって気付いてなかったでしょ!?」

「それはそうだけど…」

 

2人も気付いてなかったみたいだから、砂浜で練習するし一緒に決めちゃうことにしたよ。

 

「やっぱり学校の名前は入れたいよね?」

 

たしかに曜ちゃんの言う通り入れたいかも、となると

 

「じゃあ『浦の星ガールズ』?」

 

「そのまんまね」

 

うん、私も思った。私がこういうの考えるの難しいかも、となると……

 

「曜ちゃんは何かない?」

 

他の2人に聞くのが1番だね!

 

「えっと〜『制服少女隊』!」

 

「ないね」

「ないわね」

 

「そんな〜」

 

さすが曜ちゃん、グループ名にも制服って入れようとしてる。敬礼までしてるところ悪いけど……

 

スクールアイドルには似合わないよね。

 

「それじゃあ梨子ちゃん!何かない?」

 

「私!?」

 

「そうだよ!東京から来たんだし何か最先端な言葉でも…」

 

きっと梨子ちゃんなら……

 

「えっと…じゃあ3人海で知り合ったし『スリーマーメイド』っていうのは…」

 

「「1、2、3、4、5、6、7、8」

 

「待って今のなし!」

 

さすがに『スリーマーメイド』はね……

 

そこから3人で色々な名前考えて砂浜に書いてみてるけど……

 

しっくり来るのないね、難しいな〜

 

「こういうのは言い出しっぺが決めるものよね」

「賛成であります!」

「戻ってきた!?」

 

こういうのは言い出しっぺとかじゃなくて3人で決めるものじゃないの?

 

ん?

 

「あれ……なんだろ?」

 

「「あれ?」」

 

私たちが書いたところの近くに何か書いてある。

 

Aqours?

 

「これなんて読むんだろ?【エーキューアワーズ】?」

「多分これ【アクア】だよ」

「水ってこと?」

 

曜ちゃん凄い!それに誰が書いたかわからないけどいい名前!

 

「これにしよう!」

 

「これに?誰が書いたのかわからないのに?」

 

たしかに誰が書いたかわからないけど…

 

「そうだけど、グループ名を考えてる時にこの名前に出会えた。これって素敵なことじゃないかな?」

 

「そうだね!」

 

「私もこれでいいと思う!」

 

梨子ちゃんと曜ちゃん、2人とも顔見合わせたけど賛成してくれた。

 

「よし!じゃあ今から私たちは浦の星女学院スクールアイドルの『Aqours』だ!」

 

「「うん!!」」

 

って言ってもまだ承認はされてないけどね…

 

「あっ!」

 

「「千歌ちゃん!?」」

 

グループ名が決まって道路の方を見てると小野先生を見つけた。

 

いきなり走り出したから曜ちゃんも梨子ちゃんも驚いちゃったね。

 

千歌視点out

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「そうなのか?」

 

『うん!今度の金曜から1週間休みもらえたから金曜の夕方くらいに着くようにそっちに行くよ!』

 

家の最寄りのバス停で降りると電話がかかってきた。相手は穂乃果だけどこの時間っていうのは珍しいと思ったら少しの間こっちに来れるって内容だった。

 

「金曜の夕方くらいか…なら俺の家来るか?」

 

『もちろんそのつもり!さすがにいきなり押しかけるなんてことはしないよ〜』

 

「その辺の常識はあったか」

『ちょっとたっちゃん!?それどういう意味!!」

「冗談だ」

『なら許す!』

 

金曜か、それまでに軽く掃除しとくか。そこまで汚いわけじゃないけど。

 

「あっ、なら穂乃果もライブ見るか?」

 

『μ'sに憧れて始めたっていうグループの?』

 

「そのグループだ、学校の体育館でやるんだけど満員にしないとスクールアイドルは諦めて解散してもらうって理事長に言われてさ」

 

『あはは…その条件だったら私たちできなかったね…』

 

見てた人メンバーになった人とヒフミトリオだけだもんな…

 

『私も行く!満員にするためってわけじゃないけど興味あるからね!』

 

「そう言うと思ったぞ。それじゃあ金曜の夕方…詳しいことわかったらまた教えてくれ!迎えに行く」

 

『うん!それじゃあ』

「おう!」

 

そっか、穂乃果も来るのか。あいつら会ったらどんな反応するか楽しみだな。会うかわからないけど……

 

ん?走って来てるのは……千歌か。

 

「先生!グループ名決まりました!」

 

「あっ、ちゃんと決めてないこと気が付いたのか」

 

「あ〜やっぱり知ってたんですね!?」

「千歌ちゃん動くの早いね」

「いきなり走るんだもの…」

 

おいおい…2人を置いて来たのかよ…

 

「ごめんごめん、それと先生グループ名決まってないこと知ってたみたいだよ」

 

「あっ、やっぱり?」

 

「今回は本当に自分たちだけでやらせるってことですね」

 

曜は俺が気付いてることを予想してたみたいだな。それに梨子は俺がどう思ってるか予想してるし。

 

「まぁグループ名だったり作詞とかそういったことは顧問になってからも自分たちでやってもらう。細かい指摘とかアドバイスはするけどさ。

 

それよりグループ名決まったんだって?」

 

「そうなんです!」

「ここは千歌ちゃんに発表してもらう?」

「私!?いいけど……って嫌だよ!?せーので行くよ!せ〜の」

 

『Aqoursです!』

 

………えっ?

 

「Aqours……なのか?」

 

「そうですけど…どうかしたんですか?」

 

千歌は聞いてきたけど知らないんだな……

 

浦の星には2年前にスクールアイドルをやってた人がいて、そのグループ名がAqoursってことを……

 

「いや、なんでもない。どうやって決めたんだ?」

 

「えっと…最初3人がそれぞれ言っていっていいのがでなくて…」

「梨子ちゃんなんて【スリーマーメイド】だもんね〜」

「その話はしないで!?」

 

スリーは3人だと思うし……あっ、

 

「3人海で会ったからか?」

 

「正解です!」

「だから曜ちゃん!?」

 

「あはは、それでそのあと砂浜に書いていったけどなかなか思いつかなかったんですよ」

「難しかったよね〜」

 

ちゃんと自分で考えようとしてたんだな。穂乃果はグループ名募集してたけど……

 

「それで千歌ちゃんがもう1つ書いてあるのを見つけて…」

「それが『Aqours』だったんですよ!」

 

なるほどな、あいつがバスの進行方向と逆に歩いていった訳がわかったよ。

 

「それじゃあグループ名決まったし、後は本番まで練習と衣装作り、あとはライブの宣伝だ!頑張れよ!」

 

「「「はい!」」」

 

さっ、あとはこいつらがファーストライブまでどこまでやれるかだな。

 

その結果どうなるかわからないけど…3人にはどんな形になったとしても頑張ってもらいたいものだ。

 

 




次回ファーストライブまで書いていきます。

前回の後書きに書いた元μ'sの登場メンバーですが、今回の話を読んでわかると思いますが穂乃果ちゃんです。

あとこの小説は基本的に達也視点で書いてあります。次回からは別視点になる場合は曜ちゃん視点になります。他のメンバーの場合は書きますが、達也か曜ちゃん視点の場合は書きません。書かなくてもわかると思うので…

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