前作「帰ってきた幼馴染と女神たち」の続編となります。
今回の作品もたくさんの方に読んでもらえたら嬉しいと思います。それではどうぞ
○○年3月
とある駅にて、1組のカップルが電車を待っている。
男性の方は小野達也。女性の方は高坂穂乃果。この2人のことは知っている人の方が多い。
なぜなら、高坂穂乃果は伝説と呼ばれたスクールアイドル『μ's』のリーダー、今は和菓子屋「穂むら」で働いている。
小野達也はその『μ's』のマネージャーをやっていた。
そして達也は大学を卒業し内浦にある学校、浦の星女学院で教師をすることとなり、今日はその出発の日だ。
「もうそろそろ電車来ちゃう。しばらくの間離れ離れになっちゃうね…」
「あぁ…寂しくなるけど仕方ないことだ。穂乃果、和菓子屋の仕事大変だと思うけど頑張れよ!」
「もちろん!たっちゃんも…教師の仕事頑張ってね」
「もちろんだ。最初は大変だと思うけど、向こうには山田先生もいるみたいだからさ。あの人頼りになることは知ってるだろ?」
「たしかにね〜」
山田先生はこの2人が音ノ木坂学院の生徒だった時に担任だった先生だ。
冗談交じりに色々言うことはあったが、真面目な時はすごく頼りになる先生だ。
すると電車がもうすぐ来ることを告げるアナウンスがホームに聞こえた。
「来るみたいだな」
「うん、それじゃあ頑張ってねたっちゃん」
「あぁ」
珍しいことに今ホームには俺たち以外、電車を待つ人がいなかった。
だから……
(チュッ)
穂乃果とここでキスをした。
しばらくの間会えなくなる。そのため、お互いへのエールもこのキスには込められていた。
「それじゃあ行ってらっしゃい」
「あぁ、行って来ます」
穂乃果に見送ってもらい、電車に乗って内浦へと向かった。
ちなみに他のμ'sのメンバーと家族は、昨日送別会を開いてくれていた。そして今日は俺たちに気を使って2人きりにしてくれたみたいだった。
しばらくすると沼津に到着し、そこから住むことになる家方面のバスに乗った。
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「へぇ〜ここだと海がこんな近くに見えるのか」
新たな家がある内浦に到着した達也はこの場所を気に入った。東京ではこんなに近くに海を見ることはできなかったからだろう。
「とりあえず家に行って荷物の整理でもするか、明日は浦の星まで挨拶に行かないといけないしな」
バスを降りてゆっくりと海を見ながら歩いていた達也、そこへ
「こらっ!しいたけ待て!」
ん?しいたけ?
ワンワン!
突然犬に襲われてしまったのだ。
「うわっ!?なんだ!?」
もしかしてしいたけってこの犬か?
「こーらしいたけ!やめなさい!」
女の子?もしかして飼い主?とりあえず犬は離れてくれたけど…
「いきなりごめんなさい、この犬…私の家の飼い犬なんです」
「いいっていいって、元気な犬なんだな」
まさかこっちに来ていきなり犬に襲われるとは思わなかったな。
わざとじゃないみたいだし特に怒ることなく許した。その後は家の方向が同じみたいだったから一緒に歩いていた。
「この辺じゃ見ないですが旅行ですか?」
「いや、旅行じゃなくて4月からこっちの高校で教師をすることになったんだ。浦の星女学院って学校なんだけどさ」
「うそっ!?そこ私が通ってる高校です!」
まじか……
「この街に来て最初に会った人が、まさか俺の勤務先になる生徒とはな」
「私も驚きましたよ。あっ、ここが私の家なんです。旅館ですけど」
旅館『十千万』か、つーか俺の家の隣かよ!?ここはあえて黙っておくか。
「それじゃあ学校で会った時はよろしくな」
「はい!」
今日会った子は家に入っていった。あっ、名前聞いてないや。まっ、今度でいいか。
その後家に着いた達也は山田先生に連絡した。指示により明日学校に挨拶しに行くことになり、その日は荷物の整理をしていた。
もちろん、穂乃果への連絡も忘れてはいない。
・・・かつてμ'sのマネージャーとして音ノ木坂を廃校から守った小野達也は、新たな地内浦へとやってきた。
新たな物語は教師生活として始まっていく・・・
最初の話なので文字数はこれくらいです。
そのうち3000字程度にしていきます。
これからよろしくお願いします。