高評価、お気に入りありがとうございます!本当に嬉しい限りです!
そして遂に最終話です。何時もより低クオリティーで本当に申し訳ございません。何しろ見切り発車で、自分でもここまで書くとは全く思っておらず、まさかの反響を受けて震える手でキーボードを打つ日々。
最終話なのにつまんなくね?って言わないで下さい。私めが一番理解してます。むしろ今までも正直面白かったか不安でもあります。
ここまでこの小説を読んでくださった方々に感謝を述べつつ、最終話をご覧下さい。つまらないものを読ませてしまって申し訳ございませんでした。次に書く時にはもっと上手く書ける様に精進してまいりますのでよろしくお願いします。
前置きが長くなりました。それではどうぞ。(文字数少ないとか言わないで)
「やっとだ!やっと翼が出来たぞ!」
お父さんの叫び声と共に、私はその意識を覚醒させた。空にはいつも通り輝く太陽が浮かんでいる。
寝ぼけ眼を擦りながらお父さんの持っている翼に目を移した。
それは正に伝説の石工と謳われただけはある出来栄えだった。白い羽を集めて作られた白翼は今にも空へと羽ばたきそうにしている。翼からは背負える様に赤い糸が付けられていた。だが、流石にこれを付けた所で本当に空へと飛べるとは到底思っていなかった。
お父さんは翼を私に渡した。それを掴み、かなり重い事を確認して一旦地面に置いた。
「おとうさん、いともらえる?」
「糸か、何に使うんだ?」
首を傾げながらも渡してくれたお父さんに感謝の気持ちを述べつつ、私は落ちている短剣を着ているボロ布に括り付けた。しっかりと落ちない様に何度も何度も結ぶ。
きちんとくっ付いた事を確認して、私は翼を背負う事にした。
「いいかイカロス。ちゃんとわしの後をついて来るんじゃぞ?翼は蝋でくっ付けておる。太陽にあまり近づくと溶けてしまうからな」
「わかった」
にっこりと笑ったお父さんに少し罪悪感が湧いた。
お父さん、ごめんなさい。今日、私は死にます。この身を焦がしても、その神に復讐しないといけないのです。助けてもらったこの身を復讐などに使うのはいけない事なのは分かっていますが、それでもしなければならないのです。
飛ぼうという意思を込めると翼はまるで生きているかの様に畝り、そして羽ばたき始めた。
ラビリンスには既に人影はなく、ひらひらと舞い落ちる白羽だけがその場に残っていた。
空へと羽ばたくと忽ち高くへと上り、周りにある建物や王城、そしてラビリンスですらも小さく見えた。
「すごい!」
「だろう!イカロス、ちゃんとわしの後を追うんじゃぞ!地面すれすれでもない、空高くでもない。今ぐらいの丁度良いぐらいの高度を飛ぶんじゃ!」
風を切りながら羽ばたくのはとても気持ちがいい。寧ろこのまま復讐などやめて、お父さんとずっと一緒に飛んでいたかった。しがらみのない、自由な大空へ。
だけれども、このままでは修正は終わらない。私が太陽へと羽ばたいて、傲慢の象徴として飾られて死んで。それでやっと修正が完了するのだ。恐らくこのまま地面へと降りても、神はそれを許さないだろう。だってそれは神々の想像していなかった事なのだから。
ふつふつと復讐の炎が私の中で燃え上がり始めた。
どうして私は空を飛び鳥の様に自由ではないのか。神々の思うがままに動かされて、大切な人を殺されたりなんかして。そして自由な時間も与えられずに、今の身は滅ぼうとしている。
私は高度を大きく上げた。お父さんの声が聞こえてくるが、それももう2度と聞けないだろう。一筋の涙が頬を伝った。
だめだ、甘えるな。それでは
頬を伝う涙は止まらなかった。
ぽろぽろと溢れるそれは、下方の海へと消えていった。
あぁ、どうしてこんなにも悲しいのかな。
単に神が怖いから?違う。
お父さんと離れてしまったから?違う。
私を助けてくれたお父さんに、愛をくれたお父さんに恩返しが出来ていないからだ。たったそれだけだった。
目覚めた時も私を最初に気遣ってくれた。
何時も私を助けてくれた。
命なんか惜しくないと、ミノタウルスにぶつかっていった事もあった。
……死んだとしてもその手はミノタウルスの足を掴んでいた事もあった。
時には転んだりと迷惑をかけてきたけど。そう私は呟いて、泣きながら笑った。
腹をくくれ私、もう未練はないだろう?そして腰に括り付けてあった短剣を抜き、その切っ先を太陽へと向けた。
私の翼から炎が上がる。きっとそう遠くない未来に、私は急降下して本当に意味での死亡を経験するだろう。
そうだとしてもこの身は震えてなどいない。私はここで神を殺し、その首をお父さんへの恩返しの品として持って行こう。そう考えると自然と力が湧いてきた。
燃え盛る翼を羽ばたかせながら、私は叫んだ。
「神が!この身を傲慢の象徴として殺すというのならば!私はそれを受け入れよう!それが運命というのならば、私は笑顔を持ってそれを受け止めよう!」
ダイダロスの、お父さんの作った羽が落ちて行く。赤い糸が吸っていた血が溢れ、蝋を赤く染めた。
「だがしかし!私のお父さんまでもを殺した!神は私だけではなくお父さんを殺した!私はそれが許せない!!!!!」
ボタボタと垂れる蝋は、羽からは溢れ出す血の様に見えた。
それでもイカロスは叫び続けた。
「私は今から貴様ら神へと復讐する!!!覚悟しろ!!刺し違えても殺してやる!許しを乞いても殺してやる!貴様ら家族全て殺してやる!!私の復讐心がそんな炎で焼けない事に怯えながら!!!私に殺されろ!!!」
翼が完璧に落ち、イカロスは飛ぶ事が出来ずに地上へと堕ちていく。
翼は既に黒く墨の様になり、イカロスも全身が血だらけで見るに耐えない姿だった。
だが、例えその身が焦がされようとも、復讐心だけが別種の色の炎を灯していた。
ドロドロに溶けた短剣を海へと投げ捨てて、血まみれの喉を酷使して最後の叫びを放った。
「
悪魔の様な断末魔の後、それに比べたらずっと静かな水音が一つ。だけれどもそれはどの音よりもずっと重く悲しく響いた。
ー
これで傲慢の神話は終わり。
この後ダイダロスはイカロスが死んだ事を酷く悲しみ、近くの島にその遺体を埋めました。
そしてミーノース王はと言うと、結局は殺されてしまいました。その時にどうミーノース王が思ったのかは誰にも知りません。
ダイダロスはイカロスが死ぬ運命だったと。死ぬ為に、傲慢を知らしめる為に神に作られたキャラクターだとは知りません。
だけれども、例え後に死ぬ事が分かっていてもダイダロスはイカロスを愛したでしょう。
だって、亡くなったイカロスの顔には笑顔が浮かんでいたのですから。その横に一筋の涙を添えて。
だけれどもまだまだ物語は終わりません。
次なる話は人理の修復劇へと。
という事でございました。
とりあえず後書きは別で書きます。その事情を詳しくお伝えします。
前書きでも言った通り、マジで見切り発車です。もうネタも2時間で考えて適当に書いたので低レベルな所があったと思います。寧ろ1話書いてめんどくさいからやめよーって考えてましたし。
と言うわけでFGO編に繋げる設定が全く出来ておりません……!ステータスって何?宝具もそんなかっこよく書けない!他の鯖との絡みとか書けない!ダレカタスケテ!もうそのレベルでございます。未熟者ゆえに失態です。反省しております。
ですから1日だけ時間を下さい。明日の投稿がないわけではないです。明日は後書きと伏線回収をしっかり出来ていたか自分で自分を酷評します(笑)
後、推理するしかない所もあった筈。ほら、テーセウスの血文字とか。あれに関しては触れようと思ったのに触れようが無くてボツになりました。とまあそんな所がある訳です。そう言った所の解説をこの私めがやらさせていただきます。
もう一度いいます。明日は後書き&伏線の解説回です。次なる話へは全く関係ないです。申し訳ないです。
その代わりと言ってはなんですが、FGO編で絡みたい鯖の募集をしたいと思います。もしかしたら貴方の好きな鯖がイカロスと絡むかもしれません。
アンケートは活動報告に置いておきます。感想で書くと運対を受けて見えなくなるのでアンケートが反映されません。気をつけて。
基本多い順にやっていきます。同表あった場合には我がルーレットアプリの公平な審査によって決まります。そこら辺はご了承下さい。
それでは改めて。
この小説を読んでくださってありがとうございました。
この小説が誰かの心に残る事を願いつつ、今日はここら辺でさよならさせていただきます。
またどこかで私の小説を見たら、その時は読んでくださると幸いです。
玄武と書いてくろたけと読む。玄武水滉でした。