Fate/Grand Order -Anger of Judgment-   作:ぬのハンカッチ

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今回は予定を変更してセプテム前の前日譚となります



永続狂気帝国セプテム
第12話 あっちの日常とこっちの日常って全然違くね?


オルレアンでの戦いから2週間

 

俺たちは快適になった拠点で超がつくほどのんびりとしていた

 

俺は自分の武器を手入れしたりプラモ作ったり(プラモの種類は当然ガンプラ)

 

アホ神様によって生まれたもう一人の俺こと女体化の俺は現在入浴中

 

マリーはアホ神様の手ほどきを受けながら編み物をしている

 

ちなみにだがアホ神様の手ほどきはかなりの物で、とても可愛らしいマフラーやセーターなどを作っていた

 

まあこの拠点たまーにすごく寒い時あるから正直助かる

 

てかなんで寒いんだろうか?

 

んでルビー達だが、ビーコンアカデミーの時と変わらずチームみんなでワイワイと過ごしていた

 

ちなみに現在カードゲーム中

 

「あ、ワイス、その効果にチェーンでこの罠カードで無効にするね〜♪」

 

「な、何故ですの⁉︎わたくしの完璧なプレイングがぁ⁉︎」

 

やっているカードゲームは遊戯王(神様達が出してくれた)

 

ちなみに現在ルビーの勝率は3戦中2勝1敗

 

この様子ならまた勝てると思った俺は悪くねぇ

 

ブレイクは呆れながらもデッキを組み

 

ヤンにいたってはワイスのプレイングに爆笑していた

 

大総統はアロハシャツを着ながらマッサージチェアにてマッサージをうけている

 

心なしか心地よさそうにしている

 

ドラえもんはどら焼きを食べながらのび太と一緒に映画観賞

 

ちなみに見ている映画は俺オススメの実写版のデビルマンだぁ…

 

ターニャは久しぶりの休暇を貰ったかのように静かに読者をしていた

 

ニンジャスレイヤーはただ黙々とスシを食べている

 

ちなみに寿司は特上を取り寄せといた

 

豊久にいたっては暇なのか部屋で歴史の本を読み漁っている

 

たまに大声が聞こえるがターニャが注意しに行くぐらいで何も気にならない

 

黒マリー様は優雅に紅茶を飲みながら外の景色を眺めている

 

陰陽師版のイバラギンも酒を片手に外の景色を眺めている

 

ちなみに何故かいるゲル神様は奥の部屋にて何かを作っている

 

何でも女体化した俺専用の装備を作ってるんだとか

 

しばらくすると裸族となった女体化の俺が出てくる

 

「はぁ〜い♡」

 

「ファ⁉︎」

 

俺はあまりにも衝撃的な格好に思わず吹いてしまう

 

てかホントにどうした

 

着替えどうした?

 

R-15で色々と見えちゃいけないものまで見えちまうぞ?

 

てかなんで俺こんなに冷静なんだろう…

 

「…お前着替えは?」

 

俺がそう言うと

 

「うーんと、置いてあった筈なのになかったの。だからそのまま出てきたのよ♡」

 

「アホかお前」

 

「アホとは何よ〜、私だって裸族は嫌よ〜?」

 

こいつの話し方はなんというかゆるふわ系とでも言うのか表情が読みにくいし何考えてんのかさっぱりわからん

 

ホントにこいつ俺なのか?

 

そうこうしてる内に奥の部屋よりゲル神様が出てきた

 

その手には何処かで見たような服と武器を待っていた

 

『いやーメンゴメンゴw。女体化したチミの衣服やら武器を作ってたら材料足りなくて勝手に拝借してたわw。まあ許してチョンマゲw』

 

どこの若者だよゲル神様…

 

てか下着まで持ってってたのかよ

 

『まあそれはさておき。これ着てみてよ』

 

「あら、なーんかどっかで見たような服をだけど…面白そうだから着てみようかしら♪」

 

そう言って女体化した俺は風呂場の脱衣室に戻る

 

しばらくして衣服を着て出てきた時

 

俺はその姿に見覚えがあった

 

「んふふー!どう?似合う?」

 

「………ベルベットじゃねぇか」

 

そう

 

その姿とは、テイルズオブベルセリアの主人公

ベルベット・クラウの姿だった

 

てかかなり似合ってるし

 

なんていうか、明るくなったベルベットって感じがするな

 

『うんうん!やはり僕のセンスは完璧だね!んじゃとりあえず今日から君の事はベルベットって呼ぶね!色々とややこしいからさw』

 

んじゃ俺はそのままヴィンセントか……ってそうじゃねぇよ

 

マジでこんは感じになんのか?

 

明るいベルベットってなんか想像したら怖ぇな…

 

まあ本人が気に入ってそうだからいいんだけどさ

 

『あ、そうそう。ついでにこれもあげるよ』

 

ゲル神様が取り出したのは一丁のアサルトライフル

 

しかしよく見るとなんか微妙に形が違っていた

 

『これはね、あるテレビゲームから参考に作った奴でね。アサルトライフルの引き金をロックした状態でトリガーを引くと、ブレードが出てくる仕組みになってるんだ。試しにやってみて?』

 

もう一人の俺ことベルベットは言う通りにすると、勢いよくブレードが展開された

 

「おー!これすごーい!」

 

『しかもね、ベルベットちゃんの腕に装着されてる刺突刃も連結可能だから、臨機応変に使用可能なのよねー』

 

ほー、そいつは確かに強いな

 

これならこいつもそれなりに戦えるだろうな

 

『さてさて、ヴィンセント君や。次の特異点にはいついくのかな?』

 

ゲル神様がハテナマークになりながらこちらに聞いてきた

 

次の特異点だが、ここは比較的に楽に攻略できる

 

問題点をあげるとしたら、いかに早くラスボスであるアルテラを倒せるかだ

 

それにあそこにはレ…レ…レロレロキャンディーおじさんの軍勢もいる

 

だからそれには次の特異点であるセプテムでネロを味方につける必要がある

 

ただそうした場合、高い可能性でカルデアと共闘または荒らそう羽目になる

 

はてさてどうしたものかねぇ

 

俺は頭を悩ませるが、ベルベットが俺の肩を掴んでこちらに目線を向けさせる

 

 

「ねぇねぇ次の特異点私に行かせてよ!」

 

「はあ?」

 

「だってだって!ネロちゃまがいるんだよ?ファンなら行かなきゃダメでしょ!」

 

「しかしだなあ…」

 

「ならなら!貴方と私で別行動すればよくない?」

 

「……詳しく聞かせろ」

 

ベルベットの作戦はこうだ

 

まずネロ陣営を味方につけるには、どうしてもカルデアと鉢合わせになってしまう

 

そこでベルベットはまずネロの人望に叶う戦士なのかどうかをカルデアの連中を使ってコロシアムで試合を行う

 

勝敗はチーム戦で先に3勝した方を勝ちとし、勝った者は正式にネロの陣営に加わり、負けた者は勝った者の言うことをなんでも聞くという形にする

 

仮にもしベルベットが勝ったらカルデアの連中を自分達の部下にしてこき使うと言っていた

 

逆に負けたとしても、心優しいグダおの心を利用してなんとかネロ陣営に入る気でいる

 

んで俺の事なんだが

 

次の特異点に向けてやって欲しい事と、召喚して欲しいサーヴァントがいるという

 

俺はそのサーヴァントの名前を聞いた瞬間頭が痛くなったが、そもそもピンポイントで当てられるのかと思ったが

 

神様達が面白そうだという事で特別に召喚させてくれるらしい

 

ただし次の特異点終了までのレンタルサーヴァントとしての扱いらしく、そう長くは使えないらしい

 

まあ、あんな奴を呼ぶ事自体異例だしな

 

んで、やって欲しい事を終えたらベルベット達と合流するという流れになった

 

となるとどこでもドアは常に持ってないといかんな

 

色々とやる事もあるし、とりあえず集合かけて色々作戦とか練っとくのが一番だろうな

 

「おーい、全員集合ー」

 

俺が集合をかけると、全員ゆっくりとではあるが集まってきた

 

「みんな集まったな?これより次の特異点に関する説明を行う」

 

みんなにかくがくしかじかとベルベットの作戦を伝える

 

「…てなわけだ。何か質問は?」

 

質問があるかどうか聞くと、ルビーが手を上げた

 

「ルビー、なんだ?」

 

「その別行動の時って、何人か人数を分けるの?」

 

「いい質問だな。もちろん分ける」

 

人数の分け方だが

 

まずベルベットの所にはルビーを筆頭に、ドラえもん、のび太、大総統、ターニャ、イバラギン、そして黒マリー様に行ってもらい

 

俺の方には、ニンジャスレイヤー、豊久、マリーと少人数で別行動する

 

マリーを選んだ理由だが、多分分かれさせようとしたら涙目になって嫌がるのが目に見えているからだ

 

俺もマリーの泣き顔なんて見たくないしな。可愛いけど

 

「……以上のメンバー配置になる。他に質問は?」

 

全員手を上げずにじっとしている

 

「よし、出発は1週間後だ。それまで各自準備を怠らないように。では、解散!」

 

こうして、俺たちは次の特異点であるセプテムに行く準備を進めるのだった

 

『あ、ちなみに僕たちしばらくここにいるからねー』

 

「よろしくー」

 

……あ、ゲル神様とアホ神様の事すっかり忘れてた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

カルデアの病室に藤丸立香は寝ていた

 

立香の体中に包帯が巻かれており、ピッ、ピッと規則正しい機械の音も聞こえていた

 

藤丸の側には、マシュとフォウが付いていて、今だに目覚めない藤丸の手をマシュは握っていた

 

「先輩…」

 

マシュの頬からは涙が出ており、涙の雫は病室のベットにポタポタと落ちていた

 

途中、ロマンが病室に入ってきた

 

「…マシュ、君もそろそほ休まないと…」

 

「ドクター…、先輩はまだ目覚めないのですか?」

 

ロマンは首を縦にはふれなかった

 

「…医者として正直に言うとね、藤丸君は…もうレイシフトすら出来なくなるかもしれない…」

 

「ッ!」

 

マシュはそれを聞いた瞬間、何かぎ頭をよぎっていた

 

それがなんなのかは、今のマシュにはわからなかった

 

「体もそうだけど、精神的なダメージが大きくてね。恐らく、拷問されてた時に何かあったんだとは思うけど…。いずれにせよ、これ以上のレイシフトは医者として許可できない…」

 

「そんな…!」

 

それ程までのダメージを負っていた藤丸に気づく事ができなかったマシュは、これでもかと自分を攻めてしまう

 

自分のせいだ

 

自分が不甲斐ないから

 

自分が先輩の心の痛みに気づく事ができなかったから

 

そういう考えだけが、マシュの脳裏に焼き付いた

 

「とにかく、藤丸君が目覚めないかぎり僕もこれ以上なんとも言えない。今は、せめて意識が戻るまで待ってみようと思う」

 

「……」

 

「…じゃあ僕は持ち場に戻るよ。藤丸君の目が覚めたら、連絡してくれ」

 

「…はい」

 

そう言ってロマンは持ち場へと戻った

 

途中、壁を叩く音が聞こえたが、今のマシュにその音は聞こえなかった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

それから1週間後

 

カルデアのサーヴァント達は、いつ目覚めるかわからないマスターを待ちながら、シュミレーターで各々訓練をしていた

 

そこには、あのオルレアンで共に戦ったマリーとジャンヌの姿があった

 

あの特異点の後、意識がなかった藤丸が一度だけ目が覚めて、ボロボロになっていたマリーとジャンヌと契約して、改めて彼のサーヴァントになっていたのだ

 

一通り訓練を終えたサーヴァント達はそれぞれ休憩をとっていた

 

「やれやれ、前回はあんまり活躍できなかったなー」

 

ロビンフッドはスポーツドリンクを飲みながら愚痴をこぼす

 

「ハハハ、何を言いまするかロビンフッド殿。貴殿とクーフーリン殿のお陰でレオニダス殿達を助けられたのではないですかな?」

 

ロビンフッドの愚痴に答えるかのように話す呪腕のハサン

 

「ま、そりゃそうなんですけどねぇ。てか旦那もあんまし活躍できてなかったんじゃないの?あの変なマスターを足止めぐらいしかできなかったんだしさ」

 

「うーむ。それを言われてしまうと痛いですなぁ…。しかし、あのマスターはどうにも腑に落ちない点がございましてな…」

 

「…あー、黒いジャンヌと青髭を殺したことね」

 

「元々協力関係にあっておいて尚、不意打ちのように殺したところを見ても、やはりあのマスターはおかしいの一言につきますな」

 

「そりゃまあ確かにな。けど直接本人に聞いた所で、とぼけるに決まってるしな」

 

「まさにその通りですな」

 

二人が色々と話し込んでいると

 

「おい!マスターの意識が戻ったみてぇだぞ!

 

クーフーリンがそう言うと、訓練していたサーヴァント達は一斉にマスターの所へと向かった

 

「んじゃ行きますか旦那」

 

「ええ」

 

ロビンフッドと呪腕のハサンもそれに続くかのように病室へと向かった

 

ただ一名を除いて

 

「……気に食わん」

 

それは茨城童子であった

 

茨城はそのまま病室には向かわずに訓練を続けていた

 

その真意は、茨城のみにしかわからなかった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方、病室では

 

「…心配かけさせちゃったみたいだね」

 

立香がそう言うと

 

「なーに暗い顔してんだよ、折角のマスター面が台無しになるぞ?」

 

クーフーリンは立香の背中を叩いた

 

それはまるで、心配するなと言わんばかりに

 

「痛てて…。マシュ、ドクターはなんて言ってる?」

 

「…とりあえず精密検査を受けた後に次の特異点に行くかどうかの判断をするみたいです…」

 

「マシュ?」

 

立香はマシュの様子がおかしいことに気づいた

 

よく見ると、目は少し虚ろんでいて、目の下には赤くなってはいたが、かすかに黒ずんでいた

 

恐らくマシュは寝てないんだろうと解釈した立香だが、それだけ心配させてしまったと思った立香はマシュの手を握る

 

「先…輩?」

 

「マシュ、俺なら大丈夫。今度は絶対に無茶もしないし、マシュの事も守るから」

 

「先輩…」

 

『あーあー、お取り込み中悪いんだけど、藤丸君?そろそろ精密検査に来てくれないかなー?』

 

ロマンの通信に気づいた立香はマシュの手を離してマシュに付き添われながら、精密検査を受けに行った

 

「大丈夫でしょうか?」

 

「きっと大丈夫よジャンヌ」

 

心配そうに藤丸を見つめるジャンヌに対し、マリーはジャンヌの手を握りながら、安心させた

 

精密検査の結果

 

多少問題もあるが、レイシフトしても大丈夫と藤丸は診断された

 

そして藤丸は新たに戦力増加を図るため、新しい英霊を召喚する事にした

 

ロマンから貰った呼符を2枚使って、召喚装置を起動させる

 

三本の光の輪と共に現れたのは

 

「アサシン、酒呑童子。ふふ。うちを召喚してくれて、おおきにありがとう。好きにやるけど――かまへんね?」

 

「サーヴァント、アーチャー。召喚に応じ参上した」

 

アサシン・酒呑童子とアーチャー・エミヤの二人が召喚され、藤丸の陣営も着々と強くなる

 

だが問題もここで発生する

 

なんと二人が召喚されて挨拶しようとした矢先に勝手に召喚装置が動きだし、そこからまた再び三本の光の輪が出てくる

 

そして強い光と共に出て来たのは

 

巨体な鉄の塊のような存在だった

 

『私は、オプティマスプライム。人間の召喚に応じるのは尺だが、君に力を貸そう』

 

そう言ったオプティマスはしゃがみこんで藤丸に握手を求めた

 

藤丸も最初こそ驚いたが、すぐに気持ちを切り替えてオプティマスと握手する

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

カルデアの陰に、一人の少女が立っていた

 

あのアリスと同じくロリータファッションを着ていたが、素顔はまるで別人のように美しい少女だった

 

「フフフ…、これであいつらも下手に手出しできないわね…。私からビーストVの特典を奪った事、後悔させてやるんだから…!」

 

そう言って少女は陰の中へと消えていった。

 

 

To Be Continued……




次回こそいよいよセプテム編です

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