Fate/Grand Order -Anger of Judgment-   作:ぬのハンカッチ

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いたらぬ点などがございますが、よろしくお願いします




炎上汚染都市冬木
第1話 オレ…ビーストニナッチャッタヨ…


今、俺の周りには家族や親戚、それに親友もいる。

 

規則正しく機械の音が鳴ってるが、時折ピピピッと赤色のランプを点けながら鳴る。

 

そう、俺は今、みんなに見守られながら自分の生涯を終えようとしている。

 

17年と短い時間だったが、どれもかけがえのない思い出ばかりだ。

 

この世に未練があるかどうかと聞かれたら、そりゃあ無いと嘘つけない。

 

まだ見ていないアニメや、クリアしていないゲーム、楽しみにしていた小説、漫画の読破。

 

挙げれば数えきれない程の未練がある。

 

しかし悲しきかな、今オレは死のうとしている。

 

なんの病気かは忘れたが、確かブ○ック・ジャッ○に出ていた病気だと思った。

 

まあ、些細な問題だろう。これから死ぬ人間にはわからない事だ。

 

そう思うと、なんだか眠くなってきた。

 

ああ…、最後に…あの海外アニメのシーズン4見たかったなー…。

 

そう思いながら、俺は二度と覚めることのない眠りにつく。

 

この瞬間、俺の人生の幕は、ここで閉じた。

 

 

ーーーーはずだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

ーーーー

 

ーー

 

 

 

気がつくと、俺は何もない空間にいた。

 

辺りを見渡しても、見えるのは白い空間だけ。

 

あとは何もない。

 

まるでハガ○○に出てきそうな空間だ。

 

しばらくその場でぼーっと突っ立っていると、何もない空間から人の形をした変なのが出てきた。

 

この時、マジでハガ○○なんじゃねと思った。

 

『ようこそ、死後の世界へ。短い生涯を終えた君に朗報だ。君に新しい人生をあげよう』

 

新しい人生?

 

なんだそれは、俺の人生は終えたんじゃないのか?

 

『君は選ばれたんだよ、我々神によってね』

 

神…

 

ということは、俺の目の前にいるこの変な遊○王よろしくのグロー○スらしきこいつは、神って事になるのか?

 

そう思うとなんだか神様って気持ち悪いな…

 

『君が選ばれた理由だが簡単なことだ。君は中々面白い発想がある。これまでにないほどにね。」

 

発想?

 

あーあれか、病院で退屈だからって事でノートに書いてた小説の事かな?

 

『君のその才能と発想力があれば、あの作品のストーリーを少しでも変えられるかもしれない。期待しているよ?特典なんかも付けちゃうから楽しみにしていてくれたまえ」

 

おい、ちょっとまて、なんか話が進んでるんだが

 

俺の意思は?ねぇ、俺の意思どうすんの?

 

勝手に決められても俺困るんすけど、つーか作品?何それ?アニメ?漫画?それともラノベ?

 

『それでは、楽しい、楽しい【Fate】の世界へ君を送ろう。君の新しい人生に祝福があらん事を…』

 

オイコラマテコノ野郎⁉︎

 

Fate⁉︎Fateの世界って言ったなおめぇ⁉︎

 

あんな死亡フラグが大量生産されてる世界に送るだぁ⁉︎

 

てかあれフィクションだろ?現実じゃないだろ?なんで行けるのってウワナニヲスルヤメ…

 

こうして、訳のわからないまま、俺の意思は途絶えた。

 

『よーし、これであいつをFateの世界に送ったから、ガチャ結果もいい結果に………Nooooooooooo‼︎』

 

……なんか爆死したような悲鳴も一緒に聞こえた気もした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

眼が覚めると、俺は廃墟の中にいた。

 

妙に体が重い。

 

あれか、1年くらいベットから出られなかったからか?。

 

まあそんなどうでもいい事はおいといてだ。

 

何やら目の前に手紙らしき物がある。

 

宛先は無い、しかしこんな近くに廃墟だと目立つくらい綺麗な手紙を見たら、読まなくちゃ変だろうな。

 

とりあえず、中身を見てみることにしよう。

 

『○○君へ。

 

やあ、転生に成功したようだね。早速だけど、君の状況を説明してやろう。

 

今君がいる廃墟はFate/Grand Orderと言う作品に出てくる炎上汚染都市冬木の廃墟だ。

 

そこはとりあえず崩れる心配はない、我々神の保護によって素晴らしいくらいの耐久力を誇っているからね。

 

まあ無駄話はこのくらいにして、君の転生特典を教えてあげよう。

 

まず、この世界において魔術は基本だ、だがただの魔術だと面白味がないから、ガントと呼ばれる魔術を我々神流に改造しておいた。

 

君のガントは、本来の呪いを撃ち出す物から呪いを刃にしたり槍にしたりと色々と特化しておいた。

 

威力とかはしっかり保証するから安心したまえ。

 

次に、この世界ではサーヴァントの存在が不可欠だ。けど、これもタダのサーヴァントじゃあまた面白味もない。だから君にとって嬉しい特典を付けた。

 

君の大好きな漫画や、アニメ、はたまたライトノベルやゲームの登場人物達を呼べる力を特典として付けておいた。

 

ただデメリットとしてその世界で呼ばれるサーヴァントは何体か呼べなくなってるから注意してね、まあハズレを引くとは思わないけどね。

 

そして最後に、これはこの世界において最も重要だ。

 

君の人生を見た所、どうも我々神としても捨て置けない。

 

一言言うとすれば可哀想だ。

 

だから私達から最高のプレゼントとして、君にこの世界において最強の力、【ビースト】の力をあげよう。

 

序列は5番目、憤怒の理を持っている。

 

まあだからと言っても常に怒ってるなんて事はないけどね、そこはしっかり我々がリミッターとして付けておいた。

 

外すも外さないも君の自由だ。

 

だが、ビーストの力を解放したらその時は君の頭から角が生えるから用心しておいてね。

 

私から言える事は以上だ、後は自分の力でなんとかしなさい。

 

あ、魔力とかサーヴァントの召喚とかはいつでも気軽に自由に召喚したり回復したりできるから、ご心配なく。

 

それでは、存分に新しい人生を楽しんでくれたまえ!

 

神より』

 

…正直言って頭が痛い。

 

てかビーストの力ってなんやねん…、オレビーストニナッチャッタヨォ…ってか?

 

それじゃあ実写版のデビルマンじゃねぇか。

 

この神様どういう神経してんだったく。

 

まあいいか、折角の新しい人生だ。楽しまなきゃ確かに損だね。

 

そうと決まれば、まず自分の姿を見てみよう。

 

丁度近くに鏡がある。

 

どれどれ….

 

…これFF7のヴィンセントじゃね?

 

この衣装といい、顔つきといい、間違いなくヴィンセントやん…。

 

ちょっと試しに発声練習。

 

「あー、あー」

 

……あれ?

 

声が知ってる奴と違うな。

 

…って考えてみたらこれ俺の声やん。

 

神様もまた粋なことしてくれるねぇ〜。

 

だからってヴィンセントにする必要ないのにな〜。

 

ショットガンも何気にあるし、もしかしてだけど神様ヴィンセントのファンか何かなのかな?

 

まあいいか、とりあえず辺りを確認してみよう。

 

辺りを見た感じ、確かに冬木の街並みだ。

 

しかもFGOがアニメで放送された奴とおんなじときたもんだ。

 

全く神様も場所に凝るのはいいけど、ちったあこっちの事情も考えてもらいたいよ。

 

『キャー‼︎』

 

ん?何やら聞こえのある声だな…

 

もう一度辺りを見渡すと、そこには骸骨の兵士から必死に逃げている女性の姿が…って所長⁉︎

 

オルガマリー所長やん!本物初めてみたわ!

 

いやーレアな演出やわー、心のシャッター押しとこーっと

 

ってシャッター押してる場合じゃねぇ⁉︎

 

何を隠そう俺は所長のファンなのだ‼︎

 

ここで助けなけりゃ男がすたるってもんよ!

 

まだサーヴァント召喚してへんけど、まあそんな事は些細な問題、準備体操がてら助太刀するぜぇー!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「もう…なんなのよ…何がどうなっているのよー!」

 

オルガマリーは骸骨兵に向けてガントを放つ、一応ガントは効いているのか、ガントに撃たれた骸骨兵はバラバラになる。

 

しかし、それでも少し減った程度でしかなく、オルガマリーも徐々に追い詰められてゆく。

 

すると、オルガマリーの後ろから何か音がして、ふと後ろを振り向くと骸骨兵が待ち伏せており、オルガマリーに襲い掛かろうとしたその時。

 

バァン‼︎

 

突然、銃声が鳴り響き、オルガマリーに襲い掛かろうとしていた骸骨兵は木っ端微塵になる。

 

オルガマリーは銃声のした方に向くと、そこにはショットガンを片手に突っ立っている男がいた。

 

男を確認した骸骨兵達は、次々に男の元へ行く。

 

男はショットガンを構えて走りながら撃つ。

 

骸骨兵との距離が近くと、男は手刀の構えをするとそこから黒色の刃が出てくる。

 

「あれは…ガント⁉︎」

 

その色をオルガマリーは知っていた。

 

あれは間違いなくガントの色だった。

 

しかし、ガントは本来撃ち出す物で、刃として出す事は異例であった。

 

仮にもし刃として出せても、ガントはその本来の性質上、呪い返しを受けるリスクがあるのだ。

 

しかし男はそんな事も知ったこっちゃないかの如く、切り裂きながらショットガンを撃っていた。

 

そしてあれだけ多くいた骸骨兵はすべて男によってバラバラにされた。

 

戦闘が終わると、男はショットガンを仕舞い、ガントの刃を消し、オルガマリーに近づく。

 

オルガマリーは当然警戒するが、足が竦んでいるのか、後ろに下がろうとすると石につまづいてしまう。

 

「キャッ…」

 

「!」

 

男は急いでオルガマリーを抱える。

 

抱えた事により、オルガマリーは転ばずに済んだ。

 

「…大丈夫か?」

 

「え、ええ…」

 

男はオルガマリーの無事を確認すると、抱えるのをやめ、オルガマリーから離れる。

 

「この辺りは物騒だ、悪い事は言わないからここでジッとしていろ」

 

「なっ、貴方に指図されなくてもわかってます!それよりも、貴方どこのマスターよ!所属を言いなさい!」

 

どうやらオルガマリーは男の事をカルデアの数あるマスターの一人だと思っているらしい。

 

しかし、男は予想の上の言葉を言った。

 

「よく、頑張ったな」

 

「え…」

 

オルガマリーはこの時動揺した。

 

「あれだけいた骸骨相手によく立ち向かったな。あんたは凄いよ、勇気がある」

 

初めて言われた言葉。

 

初めて褒め言葉を貰えた。

 

レフ教授ですらあまり言わなかった言葉をこの男は簡単に言った。

 

「勇気がある」

 

オルガマリーにはそんな言葉はあまり聞かなかった。

 

するとどうだろう。男は褒め言葉を言ってそのまま去ろうとするのに、オルガマリーはそのまま棒立ちしていたのだ。

 

男は去り際にこう言った。

 

「…俺には名前がないが、俺と同じ格好をしていた奴の名前で名乗らせてもらう」

 

男は再びオルガマリーの方に向く。

 

「ヴィンセント、もしあんたがピンチの時になったら、その名前を使うといい」

 

そう言って男は去っていった。

 

男が去るのと同時刻に後ろから誰かぎ向かってきた。

 

「所長!ご無事ですか?」

 

オルガマリーはその声に聞き覚えがあった、カルデアに所属するマシュの声だ。

 

オルガマリーが振り向くとマシュとその隣にマスターと思わしき人物がいた。

 

しかし、マシュとそのマスターは驚きの表情を見せていた。

 

「所長…泣いているのですか?」

 

「え…?」

 

オルガマリーは頬を撫でると、確かに泣いていた。

 

何故かはわからないが、自分が泣いているのがわかると、急いで涙を拭く。

 

しかし、拭いても拭いても涙は止まらない。

 

何故かはわからない。

 

でもオルガマリーはそのまましばらく、泣き止む事はなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ふぃ〜…

 

初戦にしては合格点ってやつかな?

 

試しにガントを刃にしてみたけど、ホントにサーベル状になってビックリだぜ

 

なんかアグルセイバーに似てるけど、とりあえずあの刃を刺突特化型としておこう、その方がなんか分かりやすいな

 

さて、人助けの後はジュースでも飲みたいが、ここには自動販売機っちゅうもんがない。

 

あっても何か壊されてそうだし。

 

仕方ないので、サーヴァントを召喚してみる事にした。

 

召喚方法とかわからないけど、男は度胸!何でもやってみるもんさ。

 

とりあえずそこら辺に落ちてあったコンクリートの壁に召喚陣を書いてみた。

 

するとどうだろう、まさしく俺が生前血反吐を吐きながら見たであろう召喚陣が浮き上がったのだ。

 

これには誰でも興奮する。

 

それじゃあ召喚陣も出来た事だし、何か試しに召喚してみるか。

 

何故か陣を書いた後に聖晶石が三つ出てきたし、まさに召喚してくれと言ってるようなまんだね。

 

それじゃあ、張り切っていってみよー!

 

石を放り込むと、回転する召喚陣。

 

そこから出てきたのは…ランサーの絵柄か!個人的にもランサーは好きやぞ!さーて何がでるかなー

 

しばらくすると、召喚陣から人影が出てくる。

 

「あれ?ここどこ?私確かお姉ちゃん達と一緒にいたはずなのに…」

 

………マジか

 

そこにいたのは、ある動画サイトで700万再生以上を獲得し、日本でもヒットしたあの有名な海外アニメ「RWBY」の主人公「ルビー・ローズ」だった。

 

「ん?お兄さん誰?そして、ここどこ?」

 

「え?、えーっと…」

 

とりあえず何て答えたらいいかわからんが、とりあえず人見知りが激しそうなのでなるべく分かりやすく事情を説明した。

 

「ガクガクしかじか」

 

「まるまるうまうま。…成る程、つまり私はそのサーヴァントって奴になったって事ね」

 

「まあ簡単に言えばそうだな」

 

「へー、面白そう!じゃあ改めて自己紹介するね」

 

ルビーは自前の武器のクレセント・ローズを構える。

 

「サーヴァント・ランサー、名前はルビー・ローズ。よろしくね、マスターさん!」

 

「ああ、こちらこそ」

 

ルビーは構えを解くと、俺の握手に応える。

 

さーて、これからどうなる事やら…。

 

 

To Be Continued……




ルビーのステータスは後日発表します

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