お久しぶりです。
色々あったのは、ツイッターの方で少しだけ呟いております。そっちでも、端的にですけども。しかも、何日も跳び跳びで。
『本編』のほうの更新に合わせて、活動報告のほうで少々書かせていただきますので、詳しくはそちらでまとめられるかと。
一文で言うなら、「主に実家と職場が大丈夫かと思ったけど大丈夫じゃなくって、その延長で踏んだり蹴ったり」
なにはともあれ『クーデリア【*5-3*】』です。
今回はクーデリア視点でのお話となっております。
※2019年工事内容※
一部表現の変更、句読点、行間……
【*5-3*】
いわゆる『王国時代』にはほぼ毎日。『青の農村』の原型ができ始めてからは2,3日に一度。そんな頻度でマイスは自分の家から『アーランドの街』へと通っているのだが、そのたびに様々な場所へと寄って顔を出していき、街をほとんど一周してまわることがほとんどだ。
そんな
あたしも
というのも、マイスは冒険者ランクはとっくに最高ランクに到達している。そして依頼のほうも、マイスには『青の農村』のほうでまとめられてか直接本人に頼みにくるかになっていて、今更『冒険者ギルド』から
その上、最近では『学校』のこともあって、時間的な余裕もずいぶん減っているはずだ。近々ある月一の『お祭り』のこともあるし、普通に考えればかなり忙しいはず……。
……だというのに、マイスは相変わらず『冒険者ギルド』をはじめ、『アーランドの街』のあちこちに顔を出してまわっているのだ。
―――――――――
***冒険者ギルド***
まあ、そうやって定期的に、そして大抵の場合「おすそわけ」やら「さしいれ」などと言って何かしら持ってくるマイスが今日も『
「うーん……」
……何やら、マイスらしからぬ周りをチラチラ気にする素振を見せて、困り顔で小さく唸ってる。
「どうしたのよ? 珍しく眉間にシワなんか寄せちゃって。何か困り事?」
「困り事っていうか……気になること?」
自分で言いながら首をかしげているマイスに、内心「はぁ?」と漏らしつつ――けど、すぐに案外よくあることだということに気付いて気持ちを切り換え――原因を想像しつつ、単刀直入に聞いてみることにした。
「何? 『学校』の授業の受講希望者が集まるかどうかとか、逆に集まり過ぎやしないかとか、そういう所を気にしだしたり?」
「そうじゃなくて、最近
「
言葉を濁し、「ソッチ系」なんて回りくどい言い方をしたのは、口にするのは恥ずかしいから……などではなく、ただ単に『
で、結局何の話かといえば、少し前にもあった結婚云々の話だろう。ほぼ間違い無い。
あの噂のせいで色々とあったあのちょっとした騒動。独り歩きした「結婚」の噂に対して、当の
そのあたしの予想はやはりと言うべきか、的中していたようで、マイスは当時の事を思い返しているような雰囲気で今回の事を少しだけ喋った。
「うん。例の噂が立ちだしたころと似てる気がするんだ。けど、嫌な視線ーって感じはしないから、たぶんそんな大変なことにはならないと思うけどね」
「まあ、あんたはそうでしょうね」
あの時も、マイス本人以上に周りが噂に振り回されてしまってたし。
特に、あたしの働いている『
「ったく。アレでこっちに余計な仕事まで周って来たっていうのに、当の本人がこれなんだもの。そりゃ国の連中も頭抱えるわ」
「え?」
「まぁ、その辺がユルいのはマイスらしいし、むしろ、その手の話に察しが良すぎるマイスなんて……何か気持ち悪いわね」
「ええっ!?」
あたしが、何のことを言っているのかは完全に把握できてはいない様子だけど、
「冗談よ」と軽く笑いながら言えば、マイスはヘニャリと表情を崩し安心した様子で大きく息を吐いた。……そこまでショックだったのかしら?
さて、何はともあれ、とりあえず今はマイスが気にしている視線や、その原因であろう噂への対処だ。
どうでもいいような気もするけど、なんだかんだ言いながらもマイス自身どうにも気になってしまっているみたいで、『学校』や『お祭り』をはじめとしたマイスの仕事に影響が出てしまっては、何かと困ってしまう。
「どうしても気になるって言うなら、何かしら変えて行ってみたほうが良いんじゃない?」
「というと……どういうこと?」
「いい加減「特に何もしないでいつも通りに」じゃあどうしようもないから、何か新しくちゃんとしたアプローチをしたらどうなのよ?って言いたいの」
特に何もせずにいつも通りに……。
確かにそれなら、よほどのことが無い限り加熱はせずに噂やその勢いも自然衰退していくだろう。……が、残念。それはどうやらうまくいっていない様子。まぁ、考えてみればすぐにもわかりそうだけど、
だからこそ、今のままじゃなく確実に効果のあることをしたほうがいい。
けど、マイス自身には何も妙案は無さそうで……
「うーん。でもそれって、結局何をすればいいのかな? 全然見当もつかないんだけど……」
そう言って、眉間にシワをちょっと寄せながら首をかしげるマイス。
そんなマイスに目を向けながら、あたしは人差し指を天井を指し示すようにピンと立ててから口を開く。
「一番手っ取り早いのは、噂を噂じゃなくしてしまう――つまりは、本当に誰かお相手を見つけちゃうっていう選択肢。けど、この前ソッチ方面の話はしたばかりだし……あれから、誰か気になる子が出来たとか、逆に告白されたとは……?」
あたしの問いに、マイスは「ううん」と首を横に振った。
……まあ、そうでしょうね。
「じゃあ、後はもう一つの選択肢、今とは別の手段で噂の鎮静化を図るの」
「別の手段? 今とは違うってことは……「結婚の予定はありません」とか「恋人はいません」って言ってまわるとか?」
「それで鎮まるんなら、ここまで長引いたりはしないでしょ。っていうか、そもそもの事の発端が『
あたしがそう言うと、マイス自身もちゃんと思いだしたようで「あー……」と気の抜ける声を苦笑いと共に漏らしだしていた。
しかし、それらがダメだってことは分かっても、マイスは未だに「じゃあどうすればいいのか?」がわからないままなみたい。
そうね……結婚云々の噂の鎮静化に効果がありそうなのといえば……
「簡単なところで言えば、噂になりそうな相手……あんたの場合、ある程度親しくて未婚な年頃の女性と少し距離をとってみるとかかしら? 会うのを最低限に減らしてみるとかそんな極端な感じにしなくてもいいから、ちょっとしたとこから変えてみたらどう?」
「距離をとるって、なんだか悪い事してる気がするんだけどなぁ」
「だーかーらー、別に相手のことを「無視しろ」とか「一切会話するな」とか言ってるんじゃないっての。そんなことより、むしろ今のまま
「ううっ、それは確かに……。僕でもジロジロ見られてなんとなく変な感じがするんだから、他の人だったら絶対いい気はしないよね。……うん、頑張ってみようっ!」
途中渋りつつも、自分だけでなく噂の相手になってしまう相手の事も考えてか、意外にも積極的なマイス。この様子なら、何かしら
……にしても、自分でも言っておいてなんだけど、
噂が立っている以上、少なからずお相手候補扱いされてる人はいるんでしょうけど……噂の相手はまた前みたいにぼやかしたアバウトな感じなのか、誰か明確に名前が挙がってるのか……どっちなのかしら?
「まっ、フィリーとかリオネラ……あの二人あたりなら、まんざらでもないのかしら。……どっちにしろ、落ち着きは無くなるでしょうけど」
そんな無意識のうちに漏れていたの呟きは、「距離を取る方法」を一生懸命頭を捻って考え始めているマイスの耳には入ってなかったようで、あたしはそのまま四苦八苦して悩んでいるマイスの様子を数分間眺めることとなった……。
マイス君が気付く(気付いていない)。
肝心な部分がすっぽ抜けてしまってます。
クーデリアもクーデリアで、
【*6*】以降ではその辺りに焦点が行くかと思います。