マイスのファーム IF【公開再開】   作:小実

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 だらだら短めです。クーデリア視点でのお話しです。


 この二人、順序が多い『ロロナルート』とは別の意味で進展し辛いです。ただ単純に「きっかけが無い」&「完成された安定感」。

 重要なことをいくつか散りばめてはいるものの、今作恒例いつものマイス×クーデリア(マイクー)
 もう親友でいいんじゃないかな?




※2019年工事内容※
 細かい描写の追加、一部表現の変更、句読点、行間……


クーデリア【*5-2*】

【*5-2*】

 

 

 

 人っ子一人の結婚云々(うんぬん)で大騒ぎになろうが、職務怠慢大臣が裏でこそこそ何かやろうとしていようが、日は昇ってはまた沈んでを繰り返して日常は過ぎていく……。

 

 まあ、何が言いたいかっていうと――いつも通りの仕事漬けの日々は相変わらずってことよ。

 

 

 

―――――――――

 

***冒険者ギルド***

 

 

 

「……っと。はい、これでランクアップ完了よ」

 

 『冒険者ギルド』の冒険者免許関連の受付で、あたしはランクアップの手続を終えた冒険者免許をカウンター向こうにいる新米冒険者へと返しながらそう言った。

 

「一番最初だから上手い具合にランクアップ出来たみたいだけど、次からはそう簡単じゃあなくなるから油断しないことね。まっ、頑張りなさい」

 

「ハイ!」

 

 

 新人らしく元気な返事だけは一丁前な新米冒険者を見送りつつ――その足取り軽そうな後ろ姿を見て、長年の経験からちょっとだけ嫌な予感を覚えた。

 

「やっぱり調子に乗っちゃってる気がするのよね。足元すくわれて痛い目見なけりゃいいけど……」

 

 当然『冒険者ギルド』として最低限のサポートや、何か問題があった場合の対処等々やることはある。けど、冒険者一人一人に監視やらサポートを付けたりすることは流石にできるわけがない。

 あたしがいくら心配したところで結局は冒険者本人の自己責任、ってことになるわけ。

 

「……あとは、冒険者同士の助け合いに期待しておこうかしら」

 

 荒っぽい印象もあったりする冒険者連中だけど、なんだかんだ言って人助けはする。中には、どこかの自称騎士に助けられた経験から率先して駆け出しの冒険者を助ける(サポートする)ような冒険者なんかもいたりするくらいだ。

 一から十まで手助けする()()()()()()()()のような面倒見が良いお人好しこそほんの一握りだろうけど……まぁ、なんとかなるでしょ。

 

 

 

「ねぇ? どっかの誰かさん?」

 

 あたしは……あたしから見て右手の方から来た人影(ひと)――マイスに向かってそう声をかけた。

 

「ええっと……何の話?」

 

「気にしなくていいわよ。別に大したことじゃないから」

 

 いきなりのことに首をかしげるマイスだったけど、あたしがそう言うととりあえずは納得した様子で「そっか」って引き下がった。きっと、元からそこまで気にはしてなかったけど聞いてみただけ、ってくらいの感じだったんだろう。

 

 

「それで? アッチはもういいの?」

 

 そう言ってあたしがチラリと視線をやるのは、さっきマイスが来た方向……依頼の受付カウンターのあるほう。そこにはカウンターを挟んで、フィリーとリオネラが喋っているのが見えた。

 ということは……まあ、そういうことなんだろう。

 

 その予想通りの答えがマイスの口から聞けたのは、そのすぐあとだった。

 

「内緒話しだしたかと思ったら、そのまま二人の話がちょっと盛り上がっちゃってみたいで……。手持ち無沙汰になってさ」

 

「でしょうね。そんなことだと思った」

 

「あはははっ、二人とも昔から仲良しでちょっと羨ましいんだけどね……。それでこんな風に話しちゃってるけど、お仕事の調子はどう? 忙しかったりしない?」

 

 こっちが苦笑混じりに言ったら、マイスも軽く笑いつつ言葉を返してきて……そのままの流れで世間話に突入した。

 

 

「このあいだ、マイス(あんた)のことで多少ゴタついたこと以外は結構余裕持ってやれてるわ。『冒険者制度』の再整備のほうももう目途が立ってるし、普段の仕事も『青の農村(あんたのところ)』の子たちが交代で来てくれるようになってからはずいぶん楽になったもの」

 

「それは良かった。そうそう、『青の農村(ウチ)』でも『冒険者ギルド(ギルド)』での仕事は結構評判だよっ。村全体の収穫物とかの集計とは違って色んな人と接する機会があるから、とか……あと、やっぱり『冒険者』って職業は『青の農村(ウチ)』でも人気があるみたいでさ」

 

「へぇ? モンスターを倒しまくるっていうイメージがついてるから、むしろ嫌われてたりするのかと思ったけど……」

 

 けど、考えて見れば村の村長であるマイスが普通に『冒険者』だし……それに、ギゼラ(トトリのお母さん)が結構な頻度で訪れてたらしいから、拒否反応は無いのかしら? もしくは、村の人たちがしっかりとモンスターたちのことを線引き出来て考えることが出来てるとか……?

 

 とにかく、あたしはそうやってそこまで忙しくはなくなっているわけだけど……

 

「そういうあんたは大丈夫なの? 村のこともそうだけど、例の『学校』の件でここ最近はかなり忙しいんじゃない?」

 

「まあ、そこそこ忙しくはあるかな? 打ち合わせしたり、実際に作ってみたら思ってたのとは勝手が違ったりもするからね。それに、準備しておくに越したことはないモノは山ほどあるから」

 

「なら、こんなところに来てないで、ソッチを優先したらどうなのよ? 免許のほうもそうだけど、依頼も『冒険者ギルド(ウチ)』なんかに来なくたってマイスのところに直接くるだろうし……」

 

「切羽詰まってるわけじゃないし、僕が良くても周りの皆も休まないとやってけないから。何日かに一回、街に来るくらいのお休みはむしろ取っとかないと! それに、やっぱりロロナやクーデリアに会ったりして、こうして昔みたいにいつも通りに過ごすのが一番気が休まる気がするんだ」

 

 

「ふーん……()()()()()()、ねぇ?」

 

 マイスのその言葉にちょっとだけ引っかかりを感じたんだけど……その原因に、すぐに思い当たることが出来、あたしは「そうだっ」とそのままマイスに問いかけてみることにした。

 

「そういえば、前に『マイス(あんた)(うち)』で結婚の噂(例の噂)を消すために「いつも通りにみんなと接する」みたいなこと言ってたじゃない? アレって結局、効果はあったの?」

 

 今日『冒険者ギルド(ここ)』に一緒に来たリオネラや受付嬢のフィリーをはじめとして、ロロナやトトリなどと交友が深いマイス。だから、あたしから言わせてもらえば、マイスが言ってたようにそういう娘たちともいつも通りに接してるとむしろ誤解が悪化しかねないんじゃないか?……って思ったんだけど……。

 そういう噂はそんなに聞かなくなってはきてるみたいだし、そこのところどうなのかしら?

 

 

 あたしの問いに、マイスは珍しく眉間にシワを寄せ、腕を組んで首を傾げ「うーん」と呻って考え込んでしまう。

 数秒の間をもってから顔をあげたマイスは、何とも言えない自信なさげな表情で口を開いた。

 

「あったような……なかったような?」

 

 煮え切らない答えに、今度はあたしが首をかしげてしまう。

 

「何よ? どういうことなの?」

 

「なんというか、悪化はしなかたけど即座に消えたわけでもない自然衰退? ……そんな感じ、かな?」

 

「それ、効果無しってことじゃない……」

 

 

 たっく……お祭りや農業とか(オハコ)以外、一人じゃあ絶妙に上手くいかない感じはマイスらしいと言えばらしいけど。

 そう考えると、噂が悪化してないだけで上出来なのかしらね……。

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

 苦笑や微笑みの応酬をしながら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 そんな二人をチラチラ見ながら内緒話をする影が4()()……。

 

 

「マイス君とクーデリア先輩のあの感じ……もしかしたら()()()は本当なのかも……っ!」

 

「そ、そそんなっ……!? でもっ、有り得ないって言えないのが……うぅ……」

 

「うーん……二人はこう言ってるけど、アタシの目にはいつも通りなようにも見えるんだけど……ねぇ、どう思う?」

「オレ的にはマイスのせいで何とも言えねぇな……。アイツ、()()以外は障害(ハードル)的には低い気がすっからさー」

 

 




い つ も の
前回に引き続き、本人たち()いつも通り、といった感じ。



 あーだこーだ……そんなこといいつつも、実はプロット自体は『IF』内では真っ先に完成したんですけどね。

 少しずつ出てきて……()()するのは【7-○】くらいですかねぇ?

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