時間軸もかなり移り変わったりと、初めての試みで大変なことになっております。読みにくいかもしれませんが、ご了承ください。
えっ? 誰の日記なのかって?
それは、????さんのですよー。正確には日記では無く……。
※2019年工事内容※
誤字脱字修正、特殊タグ追加、行間……
【*5-2*】
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
某月某日
長年の悩みであるあの子のことをどうにかするべく、新しい
いい加減あの子の人見知りで引きこもりな所をどうにかしたい……いや、そろそろどうにかしないと、あの子のためにもならない。いつまでも親や私なんかがついていられるわけじゃないんだから。
ちょうどいいことに、わたしはここ最近、同年代でありながらあの子とは対照的に活発でフレンドリーな子たちと交流する機会が増えていた。
《font:0》その内の二人から、それぞれアドバイスと協力を得ることができた。
あの子をおつかいに出す。
おつかいの内容やそこに至るまでのおおよその道筋は考え終えた。あの子に渡すメモ用紙も用意できた。あとはこれを……。でも、メモ用紙を渡すのはおつかいに出す当日……つまりは明日の朝。直前じゃないとゴネたり、部屋に閉じこもってしまいかねない。
あの子にとっては大冒険のはず。
心細いかもしれないけど、手を貸してくれそうな子に護衛を頼むように仕向け、メモ用紙のほうにも名前なんかも書いておいたから大丈夫だろう。人との交流の機会も増えるわけだから一石二鳥というやつだ。
これが刺激になって変わってくれればいいんだけど……
第一、昔は今ほど引きこもったりしなかったし、私の後ろをついてくるって条件付きではあったけど、そこそこ活発に遊んでいたりもしたはず。だというのにあの子ったら最近は――――(以下略)
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
○月〇日
おつかいは成功だったみたい。
朝、無理矢理家から閉め出した時には、玄関先でメソメソ泣いて中々離れなかった時には無理かなと思ったし、時々振り向きながらトボトボと歩いていく姿を見て不安にもなったけど、あの時心を鬼にして良かったと今では思ってる。
帰って来たあの子はニッコリとじゃなくて、ニヨニヨとでも表現しそうな変な笑い方だったけど、嬉しそうにしていた。
頼んでいた物とそれ以外にも沢山の物をもらってきてたけど……別に失敗したとかそういうことじゃないと思う。というのも、おつかい先は私に協力してる子で、その子の性格を考えると「これも持って行っちゃって!」と余計に色々あげちゃうのは容易に想像がついてしまうからだ。
なにはともあれ、成功は成功。
あの子の様子からして、外が怖いことばっかりじゃないってことはちゃんと理解できたはず。すぐにとはいかなくても、あの子の性格も改善はしていくだろう。
帰ってきたあの子のことはいっぱい褒めてあげた。……頭を撫でる時、妙にビクビクしてたのは気のせいだと思いたい――――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
α月β日
おつかいにあの日以降、あの子は目に見えて笑顔が増え、明るくなっていた。
ただ、それが「一人で」って言うのが問題だ。一般的に言う「思い出し笑い」とかそんな感じで、一人じゃなくて私なんかと話すとなると、やっぱり目も合わせないし、オドオドしてしまうのはあいかわらずだった……雰囲気はほんの少し良くなった気はするけど。
これでは改善したとは言えない。
人見知りは、家から無理矢理連れだしてお店の人とかと話させてみたけど、「ギリギリ話せるようになった」レベルで、やっぱりまだまだだ。
部分的には良くなっているのは事実。そのヒントは間違い無く協力してくれた子にあるんだろう。
あの子におつかいの時に何があったのか聞いてみても「秘密」だと言って教えてはくれないから、協力してくれた子に色々と聞いてみるしかない。
今度、何があったのか、何かしたのか直接聞いてみることにしよう。
確か、ちょっと前に依頼を受けに来てたから、近々その報告に来るはず。その時に聞いてみても――――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
#月*日
驚いた。一応事前にあの人から話は聞いてたけど、本当にモンスターと一緒に暮らしてるだなんて。
しかも、鎖でつないでたりするわけでもなく、野放しも同然の状態で過ごしてるらしい。
驚いたし、そんなモンスターのいるところにあの子が行っていたということに不安を感じた。
けど、話を聞いてみれば、あの子の性格が少し改善されてたのはそのモンスターの功績と言っていいものだったらしい。そう考えると頭ごなしに否定したり拒否反応を示したりしてしまうのは憚れた。
それに、あの子が私に秘密にしたのが「仲良くなった相手がモンスターだったから」という理由だとすると納得できてしまう。
あれな性格だし人見知りだけど、別に頭が悪いわけじゃない。「良いこと」と「悪いこと」の区別くらいできるだろうし、一般的な価値観も理解しているだろうから、モンスターだというだけで良い目で見られないかもしれないっていうことは予測できたんだろう。
何色々考えてあの子とそのモンスターを引き合わせてくれたんだろう、その協力してくれてる子に、またあの子に会ってあげるようにとお願いした。
これで、あの子はまた外に出る機会がドンドン増えていくだろう。そうすればきっと、もっと――――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
何月何日
私が手を回した子以外に初めて、あの子の友達が家に来た……らしい。
本当に残念なことに、私はその場に立ち会うことはできなかった。
その友達というのは、実は私の知らない子ではなかった。
街の広場なんかで時々人形劇をしている女の子だ。
劇をしている最中やその姿格好を見るだけじゃあ結構活発そうな子に見えるんだけど、実際に話しているのをみたり普段の様子を見てみると、意外と恥ずかしがり屋で、話すのも自分の思っていることを言葉にするので精一杯って感じの子。
あの子とは性格面では似ている気もしなくはない。そういう似たような子とのほうが話が合ったりするんだろうか?
とにかく、おつかいに出してから一番の大きな変化。喜ぶべきことだ。
今回の事なんかは特にそうだけど、私の知らないところで随分といろんなことが変わっていっている気がしてきた。あの子の雰囲気も随分良くなってきたし、もう私が手を貸さなくってもどうにかなっていく時期なのかもしれない。
少し寂しい気もするけど、それ以上に「やっとか」っていうある種の安堵感のほうが強い気も――――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
A月Z日
まだ駄目だった。
一部を除いたほとんどの男性に対してはまともに会話もロクにできないみたい。ごく稀に女性に対しても怖がったりしてるけど……その基準はあんまり分からない。ちょっと注意深く観察してみる必要があるかも?
以上のような不安な点はまだまだあるけど、それでも一歩一歩着実に改善されて行っているのは間違い無い。この調子でいけばそう遠くない未来、この子が普通にやっていける日がくるかもしれない。
まだ目を離すことはできないけど、きっと大丈夫。
何はともあれ、他に説くべきことはあるんだ。私生活のほうの改善ややる仕事のこととか、あの子には足りてないものが多い。私がなんとかしてあげられそうなところは、多少厳しくしてでも叩き込んでしまおう――――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
△月▼日
国が変わり、制度が変わり、そのせいで生まれた新たな仕事とその他諸々個人的な都合もあって、街を出ての仕事になることに。
これまでの仕事は後輩とあの子にブン投げることになったのだけど……あれから何年も経ったけど、元気にやってるかしら?
一応は、ある子に頼んで月一回くらいの頻度であの子の様子を報告してもらってるんだけど、気になるものは気になるのだ。
報告では、日に日に冒険者への態度も良くなっているそうだし、仕事の失敗も減ってきて、失敗しても立ち直りが早くなっていっているらしい。
……が、それはあくまでも報告を書いてくれてる子の目線で見ればってだけの話。性格的に色々と甘い部分もあるし、実際は報告に書かれていること以上のことがあってもおかしくはない。
特に「あの子に男の影は無いか?」という部分では、そもそもコッチの聞いてることをちゃんと理解して報告をくれているかはちょっと自信が無い。報告を書いてくれてる子って、女の子に囲まれたりすることもあるのに無反応っていう、その手の話に疎いどころじゃない鈍感さだから、自分のこと以外でも普通に何か見落としてそうな気がしてならない。
忙しいのは変わらないんだけど、近いうちにこの目で直接様子を見てみたい。
けど、どうせあの人がまた仕事を増やすだろうし、そもそもちょっと目を離したら――――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
晴月雨日
忙しいなんてものじゃなかった。上へ下への大忙し、国の上層部は大混乱で私やあの人も含めた色んな役職の人が急遽集まる事態にまでなった。
……だというのに、結果はただの噂話が一人歩きしてしまっただけでしたーっていう。人騒がせな!!
本当だったら確かに一大事だったかもしれない。けど、嘘だったらただの徒労に終わってしまう。
「こんなことが何度もあってはかなわない」という意見も少なからず上がり、対策やら何やらを議論するはめに。頷ける点もあったけど、「もう結婚させちゃえば?」みたいな話まであったのは流石に頭にきた。
人権・倫理的に考えて、本人の知らない場で結婚を勝手に決めるとかそういうのは良くないに決まっている。……別に個人的な感情じゃない。断じて違う。違うったら違う。
しかし、「火のない所に煙は立たぬ」なんて言葉もあるし、実は……なんてこともあり得なくも無いだろう。
そこそこ長い付き合いだし、気になるのは気になる。ちょっと調べてみる必要があるかもしれない。
別に先を越されたくないとかそういうわけじゃ――――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
!?月!?日
先回り・乱入作戦を数回にわたり実行。
作戦実行の際の反応・言動、
・
・
以上。これに伴い、直ちに新たな作戦の立案と迅速な実行をすべきと判断。
最優先事項とする。
あっ(察し