「そういえば、二人って誰に投票したんですか~?」
「僕は……」
『ミミ』◄(ぽちっ)
※2019年工事内容※
誤字脱字修正、特殊タグ追加……
ミミ【*1*】
***アランヤ村・広場***
【*1*】
「僕が投票したのはミミちゃんだよ」
「あらっ? さすがマイス、見る目は確かなようね。とは言っても、この私が選ばれるのは当然のことなんだけどっ♪」
「フフンッ」と少し胸を張って誇らしげにするミミ。……が、何故か顔だけ微妙に正面ではない方向を向いていた。具体的に言うと、マイスがいる方向とは反対方向に、である。
しかし、ミミの言葉に納得いっていない人物が一人いた。
もしかすると、他にもいたのかもしれないが、ミミに
「えー……。でも優勝したのは先生だったよね? 投票されて当然なら、なんでミミちゃんが優勝じゃなかったの?」
「うぐっ!? そ、それはあれよ。開催地が『
「気品? ええっ……?」
心底理解できないと言いたげに目を細め首をかしげるトトリ。
その様子にムカッとしたミミは、必然的に口調が強くなりケンカ腰になる。さらに言えば、子供っぽさが残っているためか、元々そういう気質なのかは不明だが、負けず嫌いでついつい見栄を張ってしまいがちになってしまうのであった。その結果……。
「そうよっ! これが街でだったら……もしくは『青の農村』でのイベントだったら、私が間違い無く優勝してたわよ!! そうに決まってるわ!」
「えー?
「ホントよ! 『青の農村』に水着コンテストが無いのが残念なくらいね!」
もうここまで来ると、引くに引けなくなってしまっているのだろう。もはや自棄になってしまっている気さえする。
そしてトトリはといえば、自分の胸あたりに両手を持っていき……「はぁ」とため息をついた。
「ミミちゃんのその根拠の無い自信が、私にはちょっと
「なっ!? 何、どこのこと言ってるのよ!? 言いたいことがあるなら、ちゃんと言いなさいよーっ!」
本人に自覚はあるかは不明だが
あちこち行ったり来たりし、時にツェツィなんかの周りをグルグル回ったりして逃げ追いかける二人。
そんな様子を見ていたクーデリアがマイスの隣まで行き、ため息混じりに呟く。
「気品ねぇ。今ののどこをどう見れば気品が感じられるのかしら?」
「あはははっ……確かにそうかもしれないけど、でも、元気なことはいいことだと思うよ?」
「なんでも肯定的ね、あんたは」
苦笑いをして呆れ気味に言うクーデリアだったが、対するマイスは「そんなこと無いとおもうけどなぁ?」と首をかしげるばかりだった。
「はぁ、はぁ……なんでお祭りなのにこんな走り回ったのかな、わたし」
「それはコッチのセリフよ! 時間を無駄にしちゃったじゃない!」
「まーまー、トトリちゃんも、ミミちゃんも、一旦落ち着いてー。それで、もう一回お祭りをまわろうよ」
追いかけっこを終えた二人の間にロロナが入り、そこから仕切り直しということになった。
……のだが、ここで主にミミにとって予想外の事態が、彼女から少し離れたところで起こっていた。
「確かに「貴族」って言われて思い浮かべるような装飾が多いデザインじゃなくて、逆に必要なもの以外は無くしたすっきりしたデザインは、黒いから
「水着の良し悪しを、髪を基準に考えるって……ある意味間違ってはいないのかもしれないけど、それでいいのかしら?」
あくまで総合的なバランスでしか評価をしてい無さそうなマイス。だが、その様子は真剣そのもの。開催者の不手際(?)などがあったとはいえ、やはりマイスはお祭りには手を抜かないのかもしれない。
そんなマイスにクーデリアが「やれやれ」と肩をすくめていた。
そして、それをたまたま聞いてしまったミミはと言えば……
「あの
どこか普段とは違う様子で、一人でブツブツ言っていた。それも……
「あれ、ミミちゃん顔が真っ赤!? 耳まで赤いよ!?」
「んなっ!? そ、そんなわけ……って、なに笑ってんのよ」
「う、ううん、なんでもないよ! 別に「
「ふぅーん……?」
追いかけっこの第二ラウンドが始まる……と思われたが、トトリが逃げるよりも先に、ミミがトトリを捕まえた。
「いっつも余計なことを言う口は、どの口かしらね?」
「ひひゃぁ~!?」
「あっ、でも、あの水着だと
「そんな子供っぽい髪型、今できるわけないでしょーがーっ!」
「ひひゃい! ひひゃいよ、みみひゃん!?」
小声で叫ぶという器用なことをしながら、マイス本人に言えないからなのか八つ当たりのようにトトリの頬を
自分で『トトリのアトリエ編』で色々書いたくせにいうのもどうなのかと思うけど、ミミちゃんのマイス君への感情って、いちおう一つの区切りはつけられたと言っても本当に複雑なんですよねぇ……。
そのあたりがどうなっていくのかがミミちゃんルートの分かれ目だったのでは?と思っています。