家の家族は獣耳   作:しらす丸

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お久しぶりです。しらす丸です。
しばらくの間更新出来なくて大変申し訳ございませんでした。やっとの合間で書けたのです(言い訳タイム)
少し短いですが楽しく読んで頂ければなと思います。


嫌いな物

「ってことで、スミレはおれが預かることになった」

「ふむ。それで真理にはこの事を話したのか?」

「うん。普通に了承してくれた。爺ちゃんの次に俺が懐かれていたし、そっちの方がスミレも嬉しいだろうってさ」

 

龍牙は夜にスミレと話した出来事を、翔一に話した。そして飼ってもいいことも真理から了承のことも話した。翔一は「そうだもんなー、親父と同じくらいに懐いてたからなぁ」と納得していた。

 

「ま、これから世話になるの。龍牙よ」

「ソファーでお漏らしとかすんなよ~」

「なんだと!。わしはそんな只の動物のようなことなどしない!!」

「アッハッハッハッハッ!!!てちょ!!。痛い痛い痛い!!キツネの姿で噛むな!!」

「はぁ・・・」

 

そして昼頃。

 

「のう龍牙。ほんとにこれに入らなきゃダメなのかの?」

「大丈夫。車に入ったら出してやるから」

 

スミレは持ち運び式のペットケージ入ることを躊躇しているようだ。

 

「何なら首輪にするか?。家に帰るまでつけっぱなしだけど」

「それもいやじゃ!」

 

少し涙目になっているスミレを見て、龍牙は察した。

 

「もしかしてスミレって高いところ苦手?」

「ぎくぅ!!。そっ・・・そんな訳なかろう!。わしがじゃぞ?。この神であるわしが高い所が苦手なわけなかろう!」

「ふぅん。じゃあキツネの姿になって早く入ってよ」

「わ・・・分かったのじゃ」

 

スミレは渋々ケージの中へ入った。龍牙が持ち上げて中を見ると、スミレは端っこで丸まってブルブル震えている。

 

「なんだ。やっぱり怖いんじゃないか」

 

龍牙はふふっと笑い、慎重に車へ運んだ。やがて全ての荷物を乗せ終わり、とうとう出発の準備が終わった。

 

「龍牙君。スミレのことをお願いね」

「勿論です。引き受けたからにはしっかりと責任をもって飼っていきます」

「ふふっ、そうね。兄さんも元気でね」

「ん~、妹よ、俺の扱い少し軽くないか?」

「知らないわ。いつもの事でしょ?」

「デスヨネー」

 

翔一はガックリしていた。

 

「じゃあまた。次はお盆ですかね?」

「そうなるわね。そのときがきたら2人に掃除を手伝って貰おうかしら」

「分かりました。そのときは呼んでくれれば父さんごと来るので」

「え?、決定事項なの?」

 

2人は車に戻り、スミレをケージから出した。

 

「ふー、全くちょっと遅かったぞ」

「ごめんね、少し話し込んじゃってさ」

 

スミレは人間の姿に戻り、愚痴っていた。

 

「さて出発しようか。まず行き先は父さんの会社かな?」

「ああ。はぁ・・・また明日から仕事が始まる・・・」

「大変そうじゃの。翔一」

「おおー!!そう言ってくれるのは龍牙とスミレだけだぁ!!」

「ええいくっつくな!!尻尾を触るな!!」

「じゃ、出発するよ」

 

龍牙は2人のやり取りを完全に無視し、車を走らせた。

 

父の会社に着く頃にはもう夕方になってしまった。

スミレはもう寝ている。龍牙は念の為、スミレにキツネになって眠れと言ったので、キツネの状態でスミレは眠っている。

荷物を全て下ろし、翔一と少し話しているとき、スミレは目が覚めた。

 

「んむぅ・・・。何処じゃ?・・・ここは・・・」

「目が覚めたんだね。ここは父さんの会社だよ」

「うーむ・・・でかいのう・・・」

 

まだスミレはボーッとしているようだ。

 

「それじゃあ父さん。またね」

「ああ、たまには連絡よこせよ」

「うん。じゃ、スミレ。帰ろっか」

「?、何処にかの?」

「俺の家だよ」

 

「ほぉー。ここが龍牙の部屋か。少し狭く感じるのぉ」

「爺さんの家が広すぎなだけだからね」

 

スミレは龍牙の部屋を品定めしていた。

 

「長旅で疲れただろうし。今日はもう寝ても大丈夫だよ」

「そうさせてもらうぞ。わしは疲れた。布団は何処かの?」

「こっち、ていうか俺はベッドだから」

「べっど?」

 

スミレはベッドが分からず、首を傾げている。

 

「ここが寝室。これがベッドだよ」

「ほう、布団に台が着いておるのか」

「ゆっくり寝るといいよ」

「分かったのじゃ・・・。それじゃあおやすみ」

 

スミレはベッドに潜り込み、眠った。それを見た龍牙はリビングに戻り、ソファーでゆっくりしていたそして龍牙は不意に思った。

 

「そういえば寝る場所どうしよう」

 

そう考えていると、寝室のドアがゆっくり開いた。

 

「のう龍牙。寂しい訳ではないのだがもちと一緒にいてくれんかの?」

 

スミレは昼間はピンっと立っていた耳を下にさげ、顔を出してきた。

龍牙はふふっと笑い。パジャマ代わりのTシャツとジャージを持ってきた。

 

「少し待っててくれ。着替えたらすぐ行く」

「そうなのか。心強いのじゃ」

 

安心したようにスミレは寝室へ入っていった。

 

「さて、寝ますか」

 

龍牙は着替え、寝室へ入っていった。

 

こうして夜はふけていく。




もう1つの作品も少しお時間を頂ければなと思います。


追記
サブタイトルを間違えてしまったので書き直しました。

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