扉から入って来たのは、周りの冒険者と比べて全く雰囲気の違う冒険者の四人組であった。
「ほら、あの人達が先程言ってた最上位の冒険者チームですよ。」
ご丁寧に受付嬢は固まっているリオンと影に潜むラダマンティスに説明する。
確かに話の通り一級品と言われる装備を身に付けていた。
しかし、それはこの世界の基準でありラダマンティスからすると、何だあのゴミと言ったようであった。
『(少し期待したのは間違いだったな。)』
そう思いながらラダマンティスは、何処からともなく現れたギルド長が胡麻擂りしていて足止めをくらっている四人の装備とステータスを調べる為に魔法を唱えた。
ではまずは盾男から順番に・・・
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・ガラン・ドロン 種族《人間》 レベル31
《ステータス》
HP3569
攻撃2541
MP2799
防御4279
素早さ1374
《スキル》
・生命力上昇
・防御力上昇
・耐久力上昇
・シールドバッシュ
《職業》
・
・
《寿命》
あと80年
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・リナース・メルディン 種族《人間》レベル29
《ステータス》
HP2083
攻撃1952
MP6027
防御1400
素早さ2487
《スキル》
・魔法強化
・魔力上昇
・マジックブースト
《職業》
・ウィザード
・ハイ・ウィザード
《寿命》
あと69年
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・イザーク・レイスター 種族《人間》レベル34
《ステータス》
HP3402
攻撃5141
MP1483
防御2478
素早さ4611
《スキル》
・攻撃上昇
・命中率上昇
《職業》
・剣士
・切り込み係
《寿命》
あと50年
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・・・弱っ。ゲームならまだ始めて1ヶ月のステータスだぞ。
ラダマンティスは改めて、この世界の基準から逸脱している事を再確認した。
『(となると、アイツはどんなものかな?)』
ラダマンティスはまだ確認していない最後の一人を見る。
見ただけでもわかる、他の三人よりも彼女は実力が高い。彼女の装備雰囲気が相当の経験を積んでいると、ラダマンティスは見ていた。
他の三人がそれぞれ、全身鎧、魔女、剣士にぴったりの恰好であるのに比べ、彼女は異様な装備を身に纏っている。
何処かの民族衣装の恰好で、褐色の肌には謎の模様が付けられている。両腕には金色のリングのアイテムがじゃらじゃらと音を出している。そしてさらに目立つのが、誰もが振り返るほどの美貌と肩に乗っかっている小さなドラゴンであった。
では、彼女も調べるとするか。
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・リューネ・ヴァルシオン 種族 (クォータードラゴニュート)レベル48
《ステータス》
HP5629
攻撃6512
MP4124
防御1800
素早さ3567
《スキル》
・龍王の加護
・
・召喚龍強化
《職業》
・龍喚士
・龍契士
《寿命》
あと300年
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驚いた事に、まさかの人外娘であった。クォーターだから龍人の特徴が現れていないようだが、よくよく観察すると目が人間とは違った感じだった。
それよりもラダマンティスが驚いたのは、彼女のレアだらけの職業とスキルであった。
レベルはまだまだだが、スキルと職業によってステータスをカバーしている。
もし、レベルが最高値だったならラダマンティスも苦戦するほどであった。
ラダマンティスはこの世界に来て始めて出会った強敵になりうる存在に、嬉しい気持ちが抑えきれなかった。
『面白い、それでは始めるとするか。』
ラダマンティスの気配に気付いたリオンは逃げ出そうにも、魔法の拘束が未だに効果があるため動けない。
『じゃあ、手っ取り早くリオンには顔を覚えてもらう為に行動してもらいます。』
「・・・私が素直に従うと思っているの?」
『まあ、そうですね。ですからこうします。』
そう言うとラダマンティスは、不可視の魔法を自分にかけて、右手に毒々しい色の靄がかかる。
「それ何?」
『
リオンの血の気が恐怖で引いていく。
「止めなさいよ!無理やりそんな!」
『まあまあ、夫の事は素直に聞くものです。』
「当然の如く洗脳する夫が何処にいるのよ!あとまだ完全に結婚した訳じゃないから!!」
昨日の夕食の時に契約について全て話した。当然リオンはそんな話聞いていないとの一点ばりだがこれはリオンが悪い、ラダマンティスは契約書に全て記入していたし、確かめなかったリオンが悪い。
ラダマンティスには詐欺師の才能が備わっていた。
『時間がありませんのでさっさと済ませますね。』
「そんな魔法に、私は負けたりしない!」
結論だけを言うと、魔法には勝てませんでした。
精神操作(マインドコントロール)レベル9魔法
・相手を意のままに行動させる為の魔法。ゲームではたいしたペナルティはなかったが、この世界ではこの魔法が解けた後、操られた事を覚えている場合と覚えていない場合があるという追加効果がある。