狭間の小話   作:いつかこう

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かなり以前に書いたけど完成寸前「どこに需要があるんだ、これ」とふと我に返り保留にしていたネタです。アニメ二期でリザードマン編が始まった時にも「載せるなら今しか……!」と思いつつ「でもどうよ、これ」と躊躇ってるうちにw まあまさかの第三期も始まる事ですし枯れ木も山のなんとやらで、気が向いたら読んでいただければ幸いです。
蜥蜴人(リザードマン)の名前については法則が分からないので適当です。ご了承下さい。


蜥蜴娘の恋

 

 その蒼白く輝くお体を、美しいと思う。

 

 仲間達はもちろん、その御方に非常な敬意を払っている。

 だが、私のように恋心を抱いてしまった者はいないだろう。

 

 私は蜥蜴人(リザードマン)のメスとしておかしいのかもしれない。

 若いとはいえ肉体的には充分に子を産めるまで成熟していながら、同族のオスに発情した事も求愛を受け入れた事も無かったのに。

 その自分の特異さは理解している。だから、誰にもその秘めた心を打ち明けない。

 

 あるいは、ザリュース・シャシャ様なら理解してくださるかもしれない。

 ご自身が、私達の世界では忌み嫌われていた白い皮膚の……あの方を娶ったのだから。それも、一目惚れだったという。

 

 だがそれでも、クルシュ・ルールー様は同族だ。

 今となっては……ナザリックの下僕(しもべ)となり、そのあまりに多くそして優れた異形の方々を目にした後では、皮膚の色などなんとささやかな違いだろう。

 世界を旅し様々な種族と触れ合い、狭い村の中で発酵したドロドロの偏見に色濃く染まらなかったザリュース様は、いち早く同族であるメスの、その封じられていた美しさに目を奪われたというだけだ。

 

 だが私が恋した御方…コキュートス様は異形種、それも蟲族だ。

 もちろん蟲族とはいえ、私達蜥蜴人(リザードマン)より遥かに高位種であり、大半が私達より強く優れたナザリック内においても最上位の御方なのだけれど。

 

 私はその御方に、道ならぬ恋をしてしまった。

 

 

◇◆◇

 

 

「名ハ。」

「カリューシャ・ラーラと申します。蜥蜴人(リザードマン)の集落におけるコキュートス様のお世話役をさせて頂きます。」

「ソウカ。ヨロシク頼ム。」

 

 そこには見下すような響きも高圧的な態度も、何もなかった。

 己の巨体にか細い小娘が怯えないよう気遣うような、優しげな返答。

 大役に緊張し震えていた私は、ただその一言で心を鷲掴みにされた。

 

 同族であったなら、優しい言葉をかけてくれたたくましいオスに一目惚れしても、なんら不思議な事ではなかっただろう。

 だが私は巨大な蟲に──無礼な表現だけれども── 一瞬で心を奪われ、呆然と立ち尽くしたのだ。

 ハッと気づくとコキュートス様は族長の小屋に行くために立ち去っており、私は慌てて後を追った。

 

 その広い…とても広い背中を見つめながら、私は自分の動揺が何から来たものか分からず、混乱した頭とそれによって引き起こされる尻尾の動きを必死に抑えようと苦労していた。

 

 それが恋心だと理解するまでには、かなりの時間が掛かった。

 

 

◇◆◇

 

 

 それから時折、村に滞在なさる……ほとんどはそこから男達を連れて訓練のための遠征にいかれるので、極短い間……私はコキュートス様のおそばに仕える事になった。

 とはいえ、その周りにはナザリックのシモベの方々が常にお供としてつき従っており、私がお伝えしたい事は殆どの場合お供の方が私に聞き、それをコキュートス様に取り次ぐ、という形なので、直接お声をかけて頂く事も皆無といってよかった。

 そしてそもそもが、私が伝えるような用事など数日に一度あるかなしかでしか無かった。

 

 コキュートス様の眼…そのキラキラと煌く美しい複眼には、私はほとんど入っていなかったろう。

 いえ正確には、視野に入っていても存在自体が意識に上らなかったと思う。それは仕方がない。

 コキュートス様はお忙しい方だし、なにより蜥蜴人(リザードマン)の小娘など、下等種の群れの一匹でしか無いのだから。

 お世話役というのもほとんど有名無実化し、私はただコキュートス様の回りをチョロチョロとうろつく事を許された小娘でしかなかった。

 

 

◇◆◇

 

 

 私達蜥蜴人(リザードマン)は、ナザリックとの戦に敗れその配下となった。

 

 強者が弱者を踏みにじるのは世の常。家族を失った者達に哀しみはあるが、怨みはない。

 正々堂々、真正面から戦い敗れ、そして敗北の後も全く辱めを受けていないのだから。

 コキュートス様は死んだ戦士達に深い敬意と弔意を示してくださった。

 その勇気を讃え、妻に子に、夫や父を誇りに思うよう伝えた。

 敗れた部族が徹底的に陵辱される事も稀ではない蜥蜴人(リザードマン)同士の闘いや蛙人(トードマン)達との争いの後に比べれば、なんと清々しい敗北だろう。

 

 そして降伏した私達蜥蜴人(リザードマン)に与えられたのは、信じられないほどの高待遇。

 部族間で愚かな争いを繰り返してきた私達は、その戦いの大半の原因だった飢えから解放された。

 

 私達はいずれ、ナザリックの軍勢に殺された者達を遥かに超える数に増えるだろう。

 オス達は死の危険すらある厳しい訓練の日々に明け暮れているが、誰もがそれに誇りを持ち生きがいを感じている。

 その強大さの一片にでも触れれば、あの方々にとって私達は…それこそ生け簀の魚ほどの価値もないはずだと分かる。

 にも関わらず、我らの誇りを奪わず、そればかりか食と新たな誇りを与えてもらった。

 どこに恨みの感情を引きずる理由があろうか。

 

「スベテハ、アインズ様ノ恩寵ダ。」

 

 その待遇に感謝と敬意を払う私達に、コキュートス様はそう仰る。

 

 ──アインズ・ウール・ゴウン魔導王陛下。──

 

 村にはその恐ろしくも神々しい御姿を(かたど)った立像が祀られ、日々お清めされ様々な供物が捧げられている。

 ナザリックを統べる御方であらせられ、湖を凍らせ、死者を蘇らせる事すら容易な死の支配者(オーバーロード)

 この世に顕現した神の存在はあまりにも遠く、現実味の無い畏怖しか感じない。

 そしてコキュートス様と同格だという守護者の方々にも。

 

 その中で時折村を訪れになる闇妖精(ダークエルフ)のお二方は、私達から見てもとても可愛らしい──子供というものは種族を超えてそう感じるものではあるけれど──外見をなさっているが、時折、内に秘めた底知れない力と闇が見え隠れし、背すじを凍らせる。

 ──特に、マーレ様の方に。

 アウラ様は気楽な口調で話しかけてくださるが、その言葉の端々に私達の存在など歯牙にもかけないという上位者としての尊大さを露わになさるので、まだ分かりやすい。

 

 だが、私達にすらつっかえつっかえ、とても丁寧な口調で話しかけて下さるマーレ様の方は……その瞳を見る事すら恐ろしい。

 他の蜥蜴人(リザードマン)が、もちろん充分な敬意を払いながらだけれど……平気で会話出来るのが不思議なくらいだ。

 

 ただ一度たまたま会話をする機会があった時、恐れからマーレ様以上につかえながら言葉を返す自分に見せた、あの底知れない……なんだろう? 

 殺意? 怒り? 憤り? ──そんな言葉では表しきれない、ドロドロと渦巻くどす黒いなにか。

 

 なぜか頭に浮かんだのは『僕の真似をするな……!!』という、物凄くハッキリした口調の恫喝だった。

 決して口にも態度にもお出しになっていない。心に直接伝わる魔法を使われたような感じもしない。

 しかし、そう脅された事には疑いようのない確信があった。おぞましい、巨大な悪夢に包みこまれるような恐怖。

 私はただ硬直し、顔を伏せ尻尾を丸め恭順の意を示すのが精一杯だった。

 

 そんな私にマーレ様は『ど、どうかしましたか……?』と、きょとんとした顔でお尋ねになった。

 その、道端に落ちている石ころを見るような無感動な眼で。

 

 ──私はあの御方が恐ろしい。心底から恐ろしい。

 

◇◆◇

 

 けれどコキュートス様からは強大な力を感じても、そういった心の闇が見受けられない。

 誇り高く猛々しい武人、その一言で言い表せる。その信じられない強さを別にすれば、私達でも理解出来るお心の持ち主だ。

 村で散々見てきた雄の戦士達と、そう変わらない。

 種族として最も遠く離れていそうなその御姿とお声の主が最も自分達に近く、親しみを持てるというのは何か不思議な感じがする。

 

 まことしやかな噂では、本来皆殺しにされるはずだった私達を、魔導王陛下への命をかけた進言で救ってくださったのがコキュートス様だという。

 また、ご自身が戦い命を奪ったザリュース様達の復活を懇願したのも。

 自分より遥かに弱い戦士の、その勇敢なる魂に感銘を受けたのがその理由だと。

 他のナザリックの方々が、そのような理由で私達を庇ってくださるとは……不敬ながら思えない。

 ひょっとするとコキュートス様は、ナザリックの中でもかなり特異な方なのではないだろうか。

 

『私がそうであるように……。』

 

 勝手に共通点を見つけ、愉悦に浸る。はたから見れば何と滑稽なのだろう。

 けれど、私は幸せだった。心の中で何度も何度も愛しい方に告白する。

 決して現実に口にする事の出来ない、甘い語らいかけをする。

 

『貴方様にとっては、下位種族のメスなど物の数でも無いでしょう。ですがお慕い申し上げております。お慕い申し上げております。私の全身全霊を賭けて、お慕い申し上げております。』

 

 祖霊に誓って、と言えないのが悲しいところだ。

 私のこの歪んだ、分を超えた恋心は、決して祖霊に認めてはもらえないのだろうから。

 

 

◇◆◇

 

 

 夢を見た。

 

 私はコキュートス様に組み敷かれ、そしてそういう行為に及ぶ…のではなく、生きたまま食われている。

 あの巨大な上顎が私の首筋に突き刺さり、激しい痛みが全身を貫く。ショックで尻尾がビクンビクンと痙攣する。

 コキュートス様は煩わしげに、四本の腕のうちの一つで尻尾を掴むと根本から引きちぎった。

 名状しがたい激痛に絶叫する。だが同時に心は激しい歓喜に満ち溢れ、例えようのない快楽の絶頂に達する。

 己の血で真っ赤に染まっていく視界の先にある、愛しい御方の顔を見つめながら私は懇願する。

 

 ──食べて下さいませ! 私をコキュートス様の血肉にして下さいませ……!──

 

「……!!」

 

 私はかすれた悲鳴を上げて飛び起きた。

 ブルブルと震える我が身を抱きしめながら、その夢……悪夢と言うべきか、淫夢と言うべきか……を振り払おうと頭を振る。

 愛する御方に生きながら食われるという夢想に、まごうことない性的な愉悦を感じてしまった自分が恐ろしい。

 

 ザリュース様ですらそれを知ったなら戦慄し、穢れを祓うため私を追放なり処刑なりするかもしれない。

 いや何より、村の直接の支配者であるコキュートス様に懸想(けそう)し、悍ましい肉欲を感じたなどと、もしご本人やナザリックの方々に知られてしまっては蜥蜴人(リザードマン)全体にとって多大な不利益となるという事を恐れるという、現実的な理由でそうするかも知れない。

 それは正しい判断だ。

 

 一体これはどんな呪いなのだろうか。私はどんな呪いかけられてしまったのか。恋の呪いと言うにはあまりに悍ましい欲望。

 

 ……いや呪いなどと、なにか外側に原因を求めるのは間違いだ。これが私なのだ。蜥蜴人(リザードマン)の異端児。

 呪いというなら、私の存在そのものが呪いなのだろう。クルシュ・ルールー様の外見などとは違う、心底呪われた魂。

 

 いっそ自分で命を絶とうかとも思ったが、それも断念した。

 自ら死を選んだ者の魂は呪われ祖霊との繋がりを断たれ、永久に血と汚泥の沼の中で腐った魚の汁を啜り彷徨う地獄に落とされる……という部族の言い伝えを信じたから……では無い。

 自身が呪いそのものであるのに、何を今更そんなものを恐れるのか。

 

 私はただ、どれほど心が苦しくとも、少しでも長くコキュートス様のお姿を見ていたいという自分自身の浅ましい欲望に忠実だっただけだ。

 

 

◇◆◇

 

 

 私はまた、そのような悍ましいものではなく、自分でも子供っぽいと恥ずかしく思う妄想もしてしまう。

 強大な戦士であるコキュートス様が危機に陥り、私が盾となって守り傷つき、その4本の腕で優しく抱かれながら死ぬのだ。

 

 だがコキュートス様のお体は、蜥蜴人(リザードマン)最強の戦士であるザリュース様の伝説の武器、フロストペインでも引っかき傷すら作れないという。

 またその隙の無さは蜥蜴人(リザードマン)で考えうる限りの最強のチームがあらん限りの知恵と力を絞り命を投げ打ち、ようやく一太刀当てる事が出来た事が奇跡だったと、当のザリュース様ご自身が敬意を込めた嘆息と共に子供達に語って聞かせるほどだった。

 つまり、御身が傷つかないと分かっていてもあえて身を投げ出す物悲しく愚かな女…というシチュエーションすら望めないのだ。

 

 それでも私はそういった事実を無視した都合の良い妄想に身を委ねると、頬を火照らせ少女のようにため息をつくのだった。

 その後に来るとてつもない羞恥に身悶えブンブンと尾を振り回す事になると分かっていながら。

 

 「コ……ュ…トス様……」

 

 我に返り自己嫌悪でひとしきりのたうち回った後の徒労感に浸りながら、愛しい御方の名をそっと呟く。

 

 私にとってはナザリックも、アインズ・ウール・ゴウン魔導王陛下も、どうでもいい。

 もし私がこんな不敬を考えていると知ったら……当のコキュートス様ご自身が激怒し、命を奪うだろう。

 

 ……いっそ、そうしようか。

 

 しかし群れの中にそんな不心得者がいたと知れたらアインズ・ウール・ゴウン魔導王陛下の蜥蜴人(リザードマン)自体を見る目が変わってしまい、大変な事になりかねない。

 変わり者とはいえ私も部族への愛着はあるし、自分の死では済まされない事態はさすがに望みはしない。

 

 だからせめて、秘する愛に殉じるという滑稽な自己陶酔に溺れたまま日々を生きよう。

 

 

◇◆◇

 

 

 ──終わりは唐突にやってきた。

 

 私の死という形で。

 

 それはとうとう私の罪深い懸想がバレてしまい、糾弾され仲間達に断罪を受けたとか、そういう劇的なものではない。

 ただ一人で薬草を取りに行った森でまた妄想にかられ、そんな勇気など無いと分かっているのについフラフラとあの御方に捧げる珍しい花を求め不用意に奥深くに入りすぎ、そして飢えた獣に襲われただけだ。

 私は私なりに抵抗したが、生きるために必死なその獣は、首筋に突き立てた牙を決して離そうとはしない。

 

 激痛が全身を駆け巡り脳髄を掻き回す。

 ひとしきり藻掻いた後、諦めが脳裏によぎり次に浮かんだのは──この牙があの方のものだったら──というなんとも…そう、滑稽な感情だった。

 あの悍ましい夢のように。

 

 意識が遠のき、全身からスーッと力が抜けていくのが分かる。これが死。私はどこか他人事のようにそれを受け入れる。

 死を見てきた。短い生の中でも、無数の死を見てきた。そしてその順番が、私に巡ってきただけの事。

 

 

 

 ──何かを感じ、そして肌に当たるひんやりと心地よい感触に、わずかに残る命の灯火を使い薄っすらと目を開けた時、私は信じられないものを見た。あのキラキラと光る美しい複眼に映る、無数の自分の姿。

 

 私はコキュートス様の腕に抱かれていた。あの少女のような夢想のままに。

 

 なぜこの御方がたまたま森に入られ、たまたま私が襲われる現場に出くわしたのかは分からない。

 神の采配であるはずもない。祖霊の哀れみであるはずもない。

 けれど、理由などどうでもいい。この事実だけでいい。もし死の間際の幻想であるなら、覚めないままにして欲しい。

 

「治癒魔法ガ使エル下僕(シモベ)ヲ呼ンデコイ。」

 

 遠くから、愛しい方の声が聴こえる。

 

「間ニ合ワヌ………カ。」

 

 かすかな憐憫がこもっている。

 

「スマヌナ、カリューシャ・ラーラ。私ニ復活魔法ハ使エヌ。アインズ様ニオ願イシテモ叶ワヌ事ダロウ。オ前ニソレダケノ価値ヲ認メテ下サルトハ思エヌ。」

 

 名前を覚えていてくださった。

 

 ただ一度だけ、お伝えした名を。

 

 クルシュ・ルールー様やゼンベル様のような特徴も無く、この御方からして見れば誰もが同じに見えるはずの平凡な外見の蜥蜴人(リザードマン)の一人である、私の姿と名を。

 

 ああ、それだけで他に何を望むだろう。

 もう、感謝の言葉も、愛を告白する言葉も発する事は出来ない。

 すでに命を失った私は、ただ愛しい方のお顔を目に焼き付ける。

 私の生気の無い瞳に愛が宿っている事に、コキュートス様はお気づきにならないだろう。

 

 大きな手が、まぶたを優しく閉じてくれた。私は愛しい方の腕に抱かれ、永遠の眠りにつく。

 

 コキュートス様は私の事などすぐにお忘れになる。

 その御心のほんの片隅にも、置いてはもらえないだろう。でもそれでもいい。

 この瞬間のためだけに、私の生の価値はあった。

 

 例え生涯 秘密を分かち合える存在を得られなかった 呪われた 孤独な魂であれ

 

 無数の悲惨な死が渦巻く この残酷な世界で これほど幸せな心持ちで 死ねる者など

 

 きっとそうは    いないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 


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