切り裂きジャック(猫耳尻尾付)でダンジョンに行くのは間違いか? 作:ユーベル
―ロキ―
あの子、うちの見立て通りかなりの美少女やった。
不思議な感じはするけど、他の神の気配はしいひんかった。
マジでレベル0やな、あの子。
だが、レベル0がレベル5と6とやりあえると言うのが一番の異常やな。
さぁて、これから面接や。
どんな答えが聞けるんやろうか。
―リヴェリア―
あの者はあそこまでやれたのか。
あれは将来が楽しみであると同時に、どうなるか解らない逸材だ。
ここで逃がすのは惜しいな。
―第三者―
フィンは、取り敢えず受験者に解散を命じ、まだ受けていない者は明日、今日と同じ時間に来るよう伝えていた。
ジャックは、留め金が壊れたローブを回収し、手伝いの団員に案内された部屋で待ちぼうけていた。
ナウラのチョコレートショートケーキを食べながら。
って、寛ぎ過ぎ!
その姿を到着早々見たフィンの一言。
「随分と寛いで居るみたいだね」
「はい、下手に緊張するのも何なので。あ、ケーキ食べますか?全員分有るので」
そう言いながらナウラのケーキを取り出すジャックであった。
「ありがたくいただくよ」
おい、フィン。
激しい運動の後で腹へっているからって即答は無いだろ。
そのままケーキを食べながら面接が開始されるのであった。
これで良いのか?
ロキ・ファミリア。
A.良いんじゃない。
誰だ、今答えたの?
―フィン―
彼女の取り出したケーキに舌づつみしながら面接を開始した。
まず、彼女の名前は『ジャック・メアリスケルター』。
種族は、尾が2本在ることを除き
肉体年齢は8歳。
何で肉体年齢なんだろうね。
普通は年齢だけでいいのに。
さて、次h
「ちょいまち」
ロキ?
どうかしたのかい?
―ロキ―
この子は今
ちゅう事は、
だから、うちも
「あんさんの精神年齢は幾つや?」
「428万6193歳」
―ガレス―
精神年齢428万6193歳とは驚いた。
じゃが、何故ロキはそのようなことを聞いた?
まあ、後で話してくれるじゃろう。
だから儂はこう聞こう。
「お主は何のために冒険者となる?」
「……魂の奥底に刻まれた今までの生が未知を求め、この血を、体を突き動かし、求め続けるから」
なるほど、魂の根本的な衝動ということかの。
―リヴェリア―
ここで自然体で受け答えするとは。
色々と気になる事は有るが、私はこう問おう。
「お前は、仲間が危機に陥った時、どうする?」
「……わたしは諦めが悪すぎる。危機的状況なんて打ち砕いてなんぼでしょ」
言い切るか。
仲間を大切に思う心はしっかりと有るようだ。
いや、仲間を大切に思う心が芯になっているのかな?
―フィン―
この子は本当に面白い。
神でない僕にもそれは解った。
ガレスとリヴェリアの問いに彼女が答える度に親指が疼いた。
だから、最後に僕はこう問だそう。
「最後に……君は僕達と共にファミリアの為に命を賭ける覚悟は有るかい?」
「………………」
流石に意地悪だったかな?
だけど、覚悟が無く、ファミリアの為に命を賭ける事が出来ない者は、団長としてファミリアに入れることは出来ない。
さあ、君はどう答える。
あ、口許が笑ってる。
「仲間の為に命を賭けるのは当たり前の事。仲間の不利益になるような事があれば、そいつはぶち殺す。そんな奴、仲間でも無ければ人でも無い。ただのゴミだ」
それが君の答えか。
物騒な考えが混じっているけど、君の考えはよく解った。
ロキも、ガレスも、リヴェリアも賛成のようだね。
言うまでもなく満場一致。
合格だ!!
―ジャック―
うーん。
ほぼ心の奥底で思った事言っちゃったけどどうなんだろう。
「さて、結果を伝えよう」
おっと、フィンさん、お願いします。
「合格だ」
え、マジで?
「マジで!」
「マジでや!」
ロキがニッと笑った。
因みに、精神年齢の計算はこうなります。
428万5827回ループ×1年
PSO2享年94歳
GE享年72歳
FW享年88歳
討鬼伝享年98歳
転位から4年
合計428万6193歳