Level5第8位『無限の剣製』

I am the bone of my sword

一人の男が夜の街を駆ける

追いかけるのは大多数の男達

俗に言うスキルアウトである

彼は走りながら胸に手を当てこう唱える

「──I am the bone of my sword.(体は剣で出来ている。)

Steel is my body, and fire is my blood.(血潮は鉄で、心は硝子。)

I have created over a thousand blades.(幾たびの戦場を越えて不敗。)

Unknown to Death.(ただの一度も敗走はなく、)

Nor known to Life.(ただの一度も理解されない、)

Have withstood pain to create many weapons.(彼の者は常に独り剣の丘で勝利に酔う。)

Yet, those hands will never hold anything.(故に、その生涯に意味はなく、)」

そして彼はスキルアウトに手を向け

「──So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS(その体は、きっと剣で出来ていた。)!!!」

そう言うと世界が変わった

夜の街から夕焼けに染まったような荒野に

空には巨大な歯車が回る謎の世界に

これが彼の真骨頂

無限の剣製────────

◇

「はぁ………」

風紀委員としての仕事を終わらせた彼──剱崎 斬は疲れていた

「午後10時半………夜食買って帰るか」

「……何がいいか、おにぎりと飲み物でいいか」

手早くすまし家に帰る

「ただいま……っと」

キリヲの部屋をこっそり覗く

「寝てるな……」

それを見て安堵する斬

一方通行曰く

剱崎 斬は過保護である

◇

「ったくスキルアウトの集会なんてほっとけばいいものを……」

などと愚痴をこぼしながら夜食を食べる

彼にとってスキルアウトも能力者も関係ない

彼のうみだす剣は能力無効付与されている

では何故愚痴をこぼすか

それは、走ること

彼は疲れることが大嫌いだった

遠くに行くならバイク

そんな男である

「あいつ見たいに自分のベクトル操れればな、楽なんだろうがね」

◇

「ブェッキショイ！」

一方通行は絡んできたスキルアウトを一蹴した後に大きなくしゃみをした

「……ンだァ、噂でもしてンのかァ」

そう言って彼は路地裏から出る

自分の噂をしたであろう、自分から最強を剥奪した男の事を考えながら

◇

翌日

受験手続きを済ました（二人分）斬は一人歩く

しかしここまで来るのにだいぶ疲弊していた

ひったくりを殴り飛ばしスキルアウトに絡まれ剣で殴り飛ばし露出狂を始末したのである

「犯罪大国かよここは……」

彼は10学区に来ていた

目的は屋台尖塔で食事をとるためである

そこで不穏な気配を察知した彼は日本刀をうみだす

その気配は後ろからであった

しかし彼が振り向いたときには気配は消えていた

「……………」

斬は日本刀を

後ろに振り抜いた

「ちぃっ！」

そう言って回避する少年に斬は見覚えがあった

「…垣根帝督」

「やるな、8位」

「そうか」

「よし、帰るか」

「なにしに来た」

「何しにって同じ学校にいく奴に挨拶だよ剱崎」

「………そうか、だがな」

「お？」

「いきなり攻撃するな、たわけがっ！！！」

思い切り殴る

「がっ！？」

「俺はこれから飯を食うんだ邪魔するな」

「…………………」

気絶した垣根を無視して進む

30分後

「おぉぉぉぉぉ……痛ぇ………たんこぶできんじゃねえか、これ」

ようやく起きた垣根であった