Level5第8位『無限の剣製』   作:ALPHALION

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噛み砕く死牙の獣

「全呪解放………加減は無しだ」

 

美琴に聞こえたのは絶望の声

 

目の前には黒い獣とも鎧とも言える異形

 

手や足には赤い槍のようなものがついている

 

「絶望に挑むが良い」

 

その声を最後に黒い異形───剱崎斬が此方に突撃してくる

 

その速度は今までの比ではなく

 

鉄橋を粉々に崩していった

 

それなりの高さから落ちた美琴は地面に背中から落ちる

 

「がはっ!」

 

肺の中の空気が衝撃で全て吐き出される

 

それから数秒の後に

 

ドンッと音をたてて斬が降り立った

 

「終わりだ」

 

そう言って斬は拳を引く

 

「このっ……」

 

美琴は雷を放つも斬は全身に甲冑を纏っているため能力は打ち消される

 

噛み砕く(クリード・)………」

 

今にも斬の必殺の一撃が放たれようとしたその時

 

「何してんだ、てめぇ!」

 

斬の右前方から何かが激突した

 

結果

 

 

 

 

 

 

 

 

斬の能力は消え、10メートルほど吹き飛ばされた

 

「!?」

 

斬は空中で回転して見事に着地する

 

前を見た斬の視界に移ったのは

 

同じく吹き飛ばされて着地に失敗して無様な格好になっている上条当麻、すなわち幻想殺し(イマジンブレイカー)だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと前

 

当麻は美琴を探していた

 

「くっそ~……あいつ何処にいるんだよ」

 

学園都市を突っ走っていると

 

鉄橋の方に雷が落ちるのが見えた

 

「雷……そっちか!」

 

そして当麻が目にしたのは崩れていく鉄橋とトドメをさされそうな美琴の姿だった

 

当麻は黒い異形に一目散に走っていき

 

黒い異形の顔の左側をぶん殴ったのだ

 

すると黒い異形はガラスのように割れて一人の男が飛んでいった

 

否、飛んでいる、のはこちらも同じであった

 

相手は華麗に着地を決める中

 

当麻本人は頭から着地、数回バウンドしてうつぶせに止まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在

 

「幻想殺しか………」

 

斬はもう一度噛み砕く死牙の獣を使おうとするが

 

その時上の方から

 

「ヤベェ達してしまいそうだっ!」

 

という変態の声が聞こえたため一時停止した

 

無論それは美琴や起き上がった当麻にも聞こえているわけで

 

二人は叫んだ張本人、エインヘリヤルをドン引きしながら見ていた

 

「おいおい……マゾヒズムが擽られるだろ?」

 

「何しに来た」

 

「削板が被験者と戦闘をしている」

 

「!……わかった。そっちに向かう」

 

斬は干将・莫耶の干将を空中に投擲し

 

引き付け会う作用を利用して空を飛ぶ

 

それを繰り返しながら何処かへ向かっていった

 

変態もいつの間にか消えていた

 

美琴は緊張から解放されたのかへなへなと崩れ落ちる

 

「御坂!」

 

「あんた……なんでここにいるのよ」

 

「なんでって……お前なぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

揉める二人を投擲を繰り返しながら見る斬

 

「いやーまさか、幻想殺しが乱入してくるとはな」

 

その前を重力を操って飛ぶエインヘリヤルがそう言うと

 

「あぁ、予想外だった」

 

と斬は答えた

 

「まぁこのまま、被験者の所まで行こうか」

 

「軍覇なら倒してそうだがな」

 

「あのパンチで殴られたらどれだけのマゾヒズムを」

 

「うるせぇ」

 

 

 

 


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