ストライクウィッチーズ~神風のウィッチ~ 作:疾風海軍陸戦隊
春佳がトラックに向かっている最中、シャーリーたちは中型ネウロイを攻撃していた。
ダダダダダァ!
「くそっ!こいつ手強いな!」
「シャーリーさん大丈夫ですか!?」
「宮藤かっ!?春佳はどうしたんだ。」
「大丈夫です。傷を治した後、安全な場所に避難させました。」
「そうか。それじゃあ、宮藤は私についてきて。リーネは後方で援護射撃。これ以上街へ侵攻させるわけにはいかない!」
「「わかりました!」」
そういって3人は中型ネウロイに攻撃を仕掛けるのだった。
一方、援軍に向かっている坂本少佐たちも、小型ネウロイに手間取っていた。
ダダダダダァ!!
「くっ!次から次へと、きりがない!!」
「まったく。こんなのにかまっている暇はないですのに!」
と、言いながら機銃を撃ち小型ネウロイを撃ち落とすが、小型ネウロイは次々と襲い掛かり行く手を遮る。
「少佐!ミーナ!急がないと宮藤たちが!」
「わかってる・・・・宮藤、シャーリー、リーネ、春佳・・・・無事でいろよ」
私はユニットのあるほうへ向かう。
「急がなきゃ!じゃないとみんなが」
私は夢中で走り続ける。私は死んだみんなに会ったとき誓った。もう誰も死なせたくない。自分が死ぬのではなく、必ず生き続けそして守るとあの時そう誓ったのだ。
そしてトラックにつくとそこには自分が最後に乗った機体があった。そうそれは爆戦用に開発された零式艦上戦闘脚62型だった。
「零戦・・・・」
私は零戦に近づき、そして額をユニットにつける
「零戦・・・・わたしやあなたは特攻用のために飛んだけど、今は違う。だから私に力を貸して。」
私がそう叫ぶと零戦は光りだす。そして私も光に包まれた。
「ここは?」
気が付くとそこは浜辺だった。すると後ろで人の気配がし、春佳は振り向くとそこには緑色のした巫女服姿の女性が立っていた。
「あ、あの・・・」
「あなたはなぜ飛ぶのですか?」
「え?」
急な女性の質問にはるか春佳は唖然とする。するとその巫女はもう一度確認するように
「あなたはなぜ飛ぶのですか?」
春佳はすぐになぜ自分が飛ぶか考える
(私が飛ぶ理由・・・・飛ぶ理由か・・・)
しばらく考え春佳が発した言葉は
「私が飛ぶ理由は・・・・何かを守るためです」
「守る?」
「はい。今までの私の感情は死ぬことで祖国を守るという感情だけでした。ですが今は違います。今の私には守るべき人たちがいます。そして今その守る人たちは必死に敵と戦っている。もう、大切な人たちが目の前で死ぬところは見たくない!だから私はみんなを守るために飛びたいんです!!」
心の底から思ったことを春佳は巫女に言う。すると巫女はフフッと笑い
「わかりました。それじゃあ、わが翼。あなたに貸しましょう」
「もしかして‥…あなたは零・・・・」
彼女が笑った瞬間。その場はまた光に包まれるのだった。
「あ、あれ…ここは」
気が付くと春佳は元の場所にいた。
「そうだ。行かなくちゃ!」
そういい彼女はストライカーユニットを履く。すると・・・・
ヒョオォォー
私の周りに大きな魔方陣が映し出される。
「(・・・なんだろう・・・なんか力がみなぎる・・・)」
そして春佳は99式13ミリ機銃を取り敵がいる空を見上げて飛び立ったのだった。
一方、宮藤たちはネウロイと激しい空中戦をしていた。宮藤とシャーリーが機銃をネウロイ目掛けて撃ち、リーネは遠距離から狙撃する。対戦車ライフルの弾丸はネウロイに命中し、装甲をはがす。だがネウロイはすぐに傷を回復させさっきのお返しとばかりにビームを撃ちまくる。
「くっ!」
「回復が早い・・・・」
シャーリー、リーネがそう言う中、ネウロイは容赦なく攻撃してくる。三人は必死でその攻撃に魔法シールドで防ぐ。
「くそっ。やつの攻撃が強くなってる。少佐!まだつかないのか!」
無線でそういう。シャーリーだが
『あともう少しだ!何とか耐えてくれ!!』
と、無線でそう返される。どうやら援軍はまだしばらくかかりそうだ。
すると、一筋にビームが宮藤に向かう。
「宮藤っ!」
「芳佳ちゃんっ!!」
「っ!?」
芳佳は敵のビームに気づくが既に遅し、ビームはすぐそこまで来ていてシールドを張る余裕はなかった。
ビームが芳佳にあたる寸前誰かが芳佳の前に立ちシールドを張り彼女を守った。
そのシールドを張った人物とは・・・・
「春佳ちゃん!!」
「お待たせしました。宮藤さん」
そこには機銃を片手ににこっと笑う春佳の姿だった。
「春佳!」
「春佳ちゃん!!」
シャーリーと、リーネが二人に近づく
「シャーリーさん。リネットさん。お待たせしました」
「傷はもう大丈夫なのか?」
「はい。宮藤さんのおかげで、もう平気です」
そう話していると中型ネウロイは4人に向かってくる。
「話はあとです。とにかく今はあのネウロイを倒すことが先決です」
「わかった。じゃあ、行くぞ!」
「「「はいっ!」」」
そういい、4人は中型に攻撃をかける。まずシャーリーが先陣を切り機銃を撃ちその後ろから、宮藤と春佳が続く。
「行くよ!春佳ちゃん!!」
「ええ、行くよ!お姉ちゃん!!」
「え?」
一瞬、芳佳が驚くが、今は驚いている時ではないと思い、春佳とともに九九式二号13m機銃改を同時射撃をし、そして後ろからリーネが狙撃をする。一点集中攻撃のためさすがのネウロイも怯み、装甲がはがれ真っ赤に輝くコアが露出する。
「コアだぁ!」
シャーリーはそういい、みんなはコアに向かって一斉射撃をし、コアは砕かれ、ネウロイは白い破片となって消えたのだった。
「やぁったー!」
「よかった~」
「春佳ちゃん。やったね」
「うん。やったよ。お姉ちゃん」
「お、お姉ちゃん?」
春佳の言葉を聞いて、リーネとシャーリーは首をかしげる。すると春佳は「しまったっ!つい言ってしまった」っというような顔を見せる。
「そ、そういえば。春佳も名字が宮藤だったよな。それで異世界人で宮藤を見てお姉ちゃんって呼んだってことは・・・」
「う、うん・・・・すみません黙っていて。実は私、向こうの世界の宮藤芳佳の妹なんです」
「え!?芳佳ちゃんの妹!!」
「あ~だから顔が似ていたわけだ・・・」
その言葉にさらに驚くのだった。
「すみません。宮藤さん。黙ていて」
「ううん。別にいいよ。それと私のことは別にお姉ちゃんって呼んでもいいから」
「いいんですか?」
「うん。前から妹とかいいな。と思ってたから。だから・・・・」
そういい宮藤は手を差し伸べ
「これからもよろしくね。春佳ちゃん」
春佳はその言葉を聞き、そして涙をためそして・・・
「はいっ!これからもよろしくお願いします!お姉ちゃん!」
笑顔で答えるのだった。すると・・・
「お~い!!」
「おっ!おっ少佐たちだ!お~い!!」
向こうから、坂本たちがやってきて、シャーリーやリーネは坂本少佐のもとへと向かう。
「行こう。春佳ちゃん!」
「はい!」
宮藤や春佳もみんなのところに向かうのだった。
(お姉ちゃん・・・みんな。私、もう少しだけ頑張って生きてみる。だからこれからも見守っていてね)
春佳はそう思いながら、新しい仲間と元へと向かう。その時の空はこの世界に来る前の世界の空とは違い蒼く清々しい感じだった。