ストライクウィッチーズ~神風のウィッチ~ 作:疾風海軍陸戦隊
1945年。太平洋戦争末期、神風特攻隊員のウィッチである宮藤春佳は、リベリオン空母へと体当たりして死んだ。そう思っていたが、目が覚めるとそこは1年前の1944年。しかも春佳がいた世界とは全く異なる世界であった。行く当てのない春佳は保護してくれた501戦闘航空団の臨時戦闘員として戦うことになったが、春佳は、自分だけ生き残ってしまったことに苦しみ、さらに元の世界では敵だったリベリオン軍人であるシャーリーと距離を取ってしまうのだった。
では本編をどうぞ
「うっ・・・・う~」
歓迎会が終わり春佳は自分の部屋に戻っていたのだが、毎晩、同じ夢を見てうなされていた。
「ここって‥‥東京!?」
彼女が目にしたのは、首都である東京であった。しかし自分の目にしているのはいつもの東京ではなかった。真っ暗な風景おそらく夜だろう。春佳はその東京の上を飛行していた。
「もしかして戻ってこれたの!?」
そう思っていた。しかし春佳はこれは夢だとすぐにわかったなぜなら今自分はストライカーユニットをはいていない。それなのに自分は宙を浮いているだからこれは夢としか言いようがない。そう思っていると上空から黒い影が差す。春佳は上を向きその正体を見た
「・・・・・・B29」
そこには数十機も在ろうかリベリオンが開発した戦略爆撃機B29だった。B29は爆弾ハッチから焼夷弾が、ばらまかれて東京の下町を火の海にする。そうこの風景は・・・・
「・・・・・帝都大空襲」
忘れもしないあの忌まわしき無差別爆撃が起きたあの大空襲だった。春佳はその光景をただ見ているしかなく街から苦痛や怨みなどの無数の悲鳴が聞こえる。
「あ、あああああ」
春佳は青ざめながらそれを見ているしかなかった。
「わあぁぁぁー!!」
がばぁ!!
春佳はベットから飛び上がるように起きた。その体は汗でべっとりだった。今まで見た悪夢の中では1番最悪の悪夢だ。春佳はそう思いベットに座り顔を手で隠して項垂れる。なぜ自分はこの世界に来たのだろうか?もし私が生き残るべき人間だという理由ならそれは違う。もっと他に生き残るべき人間がいたはずだ。
「なぜ・・・・私は生き残ったの?」
その後、春佳は汗をシャワーで流した後、朝食を取りに食堂へ向かった。すると・・・・
「あ、春佳ちゃん。おはよう」
「おはようございます。春佳さん」
「・・・・・おはようございます。リネットさん。宮藤さん」
と、エプロン姿で料理をする宮藤さんとリネットさんが元気よく挨拶し、私はこれを返す。この世界ではお姉ちゃんは生きている。だけど私は宮藤さんと呼んでいる。なぜならお姉ちゃんと呼ぶといろいろと厄介なことと、あのいやな出来事を思い出すため、さん付けで呼んでいる。
私は席に座り朝食を食べる今日のメニューは和食だ。しかも白米に鮭に味噌汁だし巻き卵に納豆だ。こんな豪華な食事をしたのは久しぶりだ。そう中華戦争が始まるまではみんなで食卓を並んでこういう食事を食べたっけ。そういえばこの世界には中華民国は存在しないことを事情聴衆の時、坂本さんがいっていたっけ・・・・
そんなことを思いながら私は箸を進める。
「・・・・・美味しい」
美味しいと思ったのは久しぶりだ。この世界に来るまでちゃんとした食事なんてとっていなかったし
「えっ!本当ですか?春佳ちゃん」
「はい。あっ・・・もう一杯ご飯のお替りもらえますか?」
「はい。待っててね。すぐに入れるから」
と、宮藤さんは嬉しそうに言う。
「はい。どうぞ」
「ありがとうございます。」
と私は久しぶりの白米の味を堪能する。
「フフッ♪」
「芳桂ちゃん。うれしそうだね」
「うん。やっぱり自分たちが作った料理がおいしいって言われるとすごくうれしいんだもん」
「確かにそうだね」
そんな会話が厨房から聞こえ春佳は少しほほ笑む。
「やっぱり、この世界のお姉ちゃんも変わらないね・・・」
そんなことを思っていると
「みんなおはよう!おっ!今日の朝食は和食か?」
「あっ!坂本さんおはようございます。」
と、坂本さんが元気よく入ってきた。そして私の席の隣に座る。
「おはよう春佳。。昨日はよく眠れたか?」
「はい・・・・おかげさまで」
私は嘘をついた。みんなを心配させたくないからだ
「そうか。それはよかったな。はっはっはっ!そういえば春佳。この食事が終わったら、宮藤たちと特訓だ。わかったな?」
「・・・・・はい」
「ん?どうした?元気がないが」
「そ、そんなことはありません。い、いつでも元気です」
と私は作り笑いを見せた。すると・・・・
「おっはよー。おっ!きょうは扶桑料理か宮藤?」
「はい。今日はだし巻き卵と焼き魚と納豆です」
「そうか~私は料理のことはわからないけど宮藤の作る料理はなんでもうまいからな」
すると、シャーリーと春佳の目が合った。
「おー!春佳おはよう」
っと元気に声をかけるが春佳は・・・
「ごちそうさまでした。」
といい春佳は、シャーリーから逃げるように食堂を後にした。
「・・・・・・」
その様子を坂本少佐は心配そうに見るのだった。
朝食から数分後、私たちは滑走路で宮藤さんやリネットさんとランニングをしていた。
「な...何で..春佳ちゃん息切れしないで..ハァハァ..あんなに早く..ハ..走れるの..?」
「すごい‥‥体力だね・・・・・」
と、息切れしながら走る二人。
今回の訓練は滑走路ランニング500メートル10週と飛行訓練だ。リネットさんや宮藤さんは最初の3周でもう息切れしている。そんなにきついのかな?私なんて予科練の時、朝から晩まで大声を出しながら走らされたっけ・・・・
「宮藤!リーネ!春佳よりペースが落ちてきてるぞ!!」
「「はいっ!!」」
そして私やふたりがランニングを終えると、
「よし!少し休憩!!」
っと、休憩の時間に入る。すると、二人は地面に寝っ転がってはあ、はあと息をつく
「春佳ちゃん。すごいね・・・・あんなに走っても息切れ一つしないなんて」
「本当にすごいよ」
「・・・・予科練で死ぬほど走らされたんで体力には自信があるんですよ」
「予科練?春佳ちゃん。予科練って何?」
宮藤さんが首をかしげて言う。
「え?予科練って・・・あれ?そういえば何の略でしたっけ?まあ、簡単に言えば飛行訓練生のことです」
「へ~そうなんだ・・・・」
休憩中はそんな他愛のないことを話していた。今この世界で仲がいいのはこの二人だけだ。あっペリーヌさんもだっけ。あまり話すことは少ないけど。しばらくして私は、坂本さんに呼ばれた。どうも飛行技術を見せてくれとのことだ。ちなみに二人はまだランニングをしている。あの二人はまず体力作りからだというそうです。
「春佳。そういえばお前のストライカーは零戦だったよな」
「はい「零式艦上戦闘脚62型」です」
「62型・・・・ということはこれは最新型か?」
「はい。零戦シリーズでは、っという意味ならそうです。ただこれは「爆戦用」です」
「爆戦・・・・ということは」
「はい。お察しの通りです」
そう、私の履いていた62型は特攻目的のため改良されたユニット。ただほかの戦闘脚同様空中戦はできる
「そうか・・・・すまないがそれを履いて飛んでみてくれるか?」
「はい」
私はユニットを履いて空を飛ぶのだった・・・・
「どう?彼女の飛行」
「ああ、ミーナか。」
しばらくして訓練も終わり春佳は自室へと戻り、坂本少佐はミーナのところにいた。
「そうだな・・・・飛行技術はまあまあっといったところだが、何か警戒しながら飛ぶ癖があるな。それにさっき着陸の練習もしたが、完全に失敗で何度も転んでいたよ」
「私も見たわ。おそらく彼女、ちゃんとした飛行訓練を受けたことがないようね」
「ああ、春佳から聞いたが、飛行訓練を一か月で繰り上げられて出撃したそうだ」
「一か月!?ちょとまて少佐。普通ウィッチの訓練は最低でも半年、長くて1年はかかるぞ!それを一か月だなんて」
坂本少佐の言葉にバルクホルンが驚く。
「ああ、なんでも上の連中は「ただ飛べればいい」っということで合格にしたみたいだ。つまり春佳は・・・・」
「特攻・・・・自爆のためだけに飛行訓練を受けたのか・・・狂ってる!」
「それは私も同感だ。向こうの世界の私はなぜこんな作戦を止めようとしなかったのだ」
「そうね・・・・・それよりも今の春佳さん。何か思い詰めている顔をしていたわ」
「春佳が?」
ミーナの言葉にバルクホルンが首をかしげる
「そういえば今朝もなんか元気がなかったな。なんか自暴自棄になっているっていうか・・・・」
「おそらく原因は・・・・・」
「シャーロット・イェーガー大尉か」
「ええ、彼女の世界ではリベリオンと戦争をしていたらしいから複雑な気持ちなんでしょう」
シャーリーは今まで道理、春佳に気軽に話しかけているが当の本人は彼女を避けているためいまだに平行線なのだ。
「でも、ミーナこのままほっとくと戦闘時に支障が出るぞ!」
「そうだな。確かにこのままじゃいけない。なんとかしないと・・・・」
「そうね・・・・・」
と、三人はため息をつくのだった。
今回はここまでです。文才が欲しい。たまにそう思うことがあります。
次回もお楽しみに
ちなみに宮藤春佳のステータスは
宮藤春佳
階級:少尉
原隊:第七二一海軍航空隊(神雷部隊)
身長:155センチ
使用ストライカー:零式戦闘脚62型
使用武器:三式一三粍機関銃
服装:海軍第2種軍装
得意なこと:洋食作りとブルタニア語
苦手なこと:扶桑料理
将来の夢:学校の先生
性格:心優しいがやんちゃなところがある。
髪型:サイドーテール
っとこんな感じです。