「あ、ああ。お前は誰だ?」
「おっと自己紹介が遅れたね。俺は釘使いの白虎。旅人さ。」
「釘使いの白虎、、、うわさで聞いたことがあるような。」
師匠から聞いたことがある気がする。目的はわからないけど色んなところを旅してる凄腕の釘使いだ。
「へえ、俺もこんなところで知られてるくらい有名なんだ。まあいいや、俺はそろそろ行かないといけない。あ、そうそう君も森の中を歩くならこれを持っておくといいよ。」
白虎はペガチャンに聖水を渡した。
「これは?」
「それをつけてれば一定時間魔物は寄り付かない。森は魔物も多いから気を付けろよ!じゃあな細い旅人!!」
そう言い残しこちらが自己紹介する暇もなく白虎はそそくさといってしまった。
そう、俺は小さい頃から体が細い。でもなんで初めて会ったやつにディスられなきゃいけないのか…
というか、早く薬草をとってはるのもとに戻らないと!
ペガチャンはもらった聖水を体につけ薬草を取り洞窟へと戻った。
「おいはる、薬草を持ってきたぞ。」
・・・
「おいはる!はる!」
・・・
いくらペガチャンが呼び掛けてもはるは起きなかった。
「はる!!はる!!!」
どうやら持病が悪化しててもう手遅れだったらしい。
ペガチャンは今までどたばたしていてあまり考えることができてなかった村のことも同時に思い出し泣き叫んだ。
「くっ、、、なんでだよ。なんで神は俺を見放すんだ。村の人たちもみんないなくなって、師匠もいなくなって、はるまでいなくなるなんて。もう俺も消えたほうがいいのかな。」
ペガチャンが絶望の淵に立ってるその時だった。周りが突如光に覆われる。
『お前はまだ死ぬときじゃない。』
どこからともなく声が聞こえてきた。
俺は何者かわからないその声に答える。
「なんでだよ、もう俺は生きてる意味なんかないんだよ。死ねば魔王の脅威におびえることもないんだ。」
『いーやだめだ。お前にはまだ果たすべき使命がある。』
「何だよ使命って。魔王を倒せとでもいうのか?」
『よくわかったなその通りだ。』
「無茶を言うなよ。あんな奴倒せるわけ、、、」
『いいからごちゃごちゃいってねえでやれよもやし。』
「なんだいきなり、もやしは関係ないだろ。」
今度はなんで姿も見えないやつにまでディスられるんだ。
『よーし、まあそういうわけだ。ってことでよろしく頼むな^^』
「あ、ちょ、、、」
次の瞬間、光は消えさっきの洞窟に戻った。
なんだったんだろ今のは。そしてなんでわざわざ俺に魔王討伐を頼むんだ、、、?まあいい、どうせ死んでもいい覚悟で旅に出てみようかな。
そう吹っ切れた俺はこころなしか病みぺガからは解放された気がした。俺はなんとか焼け野原となった故郷の村に帰り、はる、智志、その他村人たち全員分の墓を建てた。
「たまには墓参りに来るからな。みんな安らかに眠っててくれ。」
こうしてペガチャンの魔王討伐への旅がスタートした。村のみんなの仇は必ず取る。そう決心したのであった。
だが今のままで魔王とたたかっても勝ち目はない。
それに魔王の城がどこにあるのかすらもわからない。
まずは情報収集が必要だ。まずは村に最も近いゾラメの街に向かうことにした。