肩口辺りに痛みを覚えて藤丸立香は目を覚ました。お世辞にも寝心地がいいとは言えない硬いベッドの上で上体だけを起こす。
「おはようございます、マスター」
気品のある声で彼女、キャスターは言った。その後ろでセイバー、沖田総司ひょっこりと顔を出して同様に朝の挨拶をした。
藤丸らが一夜を明かしたのは古びたアパートの一室だった。幸いにも空き家で、鍵も開いていたため使わせて貰っていた。
「一つ聞きたいんだけど、沖田はなんでキャスターの協力しているんだ?この横浜が聖杯戦争という形を取っているというなら最後の一人まで戦い抜かなきゃいけない」
藤丸の問いに沖田は少し肩を竦めた。
「私だってここに召喚された当初はそう思いましたよ。でも、ここが異常だなんて直ぐにわかりました。そもそも、呼び出したマスターもいない。自分が独立した個体だなんてことは把握しました。それに―――」
沖田が言い淀む。そこから先を言おうかと思案している様子だ。それを、見かねてかキャスターは助け船を出すように口を挟んだ。
「私から説明しましょう。よろしいですね、沖田さん?」
キャスターは沖田に視線を送ると、沖田の方も小さく頷き同意した様子だった。
「昨日も話した通り私達のいるこの特異点では六騎のサーヴァントがいます。マスターが最初に遭遇したバーサーカー。そして、マスターと出会う前。私と沖田さんが合流した直後彼らは現れたのです。その中の一人にはサーヴァントも居ました」
キャスターはもう一度沖田に視線を送る。沖田は俯いたままだった。
「私達は襲撃されたのです。刀を携えた人斬りの集団に」
「……それって?」
藤丸は思わず声をあげた。人斬り集団。それに該当する集団、それこそ今まさに目の前にいる彼女が生前在籍していた新撰組の事を指しているのだろう。
藤丸は沖田に視線を移すと彼女は口をゆっくりと開く。その表所は俯いていて彼には窺い知れなかった。
「えぇ、かつての私達の同士でしょう。ですが、元同士です。何故なら―――」
言いかけて藤丸らは一斉に窓の向こうに視線を奪われた。彼らの意識を奪ったのは、外から聞こえた人々の悲鳴だった。
藤丸は窓際に駆け寄り身を乗り出すようにして外の光景を見た。キャスターと沖田もそれに続く。そして、そこで見たものは彼らの想像の外にあった。
まるで、この世の地獄とも言える光景。無数の集団が街を歩く人間を一方的に虐殺していたのだ。
怒号、悲鳴、それらが藤丸の聴覚を刺激する。
噴出する血液、子供を抱きながら絶命する女、頭を垂れ命乞いをするも無残に切り捨てられる男、それらが藤丸の視覚を抉った。
「なんで、こんな事を―――ヒドい」
逆流する液体を、上昇する憤怒の感情を、自身の作った握りこぶしで抑えつける。
「止めなきゃ、こんな事許されるはずがない」
飛び出そうとする藤丸とそれに追随しようとする沖田は既に臨戦態勢になっていた。
「お待ちください、マスター。これは罠です。彼らは私達を炙り出そうとしているのです」
窘めるような口調のキャスターに対し、藤丸は怒鳴るような声を上げて反論した。
「だったら尚更だ。自分達の所為で無関係の人々が苦しめられている。助けに行かない訳にはいかないだろう」
「ええ、私もマスターに賛成です」
藤丸と沖田はキャスターの反論を待たずに部屋を飛び出した。
彼らが現場に辿り着く頃には既に死体が道中に広がり、アスファルトのキャンパスを赤い鮮血が塗りつぶしていた。
刀を携えた男達は五人。そして、中央にいる一人はサーヴァントだった。狐の面を被り、段だら模様の着物を羽織った剣士は藤丸らを視界におさめると口元を吊り上げた。
「おいおいカルデアのマスターも起こしかい?昨日はうちの女王様が世話になったな。あぁ、こんなやり方で釣りだしたのは謝るさ。でもよ、こそこそ隠れてるお前らが悪いんだ―――ぜ!!」
弾かれた花火の様に。刀をもつサーヴァントは藤丸に突貫した。周りの有象無象である浪士たちも彼に続いて抜刀した。
「貴方……貴方は!」
「言うなよ総司!俺は、俺の為にお前を斬る覚悟ぐれぇはあるんだぜ?」
沖田と刀をもったサーヴァントが拮抗した鍔迫り合いをすると、残りの浪士達は藤丸へと刃を向ける。
「マスター!」
「よそ見をする余裕があっていいなぁ、総司」
今の藤丸は余りにも無防備だった。
迫りくる刃に抗う術など持ち合わせていない。思わず両腕で顔を覆う様に竦んでしまう。
だが、次に藤丸がみたものは浪士達が次々と吹き飛ばされてく光景だった。
「全く、少しは状況を考えてください」
「キャスター!」
藤丸が振り返った先には、左腕を突き出し魔術の光弾を放ったキャスターの姿があった。
「サーヴァントでないのなら微力な私もやれます。マスターは沖田さんの援護を」
「あぁ、沖田!」
沖田へ強化の魔術を施す。一時的ではあるものの彼女の瞬発能力が大幅に向上する。
「はぁ」
気合いと共に発せられた彼女の声。
それは、同時に相手サーヴァントの刀を弾きあげるには充分だった。
追い討ちを掛けるように振り払われた一閃を相手は辛うじて避けてみせた。
「あーあ。やめやめ。今日は大人しく撤退するさ。総司、決着は必ずつける」
「待ちなさい、待って、待ってください!
沖田の声は無残な地獄と化したこの場所に響き渡るだけ。
敵対したサーヴァントは直ぐに視認できない場所に消えてしまっていた。
「沖田……」
「すみません、マスター。私は」
俯いた彼女に藤丸は掛ける言葉が見当たらなかった。
それでも聞かねばならない事がある。そんな藤丸の胸中を代弁するかの様にキャスターが口を開いた。
「沖田さん 彼の正体。真名を教えてくれませんか?私達にはその情報が必要です」
「俺からも頼むよ 沖田」
「ええ、何故か面を被っていた様ですが。あの人は彼に間違いありません。かつては私達と共に戦い袂を別った。新撰組八番隊組長。真名を東堂平助」
藤丸にも幾許かの知識は持ち合わせていた。
新撰組。かつて日本の幕末で活動した組織だ。
主に不逞浪士などの取締り等を行なっており、現代でも知名度の高い存在。
その新撰組の二人が特異点とはいえ時代を超えて衝突するのは皮肉だった。
それも沖田の言う通り、東堂平助は新撰組を思想の違いで離脱した伊藤甲子太郎について行き、後に新撰組に暗殺されこの世を去った人物だ。
「沖田、その……」
「関係ありません……また来るのなら切り捨てるまで」
「―――ぱい―――せ――」
沈黙した空気を払拭するかの様にノイズが走った。
藤丸は聞き覚えのある声に辺りを見渡すがカルデアからの通信ウィンドウは見当たらない。
「マスター、一度アパートに戻りましょう」
キャスターの提案に藤丸は頷き、地獄の様なこの場から後ろめたさを感じかながらも一旦アパートに戻る事を決めた。
*
「よかった先輩。ここなら映像も届きますね」
ウィンドウ越しに笑顔を浮かべたマシュに藤丸も思わず笑顔で返した。
沖田はウィンドウを不思議そうに眺めクルクルとその周りを回っていた。キャスターはただ佇み藤丸の後ろから見ているだけだった。
「音声と映像は不安定でしたが観測自体は辛うじて出来ていた状態です。今、先輩の側にいるサーヴァントはセイバーの沖田さんに……キャスターですね」
「あぁ、彼女は訳あってまだ真名が明かせないけど俺を助けてくれたんだ。悪いやつなんかじゃないよ」
「そう……ですか。えぇと、先ほどまで反応があったアサシンのサーヴァントはいない様ですね。敵対していたのですか?」
「そうなんだ。それに彼の真名も分かっている。新撰組八番隊組長だった東堂平助」
あっ、とマシュは驚いた顔をし、直ぐに申し訳ないという顔をした。
「問題はありません。私は彼がまた来れば斬りふせるだけですから」
「大丈夫だマシュ。沖田も覚悟している。それより今はもっと情報が欲しい。そちらから、何か観測できた事象はない?」
藤丸の問いにマシュは少し困った顔を見せた後に、ありません、とだけ答えた。
それをみたキャスターは少し微笑みを浮かべた。
「沖田さん、マスターも魔術を使って疲れたでしょう。ゆっくりさせてあげましょう」
「え?えぇ、そうですね。では、マスター後ほど」
キャスターは沖田を伴い部屋を出た。藤丸だけが取り残される。
「先輩が最初にレイシフトして出会ったサーヴァントはバーサーカーですね?」
「あぁ、襲われた」
「そしてキャスターさんは真名を明かせないと?」
「それがどうかした?」
「はい。バーサーカーとキャスターの霊基は同じなんです。クラスはこそ違いますが。間違いなくキャスターとバーサーカーは同一人物です」
******
目を覚ますと辺りは真っ暗闇だった。
窓から賑やかな太陽の陽射しを浴びるなどという快適な朝を迎えるという事はなく、オレは落胆した気持ちをため息と共に吐き出した。
何せ一日中眠っていたのだ。
記憶も戻っていないのだから、まだ明るい内に街を探索しようという寝る前の決意は彼方に消え去ってしまった。
ベッドから身を起こす。案外と寝心地がよかった。オレは枕元の灯りをつけ部屋を見渡し安堵した。またもや記憶のない場所にいたらという恐怖心は杞憂だったようだ。
「キャスター」
彼女の名前を呼んだ。しかし、返事はない。
昨夜、帰宅したのはまだ日が昇る前ではあったがキャスターはいたく呆れた様子だったのは覚えている。
一体どこにいっていたの?、誰かにあったの?、など、これでは母親か恋人の様だと苦笑いしたが、キャスターの方はいたく真面目な様だったのでヘソを曲げてしまった。
目が覚めたらいの一番には謝ろうと思ったが肝心の彼女がいないのでは仕方がない。
時計の針を確認すると午後の九時を指していた。オレは内心でキャスターに謝罪しセイバーのところに向かうことにした。
その為にはやや長い石階段を下らなければならない(セイバーのいるビルの階段を登るよりはいささかましだが)昨夜は気がつかなかったが途中唸り声、地響きというべきか、その様な音が聞こえた。これは、帰宅した時に初めて気がついた。
はた迷惑な住民もいるものだとオレは思った。
セイバーのビルは大体、徒歩で二十分程で着いた。今にして思えば体が歩き方を覚えていてくれて良かったと思っている。でなければオレは未だにあの薄暗い部屋の中に閉じこもっていただろう。
ビルを見上げる。やはりセイバーのいる階には灯りが漏れていた。まるで、オレを迎え入れるかの様な光にすら思えた。
が、それを享受するにはまたこの階段を登らなければならないのはいささか億劫だった。
階段を登りきり扉の前に立った時には既に汗だくになっていた。
扉を数回ノックすると中から、どうぞ、と声がしたので中に入った。
室内は相変わらず雑多であった。部屋の主のセイバーはソファの肘掛に背中を預け両足はだらりと下げてだらしない体勢をしていた。
「こんばんは。ダルそうにしているね」
オレが声をかけてると彼は、あぁ、とこちらを見向きもせずに答えた。
「藤丸くん、退屈だとは思わないか?」
「そうかい?記憶のないオレからすればここに来れば真新しい事ばかりだよ」
「そう。ところで何か思い出したかい?」
「いいや、それにさっき起きたところ」
「へー、そう」
興味ないとでもいいたげな態度だった。
今、セイバーは退屈だと言った。彼と話せば何かしら記憶が戻るきっかけが掴めるやもしれない。何とか、会話を捻り出そうとするが、話題は中々見つからない。
うーん、と唸り声を上げるオレを時たま横目に眺めては直ぐにセイバーは天井を仰ぎ退屈そうにしている。
何だか悔しくなって彼の興味を引きたくなってきた。何かないかと思案する内に昼間の出来事を思い出した。
「セイバー、今日の昼間の事を話すよ」
「はい、どうぞ」
違和感というか記憶の、いや知識だろうか?何かしらの齟齬を感じながらオレは昼間の出来事をセイバーに話した。
「昼間の事だ。オレは目を覚ますと人の悲鳴が聞こえたんだ。オレは直ぐに窓から外をみた。すると、周り一帯は血の海だった」
「へー」
セイバーのやる気のない変事にオレは少し苛立ちを覚えたが、何とか耐えて話を進めた。
「オレはサーヴァントの沖田を伴ってそこに向かう。すると、敵のサーヴァントアサシンがいた。真名は東堂平助。彼を何とか退ける事に成功した」
「そりゃすごい」
セイバーはわざとらしくいった。あいも変わらずだらしない体勢のままだ。流石に頭にきたのでオレは怒鳴った。
「セイバー、人が話をしているというのにその態度はないんじゃない?」
「君が勝手に話を始めたんじゃない。じゃあ聞くけど君は昼間何をしていた?」
とち狂った事をいう奴だ、とオレは叫びそうになった。一体何を聞いていたのだろか。
オレはわざとらしくもう一度同じ事を言ってやろうと、息を思い切り吐き出した。
「あぁ、何度でもいってやる!オレは昼間に ―――あっ!?」
何て馬鹿な事を言ってしまったんだ。
思わず頭を抱えそうになる。オレはさっきまで寝ていたじゃないか。
だとすれば今のは記憶だ。今日の出来事ではない。さっきの違和感の正体はこれだったのだ。
これは、自分がレイシフトしてから二日目の記憶に相違ない。
きっと記憶が混濁してしまっているのだろう。
申し訳ない気持ちになりオレはセイバーに詫びた。
「ごめん。でも、何でセイバーはわかったんだい、オレが勘違いしてるって?」
「自分で今起きた、と言ったじゃない。まぁ記憶が戻って良かったんじゃない。生憎と何日前の出来事かは僕にはわからないけど」
「じゃあ、新聞とかテレビはない?あんなに人が殺されたんだ話題にはなっているだろう?」
「いや、残念だかそういった事件を耳に挟んだ記憶はないな。そもそも、その記憶にしたってこの特異点の記憶ではないかも知れないよ。場所は覚えてる?何でもいい、目立つ看板や特徴的な建物だ。君の該当する記憶とここにある建物が一致すれば、それはここで起きた事件なんだろうね」
セイバーの意見を肯定する様にオレは思案する。あの時その様な建造物はあっただろうか?しかし、それらの記憶は復元される事はなかった。抽象的な俯瞰での曖昧な映像。
まるで、断片的なフィルムを流されてる気分になった。
「思い出せないな」
「そうか。なら記憶が戻るまで待つしかないだろう」
「ところで、昨日みたいに音楽をかけてくれない?」
ここに来る理由の半分はこの為といっても過言ではない。オレはすっかりレコードの出す音色の質感に魅了されてしまったのだ。
だが、セイバーはそんな浮かれ気分のオレとは対照的に退屈そうな態度を変える事はなかった。
「何でも好きな曲をかければいいよ」
「じゃあ、そうするよ」
レコードプレイヤーの操作は昨日見て覚えている。針を落とす感覚はオレの背筋をぞわぞわとくすぐるものがあった。
流れ出る心地よい音楽に身を委ねてオレはソファの上で目を瞑った。
セイバーは、あぁー、とか、違う、など独り言を並べている。何とも、珍妙だ。
シャドウサーヴァントとはいえ、彼とて英雄、もしくは英雄に近い人物だったのであろう。
そういえばオレは彼について何も知らない。出会って二日目だから当然なのだがもう少し彼について尋ねてみようと思った。彼といると何故か落ち着く気分になれたのは、目が覚めてからまともに話したのが彼ぐらいだからだろう。キャスターは例外だ。一方的に、話を畳み掛けられただけだし。
「セイバー」
「―――なに?」
彼は不機嫌そうにいった。ボサボサに乱れた髪を掻き毟りながら上体を起こして、こちらを睨みつける。先ほどよりは話しやすくなりはした気がした。
「セイバーは生前何をしていたの?」
「それを話した所で君の記憶が戻るわけではないでしょう?」
「それは、そうだけど。何処か別の場所で出会っているかもしれない」
「そう?絶対にないと思うけど」
「いいじゃない。話してくれよ」
「―――まぁ、いいよ。僕はそうだね。ここに住んでいる時は占い師。昨日も話したけど占星学ってのを教えてたりしたね。後は、探偵とか」
「探偵?」
どこか心躍らせるフレーズだった。オレは続けてセイバーに問う。
「じゃあ、殺人事件とかそういうのを解決したっていうの?」
「幾つかね。謎を解くという行為は実に面白いよ。純粋に頭脳労働党言う奴は退屈しなくてすむ」
「凄い、まるでシャーロック・ホームズみたいだ」
オレが言うと彼は眉間に皺を寄せて、見るからに不機嫌になった。
何かマズい事でも言ったのかと危惧すると彼は苛立った口調で言う。
「それは違うよ藤丸君。僕が彼ににているんじゃない。彼が、僕に似てしまったのだ。大体、僕の事を東洋のシャーロック・ホームズだなんて持て囃した連中もいるけど不愉快だったね」
「嫌いなのシャーロック・ホームズ?」
「そもそも、薬や煙草に依存している人間を君は好きになるのか?この物語が描かれた時代は合法だなんて筋の違う話をする人もいるがね、そういう問題ではない。僕らの論理感は今、現代にある。なぜ、思考レベルをその時代背景に合わせる必要があるのだ?その時代は合法だから問題はないだと?薬は薬だろう?良い事の筈がない。君だって幼少の頃、悪い事をしなかった?更に、言えばそういった事に憧れもしたんじゃない?何故か、普段は抑制された感情を発散したいという欲求の表れだよ。だがそれは我々は理性を持って対処しなければならない。だがら、人は空想や架空の存在に惹かれるのだろうね。いわば物語の登場人物は君達のストレスのはけ口だ」
大分、話が逸れた気がするが、オレは敢えて指摘する事はしなかった。
思わず立ち上がり熱弁を振るうセイバーにこんな事を尋ねてみた。
自分の記憶が戻らない苛立ちと淡い期待も込めて。
「じゃあ、セイバーに依頼するよ。オレの記憶を取り戻す。その手伝いを」
「へぇ、手伝いだけでいいのかい?僕は、君の全てを先に見つけてしまうかもしれないぜ」
「構わないよ。じゃあ、依頼を受けてくれるって事でいいかな」
「あぁ」
「それなら今日は帰るよ。明日は昼間に起きて街を探索したいからね」
「そう。何かわかったらまた教えてくれ。それじゃ」
オレはセイバーに見送られながら部屋を出た。
帰り際、見上げたビルの灯りは未だに灯っており、慌ただしく影が蠢いていた。
続きは明後日。