捻くれぼっちの凡校生活   作:シロアリ

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5日も開けてしまいすいませんでした!(土下座)

急いで描いたので文章がおかしいところ、キャラが崩れているところなどあったらどんどん指摘してください。お願いします。



あと小説を読んでくださってる読者の皆さん、原作はどちらもこの作品より1145141919810倍面白いので、持っていない方がいたら是非手にとって読んでみてください。






ケッキョク

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんやかんや一週間が経った。

 教室に着き次第イヤホンを付け、音楽を流して机に突っ伏する。この行動は既に俺の中での習慣になりつつあった。

 あれからペンダントは一向に見つからない。

 

 

 

 そもそも一条達と話していないせいで情報の共有が出来ず、かなり非効率的な探し方をしてるせいもある。

 なんとなく一条たちに俺も探していると知られたくなかった。適当に探してるフリでもしておけばいいものをちゃんと探すあたり、俺も相当律儀なんだと思う。

 基本的に一条達は外を探していたから俺は校内を探していた。言ってしまえば大抵ただのゴミ漁りである。

 ただ、ゴミ捨て場を漁っている時に小野寺といつも一緒にいる背の小さい女子(名前は知らない)に見られた時は気まずかった。

 あの時の俺と言ったらやばい。何がやばいって超やばい。

 向こうも向こうでドン引きした後、急にはっとなって何処かに行ってしまった。

 多分完全に何も見なかった事にでもしたんだろう、悪いことは何もしてないはずなのに悲しくなってくる。

 結局何日経ってもペンダントのぺの字すら見当たらなく、俺の輝かしい放課後が無為に消費されて行くだけだった。

 

 

 

 つーか俺そもそもペンダントの形知らねぇじゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 午前の授業をやり過ごし今は昼休み。

 

 この一週間で習慣化された俺の行動その2、話しかけんなオーラを発動させて屋上へと向かう。

 説明しよう。話しかけんなオーラとは主にぼっちが放つ独特の雰囲気であり自身のパーソナルエリアのことだ。

 まず本を読む、イヤホンをするなどがこれに当たる。本を読みながらイヤホンやイヤホンしながら寝たフリは現段階の最強コンボだ。これを使えば大抵は話しかけられない。

 努力の方向性を間違えた悲しきぼっちに標準装備された基本アビリティである。

 

 

 

 屋上に着くと先客がいた。背の小さいあの女子である。

 

 

「ちょっと、比企谷君」

 

 

「な、なんだ?」

 

 

 久しぶりに人に話しかけられたため、ついどもってしまう。

 

 

「あぁ、話すのは初めてだったわね。私は宮本るり。ちょっと小咲の事で話があるんだけど…いいかしら?」

 

 

 宮本は険しい表情で俺を見る。

 俺小野寺に何かしたっけか。心当たりが無いわけじゃないんだが他に何か無いかを思い出す。

 

 

「別にいいぞ。で、なんだ?」

 

 

 特に思い出せなかった。よく考えたら思い出すような事何もないじゃん。基本寝てたし。

 まぁ心当たりがないって事はあの話なんだろう。

 なぜ宮本が俺に接触して来たかは分からないが、とりあえず今は続きを待つ。

 

 

「小咲と何があったの?なぜあなたは転校初日以来小咲と話していないのか、それを聞きたいの」

 

 

「…別に小野寺とは何もないぞ?」

 

 

 嘘は言っていない。小野寺との距離も関係性も、特別な事は何もない。

 

 

「嘘ね。だったら小咲があんな顔で私に相談してくるはずないもの」

 

 

「相談?」

 

 

「そうよ。比企谷君に距離を置かれてる気がする、私何かしちゃったのかな、って。だからあなたに直接聞いてるの。正直あんな様子の小咲は見てられないわ」

 

 

「小野寺は何もしてないぞ。ただ俺が勝手に距離を置いているだけだ」

 

 

 そう、小野寺は何もしていない。だから小野寺が気に病む必要はないのだ。

 本来接点を持つはずのない人間同士、この距離感は間違っていないはずなのだ。

 

 

 宮本は一瞬俺を睨むも、何かこちらを探るような視線を向ける。

 

 

「その理由は?なにかあってそうしてるの?」

 

 

 正直話すかどうか悩んだが、別にいいかと判断して俺は話し始めた。

 

 

「舞子から俺の席を狙っていた男子が結構いるって聞いたんだよ。それで転校生とはいえこんな目が腐った奴がいきなりその席陣取って、しかも机までくっつけてたら反感買うだろ。少なくとも俺に対する印象はよくない。実際昔からこの見た目で結構酷い目に合ってきたからな。万が一、小野寺に被害が及んでからじゃ手遅れなんだよ」

 

 

 俺にしては珍しくかなり長く話したと思う。自分でも気付かない内にコミュ障が改善されて来てるのだろうか。

 ここまで言って察したのか宮本は考え込む様にも呆れている様にも見える仕草をした。

 

 

 しばらくして顔を上げると、こちらをじっと見つめて口を開く。

 照れますねー照れますねー、見つめられると照れますよー。照れない。あのてるてる坊主照れ過ぎじゃないだろうか。

 

 

「確かに小咲は人気だけど、あなたが考える程うちのクラスの男子は酷くないと思うわ。だいたい、何も言わずに距離なんて置いたら小咲がああなるのも当然よ」

 

 

「警戒するに越したことはないだろ」

 

 

「いいからちゃんと小咲と話しなさい。じゃないと今言ったこと小咲にバラすわよ」

 

 

 俺の一週間の努力が消えてしまうがここまで言われたら仕方ない。

 初志貫徹がモットーの俺もさすがに折れた。自分の行動が矛盾している自覚はあるが、それがぼっちという存在なんだと思う(哲学)。

 

 

「はぁ…分かったよ」

 

 

 しぶしぶ頷く俺を見て、宮本は満足そうな顔をした。

 流れ的に話は終わりだと判断して俺は柵のそばに腰を下ろそうと歩き出す。

 が、宮本に遮られた。な、何?

 

 

「今行くのよ」

 

 

「はぁ!?」

 

 

 いやいや待て待て、いくらなんでも先を急ぎ過ぎじゃない?せめて俺にパン食べる時間くらいくれよ。

 

 

「早く」

 

 

 宮本の背後に鬼が見えた。怖ぇ!まじで怖い!

 

 

「分かった、分かったから」

 

 

 放課後どころか昼飯の時間すら奪われて項垂れつつも、俺は素直に踵を返す。自然に閉まっていた屋上のドアを開けて教室に向かう。

 

 後ろでドアが閉まった音を耳に入れつつ、トントンとリズムを刻んで階段を下った。

 

 

 

 

 なんて話しかけよう…。

 

 

 

 

 

 

 

 







うん、小野寺さん出ないね(遠い目)

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