主人公の代わりにプラチナ世界を救うことになった 作:モナカアイス
という前回のあらすじ
ヒコザル(ユウ)、ムックル(ハヤテ)、コリンク(レオ)、スボミー(ロゼ)
コンテストバトルの描写…頑張ります!
「へぇ〜。彼女、随分トリッキーなバトルをするんだね。」
「うん。エスパータイプならではの魅せ方だね。ラルトスの能力かな。レイカちゃんの意思を感じ取って動いてる気がする。」
ノゾミの出番が終わり、レイカちゃんのコンテストバトルを一緒に見ていた。膝の上にいるロゼも相変わらずキラキラオーラ全快のご様子で…。
いやホント…ロゼの事どうしようかなぁ。コンテスト、ううむ…。
悩んでいる間に、どうやら決着が着いたようで、難なくレイカちゃんの勝利。デビュー戦とは思えない実力を発揮している。
「強力なライバル登場だったり?」
「ハハ、そうかもね。ますます楽しみになってきたよ。」
ふふ。嬉しそうなノゾミを見てたら、私も2人のバトルを見るのが楽しみだよ。
その後は、ロゼがここより観客席から見たいと言い出した(と思う)から。コンテストバトルが終わってからという事で、一旦別れることになった。
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『いよいよきましたファイナルステージ!対戦者は…彼方、ノゾミさん!此方、レイカさん!』
ついにファイナルが始まる。ここまで2人のコンテストバトルを見てきたけど、ノゾミは勿論、レイカちゃんもスゴイ…。いったい、どんなバトルをしてくれるんだろうね…。
「制限時間、5分!参ります!」
「ニャルマー!Redy Go!」
「華麗に行きなさい!スミレ!」
モモアンさんの開始の合図によって、2人はポケモンを出し合う。先に動くのはどっちかな?
「先に行かせてもらうわよ!スミレ!「シャドーボール」!」
先に動いたのはレイカちゃんか。でもゴーストタイプの「シャドーボール」は、ノーマルタイプのニャルマーには効果がない。何をするつもりなのかな?
「「ねんりき」!」
「ラルッ!」
ドォンッ!
真っ直ぐニャルマーに向かっていた「シャドーボール」が、「ねんりき」によってニャルマーの目の前に落ち、その爆発でノゾミたちの視界を奪う。
なるほど、目くらましの為に使ったのか。
「なるほどね…。ニャルマー、ジャンプ!」
「ニャルッ!」
さすがノゾミ。素早い判断でニャルマーに指示を出して、煙を抜けた。しかもその際に、煙の動きがニャルマーの素早さとジャンプ力を魅せている。
でも…
「さすがね!でも、空中では身動きが取れないわよ!スミレ!「あやしいひかり」!」
クルリと回転し、指を鳴らして指示を出す。…ずっと見てたけど、アレはやらなきゃいけないのかな…。
他の指示のときも身体を動かしたりしてたし、癖なのかな?…ま、いいか。
スミレは瞬時にニャルマーの目の前に現れ、「あやしいひかり」で混乱にさせた。
「あやしいひかり」を頭のツノに集中させて、美しさとラルトスの特徴を上手くアピールしている。
あの瞬時に現れたのは多分、「テレポート」を使ったんだろうね。
指示はなかったけど、ラルトスはきもちポケモン。確か図鑑の説明で、頭のツノで人の気持ちをキャッチするとか書かれてたような…。
もしかしたら、レイカちゃんの考えを読み取っているのかもしれないな。
指示を出さなかったのは警戒されないため、というのも考えられるけど…
「「ねんりき」で叩き落としなさい!」
「ラルッ!」
ドォンッ!
「ッニャルマー!」
混乱か…これは痛いな…。それに「テレポート」も攻略しなきゃ、ノゾミは負けてしまうかもね…。ノゾミはどうするのかな?
「このまま押してくわよ!スミレ、「ねんりき」!」
「ニャルマー、「でんげきは」!」
「ニャルゥ、ニャルマァ〜。」
「ラ!?ラル゛ゥッ!」
「あっ、スミレ!」
ラルトスよりニャルマーの素早さが高いからかな。混乱してるのにも関わらず、ニャルマーの方が早かった。
混乱しながらも、ニャルマーは技を出すことに成功。
そして、「でんげきは」は必中技だから、ニャルマーが混乱中でも、真っ直ぐスミレに向かいダメージを受ける。
「ニャッ!ニャルゥ!」
「よしっ、混乱がとけた!」
ニャルマーの混乱がとけたみたいだね。
でも、今ので時間は半分を切った。ダメージはお互い同じぐらいだけど、ポイントはレイカちゃんの方が少しリードしてるみたいだし。
「テレポート」を攻略しない限り、さっきの二の舞いになるだろうからノゾミは厳しいね。
「ニャルマーいくよ!「シャドークロー」!」
「ニャルッ!ニャールッー!」
シャドークローで地面を抉るように掬い上げて、土を相手にかける。
これが昨日、教えてた戦法で。ユウの場合、「ひっかく」で相手に砂をかけて、怯ませる程度のものだったんだけどね。
…昨日も思ってたけど。「シャドークロー」でやってる分、すごい威力だな。
レイカちゃんは純粋に攻撃としてくると思ってたから、ビックリして指示が出せずに避けられなかったみたいだね。スミレは身体が小さい分、踏ん張るのに必死のようだね。
そしてニャルマーのパワーが上手く魅せることが出来、レイカちゃんのポイントを削って同点に持ってくる。
「ッ!スミレ、負けないで!「ねんりき」よ!」
レイカちゃんも負けじとスミレに指示を出し、反撃に出る。…だから、そのクルリからの指パッチンって…まぁ、いいや。
「きた!ニャルマー、後ろからくるよ!「アイアンテール」!」
「ニャルッ!ニャルゥーッ!」
「ラッ?!ラルッー!」
「えっ、嘘!?スミレ!」
?…ノゾミは、後ろからスミレがくることが分かってたみたいだね。どうして…いや、待てよ。もしかして…!
「アンタのバトル、ずっと見てたから気づいたよ。ラルトスが「テレポート」で後ろに回り込むとき、アンタは必ず指を鳴らして合図を出していた。」
ドキッ!「バ、バレてたのね…。」
やっぱりか。と言っても、私も今気づいたんだけど。
指パッチンで、「テレポート」を使って後ろに回り込むのを合図にするにも、それだけでは目立ってしまう。
だからあえて、他の指示のときもちょっと大袈裟に体を動かして、指パッチンの合図に気づかれないようにしてたんだ…。
「でも、それではこれは止められないわ!スミレ、「あやしいひかり」!」
「地面に向かって「シャドークロー」!」
「ニャルッ!」
ドォンッ!という大きな音を立てて、「シャドークロー」で土煙を上げてニャルマーの姿を隠す。
今回は相手にではなく、自分に目くらましを使ったんだね。
「っ!?でもこの土煙じゃ、そっちもこっちに攻撃出来ないわよ!」
「それはどうかな!今だ、ニャルマー!「でんげきは」!」
「あっ、しまっ…!」
ニャルマーの放った「でんげきは」によって、それを中心に土煙を吹き飛ばし、ニャルマーのパワーを表す。そして…
『ここでタイムアープッ!さあ、コトブキリボンを手にしたのは…ノゾミさんです!』
終わったか…。5分なんてあっという間だったなぁ。ま、とりあえず…
「ノゾミ、優勝おめでとう。レイカちゃんもデビューにしては、すごくいいスタートだったよ。」
観客席で一人、小声で2人に声を送った。小声だったから、観客の歓声にかき消されたけど、別にいいんだ。また後で、直接2人に言うつもりだから。
それでも今言ったのは、この事を早く言いたかった気持ちを抑えられなかったから…。
それぐらい、2人のコンテストバトルは、すごく良かったよ。本当におめでとう。
-ポケモンコンテストコトブキ大会は、ノゾミの優勝となり幕を閉じた。
-おまけ-
「スミレって名前にしたのは、花言葉に『忠誠』って意味があるから?」
レイカちゃんと話し合っていた時、他にどのポケモンをゲットしているかという話題になり、ラルトス…スミレちゃんの名前の由来を聞いてみた。
「へぇ、よく知ってるわね。」
「華道をやってたから、多少ね。」
「そうなのね。でも、それだけじゃないのよ。他に『ひかえめ』『誠実』とかの意味もあるから、スミレにしたのよ。」
花の色によって、花言葉の意味が変わる場合もあるからね。だから複数の意味を持つ。
でもそうか。確かに、それらの意味を持っているなら。
スミレはピッタリな気がして、いいね。
…だと思いました。(by作者)
最初は、思ったよりこのコトブキ大会が長くなったので、このコンテストバトルをナシにしようかと思っていたのですが。
初回だし、レイカちゃんの紹介も兼ねて、書くことにしました。
次からは重要ではない限り、カットしていくつもりです。変に長くするつもりはありませんので。
ラルトス(スミレ)