主人公の代わりにプラチナ世界を救うことになった 作:モナカアイス
という前回のあらすじ
ヒコザル(ユウ)、ムックル(ハヤテ)、コリンク(レオ)、ロゼリア(ロゼ)
「つまり気づいたときには、その姿になっていたって事?」
朝食を食べ終わり、山小屋に置かれていた借り物の食器や調理器具などをキチンと片付けてから。またテーブルを囲んで座り、昨日の事について話し合っていた。
みんなから聞いた昨日の出来事を整理すると…。
まず、ものすごい豪雨が降ってきて、私は雨宿りが出来そうなところまで走っていた。あともう少しでこの山小屋があるということは、マップや道中に建てられていた看板にも書かれていたので、そこまで行くつもりで走っていた。
そう。ここまでは覚えている。問題はこの後だ…
その走っている途中で雷が近くの木に落ち、その木が私の方に倒れてきたらしい。でも私はその下敷きにならなかった。
そうなる前に、危険を察知したレオが勝手にボールから出てきて「たいあたり」で私を突き飛ばしてくれたおかげで、大丈夫だったらしい。
それでも私は気絶してしまい(雷が近くに落ちてきた影響か、レオの「たいあたり」かは不明)、レオに続いて他のみんなも出てきた。
ハヤテが山小屋までの道のりを空から見てみんなを誘導し。他の子たちはいつの間にか人型になって、3人の中で力があるレオが私を背負い、ユウはこれ以上みんなが濡れないようにそこら辺に自生していた葉を傘代わりにさし、ロゼが私の荷物を濡れないように持って山小屋まで走っていったらしい。
それから山小屋に着いて。ロゼが私の服を取ってシャワーで泥を取り、冷えた身体を温めてからタオルで拭き取り、今のラフな格好に着替えさせている間に、ユウたちは備え付けられていたまきを使って暖炉を取ったり、山小屋内に他にポケモンや人がいないか見回ったり、私が寝れるようにベッドを整えていたとの事。
そして着替えさせられた後に、近くで見回っていたレオが寝室まで運んで寝かして。みんなも1人ずつシャワーを浴びてからタオルで拭き取った後、一旦ポケモンの姿に戻って私が寝ているベッドの上で寝ていたらしい。
「…うん、そうだね。とりあえず、みんなありがとう。おかげで助かったよ。心配かけてゴメンね」
みんなにお礼を言うと、みんなそれぞれ無事でよかったとかの言葉をもらう。…ちょっとうるってきそうだよ。絶対泣かないけど。
でも結局は、何でみんなが人型になったのかは分からずじまいだったな。
みんなの話を聞く限り、元から人型になれたわけではないみたいだし。何か原因があるのは間違いないはずなんだけどね。
「…まあ。悪いことではないし、いっか。」
「いいんだ!?い、いやまあ。確かに悪いことではないけど…。」
「アスカさんは、そういうところがありますわよね…。」
「ハハハ!そうだな。そういうところ、アスカちゃんらしいわ。」
「…。」コクンッ
「…何かひどいね、キミたち。(さっき、うるっときたの返してくれる?)」
その後、クロガネゲートが短くて、抜けた先に直ぐクロガネシティがあることがマップで分かっていた為。お昼に間に合わせようと準備をして直ぐに出発した。
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「お~。ホントに短かったね、クロガネゲート。」
『うん。これならお昼に間に合うね。』
『…。』
私とユウとレオはクロガネゲートを抜け、ポケモンセンターに向かった。(2匹ともポケモンの姿に戻っている)
後、ユウたちがポケモンの姿になっていても、言ってることが分かるようになっていた。
でも野生のポケモンたちの声は、普通の鳴き声にしか聞こえなかったのを考えると。ユウたちの言葉しか分からないんだろうね。
まあ。それはまた会った時にユクシーに聞いてみるとして、今はポケセンに行こうか。
ポケセンに行って宿を取り、お昼まで時間があったので。ポケモンたちを回復させている間にショップで補充を行い、それらが終わった後にポケセンの食堂でポケモンたちと一緒に食べる。
「(う~ん、午後からはどうしようかな…。ジムに行って、誰か挑戦者がいれば見学とか出来るけど。いなければ北の方にあった草むらでレベル上げか炭鉱付近で技を磨くか…。あっ、炭鉱って言うだけあって硬そうだし、技の練習場としていいかもしれないな…。)」
お昼を食べながら、今日の予定を考え上げ。ポケモンたちに伝え、ハヤテを出してジムに向かう。
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「…ハヤテはそこ好きだよね。」
『ああ!巣の感じがしてちょうどいいんだ!』
「あぁ…そうなの。」
ハヤテを出すと、決まって私の頭の上(正確には、キャスケットの上)に乗る。やっぱり、鳥の巣代わりにしてたみたいだね。
言葉が通じても、それが必ずしもいいものじゃないという事が分かったよ…うん。
ジムに入り、受付の人に聞いたところ。今日のジム戦は終わったとのこと。
予約はせず、炭鉱にでも行こうかと思っていたら、挑戦者かな…人が入ってきた。
「おぉー!コレがジムか~!…あっ。ジム戦お願いしま~す!」
「はい、じゃあ予約するから。トレーナーカードを出してくれるかな?明日の昼からなら、ジム戦出来るよ。」
「えー!今日出来ねーの!?」
「悪いね、ジムによるけど。うちは基本、予約制なんだ。明日の朝は炭鉱で忙しいみたいだから、昼からいけるよ。」
随分、元気のいい男の子だな。年は10歳ぐらいかな。
それと、へぇ~。ジムによって違うんだ。それはアレかな。ジムリーダーの性格によって、結構違ったりするのかな。
「ちぇ~、せっかくバトルが出来ると思ったのに。まっ、仕方ないか。なぁ、お前も挑戦者なのか?だったら、オレとバトルしようぜ!」
「(いきなりバトルか。まあトレーナーだし、いいけど。)うん、いいよ。でもその前に、予約を済ましておいたら?私はアスカ、よろしくね。この子はハヤテ。」
『よろしくなー!』
「おっと。忘れるとこだったぜ、サンキュー!オレはカイセイ!よろしくな!」
…キミがカイセイかよ!と思わず心の中でツッコんでしまった。そういえばそうだった。すっかりキミの事、忘れてたよ。
それに、この世界に1番早く来たから。もうココはクリアしてるものかと…しかもジム戦初めてみたいだし。いったい今まで何してたのキミ…?
「はい、これで予約は完了したよ。明日のジム戦、頑張ってね。」
「おう!絶対バッチ、ゲットしてやるぜ!んじゃあ行こうぜ、アスカ!」
予約を済ましたみたいだね。
私はカイセイと一緒にポケセンに行き、裏手にあるバトルフィールドでポケモンバトルをすることになった。
「悪いけど。ルールは使用ポケモンが2体、どちらかが先に2体倒した方の勝ち。道具なしのシングルバトルでいいかな?先攻、後攻はポケッチアプリのコイントスで決める。」
「あぁ、それでいいぜ!オレ表な!」
「じゃあ、私は裏で。…表、キミが先攻だよ。」
「よっしゃ!いけ、クロウ!」
「ヤミィッ!」
「ハヤテ、お願い。」
『オッケー、アスカちゃん!』
カイセイはヤミカラスのクロウ、こっちはハヤテ。お互いひこうタイプ同士の対決か。
こっちの世界で1番に来たカイセイが、どんな子なのか知っておきたいし、バトルを受けたけど。さて、どうなるかな…。
-おまけ-
「ところでさ。みんなが人型になれるようになったことで、こうして人間の料理も食べれるようになったわけだけど…。これからもこっちの方がいい?それともポケモンフーズ?」
「ん~。俺は美味ければどっちでもいいぜ~!あっ。でもポケモンフーズは毎回、同じ味だし。定期的に料理の方も食いたいかな!」
「ハヤテはワガママですわね。…ワタクシはどちらでも構いませんわ。アスカさんのお好きなようにしてくださいませ。」
「僕も、アスカの好きなようにしてくれればいいと思うけど。…他に、いろんな料理を作ってみたいし。たまには食べたい…かな。アスカの料理の手伝いが出来ればと思ってるよ。」
「…どっちでも構わない。」
ん~。結構、似たり寄ったりな意見だね。思ったより、みんなそこまで気にしてないみたいだし。ハヤテとユウがたまに食べたいっていうぐらいか。
私に気を遣ってるのかな。それなら…
「ポケセンとか周りに人がいるところではポケモンフーズで。周りに人がいない時、外とかで食べるときは料理にしようか。ポケモンフーズの時の方が多いかもだけど。定期的に料理を食べれると思うから。」
「おっ。いいね、それ賛成!」
「ワタクシもそれでいいかと思いますわ。」
「うん。それならアスカの手伝いもいけそうだし。それでいいんじゃないのかな。」
「…。」コクンッ
よし。とりあえず、これで決定って事で…。あっ、こうして聞けるうちに味の好みも聞いておくか。
「それじゃあ、みんなの好きな味は何かな?」
「俺、激辛!」
「ワタクシは渋いのが好きですわ。」
「僕は…どの味も好きかな。」
…さっきと違って、バラバラだなぁ。まあ、味の好みは人それぞれだし。
それと、これってゲームにあった性格と好みが一致してる…って事だよね?
私ポフィンとかは、ヒンバスの進化の時とかたまに何となくあげるときにしかやったことないから、そこら辺うる覚えだなぁ。
まあ…比較的、分かりやすくて助かるかな。
「レオは?やっぱり、辛い味?」
「…甘い…味。(ボソッ)」プイッ
…ゴハッ…!くっ…か、かわ…可愛すぎかよ、チクショウ!
顔がクール系でつり目なのに、何でいちいち可愛いのこの子は!!
何ちょっと顔を赤らめて恥ずかしそうに顔そむけてるの!?可愛過ぎるでしょ!!
レオの意外な可愛らしい一面を見てにやけそうな顔を必死で抑えた後、準備をしてクロガネへ向かったのであった。
やっと10話ですね。
話せるようになって、ユウたちのキャラクターがより分かりやすくなって嬉しいです。しかしその分、セリフが多くなるのも困りものですね。
台詞式にならないよう気をつけていきたいと思います。