主人公の代わりにプラチナ世界を救うことになった 作:モナカアイス
という前回のあらすじ
ヒコザル(ユウ)、ムックル(ハヤテ)、コリンク(レオ)、ロゼリア(ロゼ)
※ネタバレになってしまいますが、擬人化注意です
「・・・見知らぬ天井だ。」
部屋全体を簡単に見てみると、木で出来た作りになっていて。気づいたらそんな誰もいない部屋の中、私は一人ベッドに寝ていた。
ちなみに服はいつの間にか着替えられていて、私がいつも寝るときのラフな格好になっていた。
それにしても、こんなセリフを吐く機会がくるとは思ってなかったな…。ちょっとふざけた感じで言ったけど、ホントにどこだろな、ここ…。
私はそのままベッドで横たわった状態で、何があったか記憶を遡ってみることにした。
…えっと、確かユウとロゼちゃんと一緒にクロガネに向かってて…あ~。途中ですんごい豪雨にあったんだっけ?雷もなってた気がするな。
ユウたちはボールに戻して…そっからの記憶がないなぁ、どうしたんだっけ?
これ以上は覚えてないかな。と思い、次の行動をとるためにベッドからやっと起き上がると同時に、コンコンッとノックの音と「失礼します。」という女性の声が聞こえ、部屋に見知らぬ人が入ってきた。
「あっ。アスカさん起きたんですか!?は~、良かったですわぁ。あの、どこか怪我をしてるところはありませんか?気分が優れないとか…?」
「(怪我?)…どこも痛くないし、大丈夫だと思うよ。…ここは?」
「ここはクロガネゲート前にある山小屋ですわ。ちょうど私たちしかいないので、ほとんど貸し切り状態ですわね。って、そうですわ。アスカさん、朝食の準備が出来たそうなのですが。どうなさいますか?」
「そうなんだ。じゃあ頂こうかな、案内してくれる?」
「えぇ、勿論!こちらですわ。」
そう言って案内してくれるのは有難いんだけど。…誰なんだろうな、この人。
それにしても、キレイな人だなぁ。大人の女性って感じで、緑色の髪をした美人さんだね、うん。
…全く見覚えのない人…のはずなんだけど。何だろうな、この安心感は。
だからなのかな?普通に対応して、とりあえずもうちょっと様子みようとしちゃったんだよね。
「皆さん、アスカさんが目を覚ましましたよ!」
廊下を進んで突き当りにある扉を開けると、リビングのようなところになっていた。そこには人が2人いて。
一人は大人の男性かな?20歳ぐらいの灰色の髪をした人が、イスに座ってテーブルに置かれている料理を美味しそうに食べていた。
もう一人は…多分、体の大きさ的に16歳ぐらいかな。水色の髪をした男の人が、こちらに背を向けてソファに寝ころんでいた。
!…モグモグモグモグ、ゴックン!「おっ、やっと起きたのかアスカちゃん!いや~、良かったぜ。全然、元気そうだな!」
「アナタは元気すぎですのよ。それと、何でもう食べ始めてるんですか!アスカさんが起きてたら、一緒に食べましょうって言ってましたよね?」
「いいじゃんいいじゃん、ちょっとぐらい!アスカちゃんだったら、これぐらいじゃ怒らないだろうしさ!」
「アスカさんが怒らなくても、ワタクシが怒りますわよ!それにちょっとって言ったって…」
…何か勝手に2人で言い合い始めちゃったなぁ。とどこか他人事のように考えていると、さっき来たとことは別の扉が開き、そこから両手に追加の料理なのかな?お皿を持って、一人部屋に入ってきた。
年は今の私と同じぐらいだと思うから、10歳かな?のオレンジ色の髪をした少年が私に気づくと…
「あっ、良かった。どうやら無事みたいだね。朝食作ったんだけど、食べる?アスカ。」
「…うん、食べる。もしかして料理作ったのって…ユウ?」
何でなのかな。自然とユウの名前を口にしていた。でも、それと同時に納得している自分がいて。自然と顔が笑っているのを感じた。
「うん、そうだよ。実際に料理を作ったのは初めてだから、ホントに簡単なのしか作ってないんだけど…。研究所でいろんな人の手伝いをちょくちょくしてたから、それを真似て作ってみたんだ。」
「初めてで目玉焼きがそれだけ上手く焼けていたら十分だ「あぁー!」?どうしたのロゼちゃん?突然大声を出して。」
「…えっ。ワ、ワタクシがロゼだと分かるのですか?」
「あ~、うん。最初は分からなかったけどね。今、分かったから。」
「えっ。ロゼさん、説明してなかったんですか?」
うん。ロゼちゃん、どうやらやっと気づいたみたいだね。一様、今も驚いてるんだけど…
「初めてで料理がここまで出来るなんて。手先が器用だよね、ユウ。」
「「そっちなの(ですか)!?」」
「(おぉ、ダブルツッコミだ。)」
「…この姿のことだろ。」
「レオ、おはよう。まあ。それも含めて、昨日の事を聞きたいかな。…これでもパニックってるんだよ?だから思わずボケを…。」
「いやいや!何でそこにボケを入れるのさ!」
うん。いいツッコみだね、ユウ。…って、今は感心してる場合じゃないか。
そろそろ話を戻そう…
「とりあえず、念のために確認するね。ユウとロゼちゃん。そして、そっちのつり目がレオで。今もマイペースに食べている方がハヤテだね?」
「(…つり目。)」
「あっ!また勝手に食べているのですか、ハヤテ!」
「あぁ!ロゼちゃんも食ってみなよ、上手いぜ?」
「…ア、アナタはまた…「そうだね、冷めないうちに食べたほうがいいか。」っえ、いいんですの?アスカさん!」
「せっかくの料理が冷めちゃうからね。それに、レオも食べてるし。」
え、いつの間に!?と驚いているロゼちゃんを引っ張って、椅子に座らせる。
ロゼちゃん、そのマイペース2人にいちいちツッコんでたら、身が持たないよ?
ユウは苦笑しながらも、持っていたお皿を私とロゼちゃんの前に置いて座る。…何か慣れてるな。レイカちゃんのアメルに対してもそんな感じだったし、研究所でもこんな感じだったのかな。
朝食は、トースト・レタスとトマトとコーンのサラダ・目玉焼き、そしてこれは…モモンの実のジュースかな?ジューサーでもあったのかな。確かに簡単なものだけど、朝食として十分だし、何より美味しそうだね。それじゃあ…
「「「いただきます。」」」
話をする前に、まずは朝食を食べてからということで。…うん、ポケセンでも試しに飲んでみたことがあったけど。モモンの実のジュース美味しいね。
今度から、ユウに料理を教えようと思い、ちょうどいい感じに焼けているトーストを頬張った。
-おまけ①-
「あの、アスカさん。少し気になっていたことがありまして…。お聞きしても?」
「うん、いいよ。何かな?」
「どうしてアスカさんは。普段ワタクシの事をちゃん付けしていますのに、バトルの時は呼び捨てなのですか?」
あぁ、そういえば。私、バトルの時はちゃん付けしてなかったね…。
「特に意味はないけど…まあ、切り替えだね。そっちの方が、バトルに集中できる気がしてね。いやなら、どちらか止めようか?ロゼちゃんの方が年上だろうし。」
「あぁ、いえいえ。単に気になってただけですので、お気になさらないでください!後、アスカさんの好きなように呼んでくれて構いませんわ。」
「それじゃあ私の事も呼び捨てでいいんd「それはなりません!」…えっと、どうして?」
「だって、アスカさんはアスカさんですもの!」
…う、うん?そうなんだ。ん~、まあいっか。本人がそう言ってるんだし…。
ちょっとあのキラキラオーラを出して。顔を少し赤らめて、拳を自分の方にグッとしている姿(ぞいの構え)が可愛いなとか…そんなんで誤魔化されたわけじゃないからね?
-おまけ②-
「ユウってさ。研究所で手伝いをしてたって言ってたけど。具体的にどんな事を手伝ってたの?」
「え?あ、うん。少しだけだけどね。え~と、そうだな…。まず、朝ごはんの準備とその後片付け。洗濯物を干した後は、掃除の手伝いでしょ。そして、お昼ご飯も朝と同じ感じで。その後は助手さんの荷物運びとか、干した洗濯物を取り込むとか、書類整理の手伝いをして。その後はまたご飯の準備の手伝いをして。終わり…かな…?」
手伝いって、何だっけ…?ていうか今のユウならともかく、ポケモンの姿でやってると考えると…。
いや、アニメでもニューラやバリヤードが料理とか作ったり、サトシのママさんのバリヤードなんか普通に家事の手伝いを一通りこなしてる感じだったし。この世界ではそんなもの…なのかな?
ていうか、ユウ。それはもう…
「手伝いって…普通に家事全般こなしてるじゃん。もうそれ、主夫レベルだよ。」
「え、主夫!?そ、そんなことないよ!ご飯の準備といっても、簡単なもので。混ぜたり、切ったり、焼いたりするぐらいだし…!」
「いやいや、十分だよ。料理苦手な人は、それすら出来ないからね?」
「くっ、負けましたわ…!女子力というものに!」
「いや!僕、男だから!女子力?なんてないから!」
大丈夫だよ、ロゼ。ロゼは野生のポケモンで、家事とかやる機会がなかったから仕方ないじゃないか。むしろそれは…私の方だよ…。
パートナーポケモン(しかも男)の女子力に、敗北したアスカで…あった。
「(…なにコレ?)」
「(フッハハハ…!ヤベ、コイツらおもしれっ!)」
はい、やっと擬人化しましたね。
個人的に、10話までにコレが出せて良かったです。
一様、注意書きを小説情報やプロローグの方に、書いていましたが。
念のためにと思い、前書きの方にも書くことにしました。軽くネタバレになってしまい、申し訳ありません。
これからはちょいちょい擬人化したユウたちを書いていくつもりですので。
よろしくお願いします。