転生先はガンプラバトルが大人気です   作:断空我

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無理やりですが、終わりです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

少し番外編をやるかもしれませんが、いつ掲載するかは未定です。


最後の戦いです。

 全国大会から少しばかりの月日が流れて。

 

 いやぁ、月日が流れるのはあっという間だな。

 

 全国大会はチームトライファイターズの優勝で終わった。

 

 ガンプラ学園とのバトルは延長戦へもつれ込むという予想外な展開を引き起こしつつもカミキ弟達が勝利をもぎった。

 

 優勝という結果を残したのでバトル部が廃部、統合という形になることはないだろう。

 

 まぁ、俺は何もしていないんだけど。

 

 そんなことをいったら何故か三人に説教を受けてしまうという理解不能なことはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、メイジン杯へきたわけだけど」

 

 俺とホシノ後輩、ラルさんとコウサカはメイジン杯へ来ていた。

 

 メイジン杯はガンプラビルダーが作成したガンプラを審査員が評価して優勝を決めるというものだ。メイジン杯で良い結果を出せればビルダーとしての腕を認められたと同然になる。

 

 そこでコウサカとアホ毛のガンプラが展示されている。

 

 どちらが優勝するのか競っていた。全国大会でぶつかり合った二人がここでもぶつかるのは何となく面白く感じた。

 

 全国大会はコウサカの勝利で終わっている。ここでアホ毛が挽回するのか、楽しみだ。

 

「それで、ホシノ後輩、セカイと連絡は?」

 

「全然……セカイ君、書置きだけ残して出て行ってから……連絡はとれていないんです」

 

「風来坊か、アイツは」

 

 少し前に、カミキ弟の奴は旅に出た。

 

 何の前置きもないまま出ていった。

 

「思い立ったら即行動に移すのが奴ですから」

 

「ああ、まるで風のような子だ」

 

「風というより嵐かも」

 

「ホシノ後輩の言うとおりだな、さて、展示は表彰が終わってからにしておくか」

 

「え?どうして、ですか?」

 

「アホ毛のことだから、劇的な展開にしたいとかいって、表彰されるまで見ないという約束、とりつけているんじゃないのか、コウサカ?」

 

「その通りです。エスパー、いや、ニュータイプですか?ハヤテ先輩は」

 

「予想しやすいだけだ……それにしても」

 

 何だ?

 

 やけに周りから視線が集まっているな。

 

 俺達にというわけではない。その中の一人に視線が集まっていた。

 

「ホシノ後輩、何をしたんだ」

 

「何にも覚えがありませんよ!?」

 

 どうやら、視線が集まっている原因はホシノ後輩にあるようだ。

 

 普段と何ら変わらない筈なのだが、なぜ、こうも視線が集まるのか。

 

 視線が集中してホシノ後輩は困惑するばかりだ。

 

 何が起こっているのやら。

 

「そういえば、ハヤテ君」

 

 隣にいたラルさんが尋ねてきた。

 

「何ですか?」

 

「キミは世界大会に出るそうだね」

 

「あれ?誰に聞いたんですか」

 

「なぁに、噂を耳にしただけだ」

 

 ラル大尉。

 

 油断できない相手だな。

 

 戦慄している中で俺は頷いた。

 

「大会用のガンプラを作りました。その前にやることがありますけれど」

 

「やること?」

 

「ライバルとの勝負ですよ」

 

 ラル大尉に俺は微笑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 メイジン杯はコウサカの優勝で終わった。

 

 彼が作ったライトニングZガンダムが勝利した。

 

 さて、その結果にアホ毛が納得しなかった。

 

 どうして、コウサカが優勝なのかと。

 

 結果を伝えたメイジンへ突っかかる。

 

 理由は簡単だった。

 

 サカイ・ミナトは人の許可を取らず、モデルとしたガンプラを大会に出したということだった。

 

 ガンプラでも最低限の人権がある。

 

 それを無視していてはどれだけ素晴らしい出来栄えだろうと認められることはない。

 

 しかも、本人が置かれているガンプラを見て顔を真っ赤にしているのなら尚の事、当然だろう。

 

「しかし、すーぱーふみな、ね」

 

「先輩!!あれを止めてください!お願いします!」

 

 俺の前で涙目のホシノ後輩。

 

 数秒刻みで彼女のライフは削られている。

 

 宇宙のバトルフィールドを飛ぶコウサカのライトニングZガンダム。

 

 そして、サカイ・ミナトの操るすーぱーふみな。

 

 そう、すーぱーふみなだ。

 

 名前から想像できるかもしれないがホシノ後輩をモデルとして作られているガンプラ。

 

 いや、ガンプラというより擬人化みたいなものだ。少し前からユニコーンの姿をした少女のフィギュアなどを目撃したが、まさか身近の人物をモデルにしたガンプラがあったことはとても驚いた。

 

 エプロンドレスにカチューシャ、時折、ウィンクをする人型ガンプラ。ちなみにモデルよりも少しばかりスタイルをよくしている。

 

 もはや、ガンプラなのかわからないもの。

 

 ライトニングZガンダムがすーぱーふみなを止めようとするがウィンクしたり華麗な動きをしたりとホシノ後輩を苦しませる?行為ばかりしていた。

 

「……何だろうな、数分刻みに生まれていく黒歴史」

 

「やめてぇえええええええええええええええ!」

 

 仕方ないか。

 

 後輩のためにひと肌を脱いでやろう。

 

「カミキ弟も行っているし、俺もやるか」

 

 カミキ弟自作のガンプラ、カミキバーニングガンダム。

 

 自分の名前を使っていることに笑みを浮かべてしまうが、出来栄えはとても素晴らしかった。

 

 教えていたのがネコ娘だからというのもあるだろうし、大会中、自分が何もできないことに歯がゆさを覚えていたから頑張ったのだろう。

 

 素晴らしいガンプラだった。

 

 フィールドにガンプラを設置する。

 

 動き出すガンプラを見て観客たちが驚きの声を上げた。

 

「なんや!?そのガンプラ」

 

「俺の作ったガンプラだよ、ガンダムXX(ダブルクロス)出撃だ!」

 

 叫びと共に宇宙空間へその姿を現すガンダムXX。

 

 純白の機体、背中に大型のバックパック。左腕にバンシィが使用していたアームド・アーマーVNをベースとしたアームド・アーマーX。

 

 右腕に長砲身大型ビームライフル。

 

 頭部のガンダムヘッドの瞳が輝く。

 

「せかやて、このすーぱーふみなちゃんを止めることは」

 

「悪いけどさ、後輩の黒歴史を量産するような機体は」

 

 XXのガンダムヘッドの瞳が赤く輝いた。

 

 それと同時に肩、腕、足のパーツがスライドして大量の粒子が放出される。

 

「なんて粒子量!?」

 

「あの瞳……まさかEXAMシステムなのか!」

 

 バーニアですーぱーふみなの前に立つ。

 

 音を立ててXXのアームド・アーマーXが展開されて高速振動している武装がすーぱーふみなの体を掴む。

 

 音を立てて崩壊していくすーぱーふみな。

 

 笑顔のままで服がバリバリと破けていく。なんか、後輩を襲っているような気分になって来る。

 

「何か、後輩を虐めているようですっごい嫌な気分」

 

 傍でサカイ・ミナトが悲鳴を上げている中、俺は顔をしかめていた。

 

 ボロボロになって破壊されるすーぱーふみな。一撃で破壊しないと後輩のあられな姿を見ることになってしまいかねない。

 

 自分でやった手前、大きな顔をするつもりはないが、さすがにやりすぎだった。

 

「てか、メイジンやラル大尉もいるからすっげぇ混沌としているなぁ」

 

 参加したカミキ弟をはじめとして、メイジン、レディーカワグチ、ラル大尉、ネコ娘、ギャン子、ホシノ後輩。金剛、吹雪、スガ、絆創膏などが参加して、とんでもない大乱戦だ。

 

「シン君!」

 

 俺の前にやって来るベアッガイ。

 

「もしかして、カミキ姉……いや、ミライか?」

 

 メイジン杯の司会を担当していたカミキ姉がベアッガイを操作してこちらへやってくる。

 

「どうしてやってきたんだ?この大乱戦に」

 

「楽しそうだから!あと、シン君に会いたくて!」

 

「……そりゃ、久しぶりだけどさ。喜ぶほどの事か?メールのやり取りはしていたじゃないか」

 

「もう!」

 

 画面の向こうでカミキ姉は不機嫌な顔を浮かべる。

 

「シン君!楽しみましよう!せっかくのガンプラバトルですもの!」

 

 

「そうだな、一杯、楽しもう!」

 

 俺の言葉にカミキ姉は微笑み、ベアッガイと共にガンダムXXを動かす。

 

 

 

 

 

 

 

 道中、カミキ姉のファンに襲撃を受けるも難なく撃退。

 

 心行くまでガンプラバトルを楽しんだ。

 

 日本で行うガンプラバトルを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少しばかり時が過ぎて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遂にこの日が来た。

 

 ある場所に設置されているバトルフィールド。

 

 向かい合う形で俺とライバルのルーカス・ネメシス。

 

 俺達は一対一でバトルフィールドの前に立っている。

 

「とうとう、この日がきた」

 

「おかしいですね。もっと興奮するはずなのに冷静な僕がいます」

 

「そうだな、俺も同じだよ」

 

「似た者同士ですね」

 

「お前とガチのバトルができるなら、何でもいいさ」

 

「奇遇ですね。僕も同じ思いです。できるなら、カミキ・セカイとも戦ってみたかった」

 

「おいおい、俺の前でそういうこというかぁ?まぁ、俺もそうだけど」

 

 互いに笑いあう。

 

 ここから会話は不要だ。

 

 GPベースとガンプラをセットする。

 

 ルーカスは大会でも使用していたクロスボーン・ガンダムX1フルクロスだ。

 

 ガンプラ学園との戦いで壊れたと思っていたのが、応急処置を施してきているようだ。

 

 俺が使用するのは純白のガンダム。

 

 ただし、XXではない。

 

 ガンダムデルタカイをベースにしたガンプラ。

 

 ガンダムデルタカイWW(ホワイトウィング)

 

 より、純白に、所々の武装をカスタムした機体。

 

 設置するとガンダムデルタカイWWの瞳が緑色に輝く。

 

「さぁ、始めよう!」

 

 

「楽しいガンプラバトルを!!」

 

 叫びと共に二人のガンプラが飛び出す。

 

 先手とばかりにクロスボーン・ガンダムが狙撃する。

 

 その攻撃を左手に装備している盾を展開して粒子を吸収した。

 

「やはり、アブソーブシステムは健在ですか!」

 

「前よりも強化しているぜ。この程度の粒子でも、機体の底上げができる!」

 

 叫びと共にデルタカイWWの背中から多量の粒子を放出しながらビームサーベルを取り出して突き出す。

 

 ビームサーベルをクロスボーンがザンバスターで受け止める。

 

 背中の両翼に搭載されている大型ビーム砲がクロスボーンへ向く。

 

「なんの!」

 

 クロスボーンの頭部バルカンによって破壊されるビーム砲。

 

 壊れたパーツをパージながら可変して距離を取る。

 

 大きく旋回しながらWR形態になったデルタカイWWの先端がエネルギーを纏う。

 

「可変しても攻撃は可能か!」

 

「そうだ!」

 

 突貫してくるデルタカイWWの攻撃をクロスボーンはザンバスターではなくビームシールドで防ぐ。

 

 MS形態になりながら盾(ブレードシールド)を繰り出す。

 

 ザンバスターとブレードシールドがぶつかりあう。

 

「やっぱり楽しい!」

 

「そうだな、楽しい!だから」

 

「「やめられない!ガンプラバトルは!!」」

 

 


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