霊夢のお兄ちゃんになったよ!   作:グリムヘンゼル

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コロナで大変なご時世ですが皆さん大丈夫でしょうか?
こちらはタイミング悪く忙しい時期で変わりない毎日。

もっと休みが欲しいと切実に思いますね。


第35話

「ただいまー」

「「おかえり」」

「お前はなぜ普通にここにいる?」

 

なんで帰ってきたら子供が二人に増えてるんだろうな、不思議だな魔理沙。

 

「いいじゃねえか、減るもんじゃあるまいし」

「どうせ飯をたかりに来てんだろ。食材が減るわ。というか霊夢もだがお前らはもう少し自分で料理をしなさい。嫁の貰い手がなくなるぞ」

「いいじゃない、その話は朝にもしたでしょ」

「そうだがなあ。いや、霊夢はいいんだ。最悪結婚相手が見つかった時から俺が主夫としての技を全て四六時中みっちり教え込むから。でも魔理沙はそうもいかないだろ。それともここで合宿でもするか」

「うへえ、私は嫌だぜ?てか霊夢はやること確定してんじゃないか」

「私だって嫌よ」

 

お前らが嫌っていうことを俺は毎日やってるわけですけど、そのことに対してお前らは言うことはないのか?洗濯して、ご飯作って、皿洗って、掃除して、買い物して、黒字になるように家計簿つけて、神社の壊れてるところは修繕して、と様々なことをする必要があるのだ。その内いくつかは霊夢も手伝ってくれるが、料理を手伝ってくれることは少ない。ということで

 

「晩御飯はお前らにも手伝ってもらう!」

「え?嫌よ」

「私だって嫌だぜ。他人の家に来といて料理なんてしたくないぜ」

「嫌嫌言わない!霊夢は俺の日頃の大変さを少しは知りなさい。魔理沙もよく食いに来てるんだからちょっとくらい手伝えよ」

「「やだー」」

 

こいつら梃子でも動く気ないな。わかったよ、わかりました。なら諦めますよ。

 

「せめてリクエストとかないか?何でもいいとかは無しな、困るから」

「あら珍しい。いつもは注文言っても準備しているからって言って聞いてくれないじゃない」

「そんなに珍しいのかよ」

「大体誕生日とか御目出度い日くらいしか聞いてくれないわ。先に準備してるときの方が多いけど」

「ないなら適当に作るぞ?」

「ならレミリアの所みたいなのが食べたいわね」

「おっいいな。私も食べたい」

 

レミリアの所ってことは洋食か………。

 

「肉か魚どっちだ?」

「肉ね」

「肉だな」

「わかった、作ってくるから大人しく待ってろ」

 

洋食の肉料理か。コロッケとか唐揚げとかかな?でもなぁ油モノって準備も片付けも面倒なんだよな。しかもレミリアの所ってことは庶民系の洋食じゃなくて豪華なディナーみたいな洋食ってことだ。カレーは市販のルーがあればめちゃくちゃ楽なんだけど幻想郷じゃ売ってないし、シチューだったらまだ作れそうだけど季節じゃないしな。あとはパスタとか麺類だけど、これも乾麺ないから作れないし。ソース作るだけなら何とか作れそうだけど。ステーキは簡単だけど簡単すぎてつまらないし。添え物のサラダは適当にみじん切りするだけだとあいつら残しちゃうから、それも考えないといけない。汁物も洋風のスープで揃えた方がいいな。

 

うーん、洋食は専門外だから、何作っていいか全然分らんぞ。ていうか作ったことがあるけど前世で子供のころに親の手伝いとか家庭科の授業で作ったくらいだから、本気でどうすればいいのかわからん。

 

魔理沙は酒を飲むことはあれど結構子供舌なところあるから、子供でも食べやすい物の方がいい。健康のためにも野菜は沢山入れたいがメインは肉。霊夢は基本的に文句は言わないが久々のリクエストに期待しているだろうし。

 

紫とか藍なら和食を色々教えてくれたけど、洋食の師匠はいないからな。今度咲夜さんに指導してもらおうかな。料理以外にもお菓子とかもついでに教えてもらおう。ていうかこういう時のためにも洋食のほしい。

 

ん?待てよ。洋食、肉、子供でも食べやすい、師匠…………。

 

 

「閃いた!これならいける!材料もあるな!」

 

少し下ごしらえというか準備が大変だがいける。野菜も混ぜ込んでしまえばある程度問題ないし、スープは自己流になるけど、調味料で整えたら大丈夫だろう。

 

「おい霊夢、釜土に火入れといてくれ!」

「強火と弱火どっち?」

「中火、水沸騰させたい」

「わかったわ」

「私は?」

「後でやってもらうことがあるからそれまで手洗いして待機、霊夢も後で手洗いしとけ」

「リョーカイ」

「はいはい」

 

まずは玉葱の皮を剝いて、トマトは水洗いして蔕をとって、あとは、何種類かの野菜を水洗い。卵は卵黄と卵白は分けずに溶く。玉葱はみじん切りと薄切りの二種類。トマトはペースト状に、他の野菜は千切りに。メインの肉は細かく切った後に粗挽きに。

 

粗挽きに時間と体力が多少削れたがまだいける。

 

後は粗挽きした肉とみじん切りした玉葱のほとんどと一つまみの砂糖と溶き卵半分くらいを加えて

 

「さあ、これを混ぜ捏ねるんだ魔理沙、裾が入らないようにな」

「なんとも形容しがたい感触だなこれ。柔らかくて冷たいってわけじゃないけど体温と同じくらいはないし」

 

魔理沙は放置して別のことをする。

薄切りした玉葱と残ってる溶き卵を沸騰間近な水の中に入れ塩胡椒で味を調える。

残ってるみじん切りした玉葱を炒めて、飴色になったらペースト状のトマトを加えて水分を飛ばしつつこっちにも塩胡椒で調えて完成。

 

「おし、魔理沙もういいぞ」

「疲れたー」

 

うん、だいぶきっちり混ぜられてるから問題ないかな。こぶしより二回りくらい小さくとって両手で空気抜くようにキャッチボール。

 

「これと同じように霊夢もやってくれ。片手で掬って両手でこうやって空気を抜いてくれ。これくらいできるだろ?」

「わかったわよ」

「魔理沙も回復したら一個くらい作れよ」

「あーい」

 

出来上がった物は、始めは強火くらいで一気に外側を焼いて、後はじっくり弱火で中まで火を通す。出来上がるまでに準備と後片付けを少しでも済ませておけば、後が楽になる。

 

「というわけで完成しましたこちら

 

ハンバーーーーーーグ!!!!

 

です」

「いや、そんな溜めて叫ばないでよ」

「ドヤ!うまそうだろ!」

「うまそうだけど、よくこんな作り方知ってたな。里じゃないだろうしレミリアの所でも食ったことねえし」

「そりゃあ基本創作料理だし」

 

細かい調理法忘れてたから、どうなるもんかと思ったけど何とか乗り切ったぜ。

 

「今の言葉で食欲がかなりなくなったわ……」

「え?こんなに美味しそうなのにか?」

「魔理沙は知らないでしょうけど、こいつが時々作る初めて見る創作料理は基本的にハズレよ。最初っから美味しかった試しなんてほとんどなかったわ」

 

まあね、和風ばっかりだと俺が飽きるから時々挑戦してみるんだけど、前世でそこまで料理してこなかったから、うまくいくことは少ないんだよな。味見とかして何とか味を調えてるんだけど、やっぱ難しいわ。感覚だけで新しい料理作るにはまだレベルが足りないらしいな。

 

「うげぇ、マジかよ。こんなことなら焼き魚とか言っておけばよかったぜ」

「まあまあ、とりあえず食べてから感想言ってくれよ」

「「いただきます……」」

「はいどうぞ」

 

俺も食うか。うん、普通だけどこんな感じの味だったかな?トマトソースだからちょっと違う感じがするけど、今度は醤油ベースでソース作ってみるかな。

 

「どう?美味しいか?」

「今日は当たりみたいね。不味くはないわ」

「旨いんじゃないか?」

「要研究だな。咲夜なら知ってそうだし今度来たら聞いてみるか。他のレシピなんかも一緒に」

 

出来れば香辛料がもっと欲しいな。カレー食いたい。




毎度感想や誤字訂正感謝しています。

今回で、白鹿と霊夢のいつもの一日は終わりです。
次回からは妖々夢に向けて何話か挿んだのちに妖々夢に入っていこうと思います。


コロナで世間は騒がしいですが、読者の皆様も健康に気を付けてください。
手洗いうがいはもちろん、十分な睡眠時間や簡単な運動をして、病にならないよう予防に努めてください。

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