霊夢のお兄ちゃんになったよ!   作:グリムヘンゼル

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深夜?明け方に投稿。皆さんは起きてからゆっくり読んでくださいね。


第17話

俺たちのひと騒動から一夜経ち、俺は陽が顔をのぞかせるよりも先に、寝床から離れた。その際、霊夢とは部屋は別々だが隣同士なのでなるべく音をたてないように部屋から離れていくのを忘れてはいけない。あいつは寝起きは機嫌が悪い癖に、ちょっとした物音で起きてしまう爆弾みたいなやつだからな。しかもときどき飯時には起こせとかいうからさらにたちが悪い。そのため細心の注意を払って、抜き足差し足で外へと抜け出して、一息つく。毎朝という訳ではないが、大体の朝がこんな感じなので朝一番に精神力を持って行かれる。そのこと自体に辟易しながらも薪を割っていく。言及しておくが、薪を割るのに、師匠からもらった刀は使用しない。普通に鉞だ。薪になんて刀使ったって割れるわけがない。そういう達人技みたいなのは妖夢とか、そこら辺の刀を戦闘でもしっかりと扱える人たちに投げ渡すわ。どうやら凡人な俺は、達人にも一流、二流にすら届かない一般人でしかないらしい。

朝靄もはれて、朝日が見えて、澄んだ空気がほんのりと暖かくなってくる頃には、一日に使う分のほとんどの薪を割り終えた。その薪を風呂場の近くと、台所に置いておく。冬であれば囲炉裏にも置いておくが、今はまだそういった季節ではないので必要はない。

 

風呂場近くにある程度まとめた薪を運んだあと、台所に運ぶ。その運んだ薪を窯の中に入れて、文々。新聞を可燃材にして火打ち石で火をつける。(ふいご)である程度火力を調整したところでお味噌汁を作っていき、お米も並行して炊く。お鍋に適量水を入れてある程度沸騰するまで、米びつから米を2合程取り出して水にさらしながら研いでいく。火にかけた水から小さな気泡ができたら、適当な野菜と豆腐を一口サイズに適量切ってだばだばと鍋の中に投入していく。火力を少し下げて米を炊く作業に戻る。といってももう研ぎ終わっているので、火にかけるだけなのだが。米を炊くときは、始めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いても蓋とるな、だ。もう何年もやっているから、勝手に手が動くように、てきぱきと作っていく。

だがこれだけでは少しもの寂しいので、あと一品くらい付け足しておく。卵が地下の冷暗所に残っていたので、だし巻き卵でも作ろうか。

冷暗所から出てくると、寝ぼけ眼の霊夢が起きてきたので挨拶しておく。

 

「おはよう霊夢、よく眠れたか?」

「お陰様で。昨日のアンタのせいであんまり眠れなかったわ」

「それは申し訳ない」

「そう思ってるなら、やめてよ?」

「善処する」

「それってやらないってことよね?」

「よくわかったな」

「あんたの妹を何年してると思ってるの?今度したらただじゃおかないからね」

「頼もしいかぎりだ」

 

ボディーブローを食らった気分だが、手はそのまま動かす。だし巻き卵はすぐ焦げるから注意しないと。

 

「本当にやらないでよ?」

「悪かったよ。ほらだし巻き卵大きい方あげるから」

「ありがと」

「もう少しでできるからちょっと待ってて」

 

味噌を溶かしながら入れて、味噌汁は完成。お米も、噴き出してきたので火を消して少し蒸らせば出来上がりだ。

 

「お待たせ。さあ食べよ」

「いただきます」

「いただきます」

 

二人で手を合わせて食べる。

 

「今日は何か予定あるのか?」

「多分これから魔理沙が来るわ」

「来たぜ!」

「多分て……しかも本当に来たし……。まあいつもの事か。少し座って待ってろ。ご飯よそってやるから。どうせ食べてないんだろ?」

「もちろん!腹ペコだぜ!」

 

もう少し、なんかこう遠慮とかそういうのはないのかねえ、この子は。よく食べにくるし、自炊していないのか?

魔理沙って一人暮らしだよね?外食するところなんて、そこまでないのにこの子はどうやって一人暮らししてるの?

 

「ほら、食っていいぞ。だし巻き卵は俺の食べていいから。まだ口付けてないから心配するなよ」

「いっただっきまーす」

 

勢いよくがっつく魔理沙にあきれつつ、一品少なくなった朝食を食べていく。2合ご飯炊いといてよかった。本当は昼御飯用に炊いたものだが、まあ、また炊けばいいだろう。面倒くさいがそれだけだ。

 

「おかわり!」

「お前はちょっとは遠慮しろ。ほらお茶碗よこせ」

「サンキュー!だし巻き卵のおかわりもほしいぜ」

「嫌だよ、面倒くさい。俺の分作ってない様子を見て察しろ。というかもう少し遠慮しろ?もしかして自炊してないのか?ちゃんと家は片づけてるのか?」

 

昔子育てした弊害だろうか?こういう子供見てると、心配になってついついお節介を焼くんだよな。

 

「うるせえ!白鹿は私の母ちゃんかよ!?」

「あら、お兄ちゃん子供ができたのね、おめでとう。また子育て頑張ってね」

「もう子育てなんて懲り懲りよ」

「やめろ、おかま」

 

俺と霊夢で魔理沙をからかいながら食べる。やがて食べ終えて、皿を片付け終えると霊夢と魔理沙が寛いでいた。今日はどうするか話し合っているらしい。

 

「私は今日は里の方に下りようと思う」

「そう、私は今日はだらだらと無為に自堕落に一日を過ごすわ」

「暇なら、里に卸す用の退魔のお札を何枚か作っといてくれ。前回卸してから大分経ってる。そろそろ文句の一つでも飛んできそうだからな」

「しょうがないわね。でもそれくらいしかしないわよ。あとはお兄ちゃんがやってよね」

「任せとけ」

 

さて、お昼ご飯はどうしようか。里に下りてから決めようか。

 

「魔理沙、俺も里に下りるから連れてってくれ。そっちの方が早いし、俺が安全だ」

「えー、……まあいいけどよ」

「お礼に昼ご飯も食べていっていいから」

「ならかまわないぜ!最速で里まで運んでやる」

 

人里まで昼飯一回で往復で魔女タクしてくれる魔理沙は安いのかどうかは判断しにくいところだが、本人が承認しているんだから問題ないのだろう。

 

「ところで魔理沙に運んでもらうのはいいけど、空飛ぶことになるけど大丈夫なの?」

「大丈夫だ、問題ない」

「それダメなときに言う台詞でしょ?」

 

霊夢の前でネタを披露しすぎたせいだろうか。順調にネタが通じるようになってしまった。

 

結論、絶叫マシンより怖かったです。かなり叫びました。




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