Fate/Object   作:あんぼいな

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四話です、どうぞ。


七人の小人と杭の森 ルーマニア山中偵察戦Ⅳ

聖杯大戦が、始まる……。

 

とは言ったものの、実際セイバーが到着するまではヒマである。と、いうことで……。

「そういえばルーマニアって俺達の時代だとどの勢力だっけ、信心組織?」

「知らねぇよ。そういう世界地図を見て作戦を立てるのは上の仕事だったからな。俺らは戦場の地図さえ覚えておけばよかったし。」

そう言いながら車を走らせるヘイヴィア、彼らは街に買い物に出ていた。

「それにしても、こんな大量に買う必要があったのか?」

振り向いて荷台を見るヘイヴィア、そこには大量の荷物が積まれていた。

「ハンドアックスは魔力さえあればどれだけでも使えるけど、他にもトラップを作る為の材料も必要だしね。軍と違って支給してくれる訳でも無いし。」

「そうか、そういやテメェの兵科は工兵だったな。」

「そうやって考えると軍って結構恵まれてたんだね。自作しなくても済むから。」

そう言って窓の外を眺めるクウェンサー、彼らのいるシギショアラは古い建物が数多く残されている地区であり、窓からは古き良き中世の景色が今も楽しめる。

「長閑だねぇ、この景色見てると戦争なんてやりたく無くなってくるよ。」

視界をシギショアラの景色が流れていく、趣ある建物や灰色の筋肉、鮮やかな植物の緑……

「ん?」

「どうしたクウェンサー、ビキニのねーちゃんでもいたか?」

「いや、露出度的にはそれ以上だと思う。」

「マジでか!テメェだけズルい俺も見たい!」

そう言ってUターンするヘイヴィア、

「お前、さっき見た目が未成年だったせいでエロ本売ってもらえなかった事気にしてる?」

「当たり前だ!何でこの時代の見た目なんだよ!」

「サーヴァントは全盛期の肉体で召喚されるってコトミネも言ってたし、仕方無いんじゃないか?」

「そう言うテメェは悔しく無いのか、エロ本が買えなかったんだぞ!」

「ふっふっふ、俺にはコレがある!」

「携帯端末、しかも軍で支給されていた奴か?そんなもんがどうした……。 まさかッ!」

「ああ、俺はコレにあんな映像やこんな画像を保存して持っていた!」

「畜生、俺も嫁が定期的にチェックしなければ……。」

「まぁ、俺も何回かはバレて殺されかけたんだけどね。」

生前の思い出に浸るクウェンサーとヘイヴィア、

「おい、お前の言ってたのってあれじゃ無いよな…。」

「残念ながらあれだよ。」

「ビキニのねーちゃんじゃ無いじゃねえか!!」

「誰もそんな事言っていないし、露出度は高いだろ。」

「バーサーカーじゃねえか!!見なかった事にして帰ろうぜ。」

だが、その前にバーサーカーが気付いてしまった。

「おお!アサシン達よ!」

「(仕方ない…)何でこんな所にいるんだ?」

「此れより圧制者達へと叛逆しに行くのだ!!こうしている今も圧制者達は弱者を虐げ、君臨している。弱者の盾となり、虐げられし者達を解放することこそ、我が全てである。故に、我は圧制者へと叛逆するのだ。」

「(どうしようヘイヴィア、全く分からない。)」

「(安心しろ、俺もだ。)」

「圧制者達よ!待っておれ‼直ぐに汝らを抱擁してやろう‼」

そう言って再び走り出すバーサーカー、

「えっと、つまりは敵の本拠地に殴り込みに行ってくるって事でいいのかな?」

「知るかよ、何も見なかった事にして帰るぞ。」

しかし、そんな二人に声がかけられる。

「どうしたアサシン、こんな所で。」

声をかけたのはライダーとアーチャーだった。

「買い物に行った帰りだけど。ライダーと姐さんは何でこんな所に?」

「汝らまでその呼び名で呼ぶのか……。」

「俺達はバーサーカーを追い掛けて来た。野郎、突然圧制者がどうとか叫んで走り出したからな。」

そう言って再び追い始めるライダーとアーチャー、だか、ライダーが振り向いて言う

「そう言えば、ヤツに伝えていなかったな。丁度いい、今から帰るならコトミネに伝えておいてくれ。」

「分かった、伝えておくよ。」

そして、車を走らせる事数十分、協会から少し離れた駐車場に車を停める。

「さて、コトミネに報告しに行きますか。」

「荷物を運び込むのは後でいいよな。」

「ああ、そういえばセイバーは到着したのか?」

そう言いながら協会へ続く屋根の付いた階段を登る、途中で、髭を生やしたダンディーなおっさんとすれ違う。

「今のおっさん、かっこ良かったな。」

「ああ、あんなおっさんになりたかった。」

そう話すクウェンサーとヘイヴィア。

「おい、テメェら。」

突然後ろから話しかけられる。

「どうしました?」

そう言って振り向くクウェンサーとヘイヴィア、するとそこには、鎧兜に身を包んだ騎士が立っていた。

「テメェら、サーヴァントだろ。」

急な事に、戦闘体制を取るクウェンサーとヘイヴィア、ハンドアックスに信管を差し込み、直ぐに起爆できるようにする。またヘイヴィアも、銃の安全装置を外し、騎士に向けて構えていた。

「ほれ見ろマスター、やっぱりサーヴァントじゃねえか。」

「さっきまでの見た目で分かる訳が無いだろ。」

そう会話する騎士とおっさん。

「テメェらは……。」

「ああ、紹介が遅れたな、俺はセイバーのマスターの獅子劫界離だ。それでコッチが」

「セイバーだ。」

そこまで聞き、武器を下ろす二人。

「それで、そっちは?」

「アサシンだ、二人ともな。」

「どっちもアサシンなのか……。」

「それにしても、さっきまでの格好は英霊としてどうなんだ?」

そう言う獅子劫、確かに先程までのクウェンサーとヘイヴィアの格好は、上がTシャツに下がカーゴパンツと、何処にでも居そうな格好だった。

「良いんだよ、休みの時まで軍服なんぞ着たくない。」

そう答えるヘイヴィア。

「そういうモンなのか……。」

「じゃ、俺達はここらで。」

「ああ、また戦場で。」

そう言って別れる二人、暫らくしてクウェンサーとヘイヴィアが離れた後、獅子劫が聞く。

「セイバー、あのキャスターには警戒していたが、あいつらは良かったのか?」

「ああ、キャスターは母上みたいな感じがしたから警戒していたが、あいつは大丈夫だろう。」

「何でだ?」

「あいつら、馬鹿っぽかったし。」

 

 

 

「「ハックショイ!!」」

「風邪か?」

「いや、サーヴァントは風邪なんて引かないだろ。」」

「じゃあ誰かがこのイケメン貴族ヘイヴィア様の事を噂しているんだな!」

「この時代に知っている人なんていないだろ……。」




次こそ戦闘に……。

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