Fate/Object   作:あんぼいな

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三話目です、どうぞ


七人の小人と杭の森 ルーマニア山中偵察戦Ⅲ

「(ヤバイぞヘイヴィア、思ってた以上にキャラが濃いんだけど!)」

「(落ち着けクウェンサー、生前にもキャラが濃いやつなんていっぱいいただろ。ほら、お姫様とかおほほとかスラッター・ハニーサックルとか。)」

「(いやそうだけれども!というか最後のはキャラが濃いというか頭がおかしいのほうが合ってるんじゃ……。)」

コソコソと話すクウェンサーとヘイヴィア、

「どうした、入らないのか?」

いつまでも部屋に入らないクウェンサーとヘイヴィアを疑問に思ったのか、銀の軽鎧を着た美丈夫が言う。

「いやいや、入るぜ。」

「失礼しまーす。」

そう言って部屋に入る。部屋には大きな長机と椅子が置いてあり、そこに四人が座っていた。

「そこ、空いてるぞ。」

銀の軽鎧を着た美丈夫が席の一つを指差す。

クウェンサーとヘイヴィアが座り、コトミネが黒いドレスを纏った女性の隣に座る。

「さて。」

黒いドレスを纏った女性が口を開く

「我はアッシリアの女帝、セミラミスである。此度はキャスターとして現界した。貴様ら、名は何という?」

「クウェンサー=バーボタージュです。」

「ヘイヴィア=ウィンチェルだ。」

「そうか、知らぬ名だ。まぁよい、結果を出せば文句は言わん、精々努力する事だな。」

「(……この人多分かなりのドSだな。)」

「(ああ、しかも部下に無理難題を押し付けて楽しむタイプだ。)」

「(フローレイティアさんみたいな?)」

「(それよりもヒドいだろ多分。)」

「そういえば、二人ともアサシンなのか?」

先ほどから疑問に思っていたのか、美丈夫が質問した。

「ああ、俺達二人は生前にずっとコンビ組まされてたからな、二人で一セットって認識されていたんだろう。でも何で死んでからもこいつとセットなんだ……。」

「それはコッチのセリフだぜクウェンサー、テメェのせいで何度危ない橋を渡ったと思ってやがる!」

「あの時はしょうがなかっただろ。そうでもしなきゃ皆死んでた。」

「テメェはいつも爆弾仕掛けるだけだっただろうが!イグアスの時もジブラルタルの時もコッチはいっつも銃撃戦だったんだが!」

「イグアスの時はお前 "コッチは俺が担当する、そっちはテメェに任せた!"って言ってただろ!」

「随分と仲がいいんだな。」

「「誰がこんな奴と!」」

「息ピッタリじゃねえか……。」

呆れる美丈夫。

「そういえば、アンタは…。」

「ああ、済まねえ、自己紹介がまだだったか。俺はアキレウス。ライダーとして召喚された。それでコッチの姐さんが、」

別の席に座っていた緑色の衣装を纏った少女を指す。

「アーチャー、アタランテだ。」

そう自己紹介するアタランテ。だがクウェンサーとヘイヴィアは別の場所に注目していた。

「(クウェンサー、あれはまさか…。)」

「(ああ、間違いない。あれは本物のKEMOMIMIだ!)」

「(マジかよ。過去にあの"島国"で爆発的なブームを引き起こしたという……。)」

「(まさか本物が見られるなんて……ッ。)」

「(死んでまで来た甲斐があったな。)」

感動するバカ二人(クウェンサーとヘイヴィア)

「どうした、私の顔に何か付いているか?」

「「いいえなんでもないですスイマセン!!」」

「そうか、ならば良いのだが。」

全力で誤魔化すバカ二人、流石にあなたの耳を見て感動していましたとは言いにくいだろう。

「(バレなくて良かったな。)」

「(ああ、だがここにお姫様がいなくて良かったな。いたらどんな目で見られるか……。)」

ゾッッ!!

「(どうしたクウェンサー?)」

「(いや、今謎の悪寒が……。)」

「 そういえば、アンタは誰なんだ?」

ヘイヴィアが振り向き、壁際に立っている男に聞く。

「ランサー、カルナだ。」

「そうか、よろしく。」

そう返し、前に向き直る。

目の前に壁が、いや筋肉が聳えていた。

「「………、えっ。」」

「アサシンよ、さっそくで悪いが、君は圧制者かな?」

思わずコトミネの方を向き、助けを求めるクウェンサーとヘイヴィア。

「彼はスパルタクス、バーサーカーですよ。」

にこやかに答えるコトミネ。違う、そういう事が聞きたいんじゃない。

「どうなのだ、早く答えないか。」

答えを急かすバーサーカー、

「因みに、圧制者だった場合は……?」

「決まっているだろう、叛逆だ。」

「なぁヘイヴィア!俺達超虐げられてたよな‼」

「あぁクウェンサー!俺らあの上官にケツ蹴られたりしてたしな‼」

そしてバーサーカーの顔色を伺う。

「そうか、ならば共に叛逆だ!我々は虐げられし奴隷である‼ならば圧制者への叛逆を成さねばなるまい!!!!」

バーサーカー的にセーフだったようだ。

「(すみません、フローレイティアさん、勝手に圧制者にしてしまいました…。)」

「皆さん、セイバーとそのマスターから明日到着するとの連絡がありました。よって、到着次第、聖杯大戦の開始とします。」

コトミネが注目を集めて言う。

「キャスターは私と一緒にセイバーと会って下さい。」

「了解した、我がマスターよ。」

「他の方々は追って指示を伝えます。それまでは自由にしていただいて構いません。」

「腕がなるな、どんな豪傑がいるのか楽しみだぜ。」

ライダーが楽しそうに言う。

「汝らなら大丈夫だろうが、あまり無茶はするなよ。」

アーチャーが言う。

「承知した。」

ランサーが返答する。

「ははははは!待っておれ圧制者たちよ!我が愛で滅ぼしてやろう!!」

バーサーカーが高笑する。

 

聖杯大戦が、始まる……。




まだ戦闘に入れてない……。

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