Fate/Object   作:あんぼいな

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二話目です、どうぞ


七人の小人と杭の森 ルーマニア山中偵察戦Ⅱ

『聖杯戦争』

万物の願いを叶える「聖杯」を巡り、七人の魔術師(マスター)が自らと契約した七騎の使い魔(サーヴァント)をもって覇権を競う魔術儀式である。他の六組が排除された結果、最後に残った一組にのみ、聖杯を手にし、願いが叶う権利が与えられる。

だが、冬木で行われていた第三次聖杯戦争。その大聖杯が第二次世界大戦の混乱に乗じて何者に強奪された。

数十年後、魔術師の名門ユグドミレニア一族の長であるダーニック・ブレストーン・ユグドミレニアは、「大聖杯」の所有及び、魔術協会からの離反と独立を宣言した。

そしてダーニック達ユグドミレニア一族は、「黒」の陣営としてサーヴァントを召喚。ルーマニア、トリファスに拠点を置いた。

これを危険視し、何としてでも大聖杯を奪還したい魔術協会は、ユグドミレニアの討伐を決意。「黒」の陣営に対する「赤」の陣営として、魔術師たちを送り込み、サーヴァントを召喚させた…

 

「と、聖杯大戦の状況はこのような感じですね。」

ルーマニア、シギショアラの山上教会、そこに三人の人影があった。カソックを着た白髪の青年、金髪で線の細い青年、茶髪に金髪の青年と同じ迷彩の軍服を着た青年の三人だ。

「状況は分かったけどなぁ、いい加減自己紹介ぐらいしようぜ。」

そうボヤく茶髪の青年、彼らは、かなり長い間話していたようだ。

「そういえばまだでしたね。 私はシロウ・コトミネと申します。今回、聖杯大戦の監督役兼マスターを務めさせていただきます。」

「じゃあこっちも自己紹介しようかな。」

金髪の青年が言う。

「赤のアサシンとして召喚された、正統王国第三十七機動整備大隊所属、クウェンサー=バーボタージュ。」

「同じく正統王国第三十七機動整備大隊所属、ヘイヴィア=ウィンチェルだ。」

「よろしくお願いします、これからの働きに期待しています。それにしても、クウェンサーとヘイヴィアですか…」

「どうかした?」

「いえ、聞いたことの無い名前でしたので、お二人は何処の英霊なのでしょうか?」

確かに、その疑問ももっともだ。クウェンサーやヘイヴィアといった人物の名前は聞いたことがない。さらに、正統王国と言った国家は存在しない。

「ああ、多分俺達はまだこの時代には生まれていない。」

「と言いますと?」

「つまり、俺らは未来から来たってことだろ。」

「なるほど、未来ですか… 聖杯戦争で召喚が可能な事は知っていましたが、見たのは初めてですね。」

「そういえば、俺達を召喚したマスターは何処に行ったんだ?」

「それでしたら、奥の部屋で休んでおられますよ。会うのは後日にした方が良いかと。」

「そっか、ならそうさせてもらうよ。」

「では、そろそろ他の方達との顔合わせに行きましょうか。」

そう言って、奥の部屋へと歩き出すコトミネ。

「俺ら以外には、何が召喚されているんだ?」

「すでにアーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、バーサーカーが召喚されています。」

「後はセイバーだけか。」

「ええ、セイバーとそのマスターはまだ此方に到着していません、此方に合流次第、聖杯大戦の開始となります。」

「つまりそれまでは…」

「自由にしていただいて構いません、何かあれば、こちらから招集します。」

「よしクウェンサー!ナンパしに行くぞ!」

「やだよ、生前一度も成功しなかったじゃんか」

「一応、神秘の秘匿をしなければならないので、やめておいて頂けると…」

苦笑いするコトミネ、そこからしばらく歩き、一つの扉の前で立ち止まる。

「では、皆さんここでお待ちですので。」

そして、扉を開いた。

「皆さん、アサシンを連れて来ましたよ。」

 

「遅かったではないか、我がマスターよ。」

奥に座る黒いドレスを纏った女性がそう答える。

「すみません、説明に時間がかかってしまったもので。」

「そうか、ならば仕方ない。」

緑色の衣装を纏った少女が言う。

「あれ?何で二人いるんだ?」

銀の軽鎧を着た美丈夫が問いかける。

「……」

壁際に立っている男は何も言わない。

「ははははは!アサシンよ、共に叛逆を成そうではないか!」

筋肉(マッスル)が叫ぶ。

アサシン(クウェンサーとヘイヴィア)は思う。

「「キャラが、濃いッ…!」」




入試怖い…

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