Fate/Object   作:あんぼいな

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遅れました。どうぞ。


踊る阿呆と撃つ阿呆 ミレニア城塞強襲戦Ⅴ

「見ろよヘイヴィア。細部までハッキリと見えるぜ」

「ああ、それに奴ら、俺らが覗いてるって事に気づいてない」

「まったく、これだから覗きはやめられねぇ!」

「全くだ!」

「……。」

「……。」

「やめよう、無理にテンション上げても虚しいだけだ」

「そうだな……」

 

クウェンサーとヘイヴィアは現在、敵オブジェクトの弱点を探るため、空中要塞から中継された映像を確認していた。

 

「さてと、それでこれからどうするんだ?」

「さっきから気になっている事が二つある。一つは敵の装甲だ」

「さっきテメェが言ってたヤツか。既存の物と違うだとか」

「ああ、どんな材質で出来ているのか、俺達の持っている中での最高火力、お前の携行型対戦車ミサイルで抜けるのかといった所だな」

「そうかよ、それで二つ目は?」

「主砲についてだ。連続射撃できるのか、装填数はどのくらいなのかとか、そんな感じかな」

「その事で、、少し気になった事があるんだが……」

「何だ?」

「何でヤツは一発撃っただけで引っ込んで行ったんだ?」

「言われてみれば、対策をされる前にそのまま撃ち続ければ勝てたかもしれない。ならば何で……」

「まさか一発しか装填できないってことは無いだろうな」

「そんなわけないだろ、これ見ろ」

 

そう言って端末を示すクウェンサー。その画面には、オブジェクトを俯瞰している映像が映っているが、

 

「何かでかいモン積んでいるな、何だこれ?」

「多分主砲の弾薬だと思う」

「はあ?大きすぎるだろ。目測で5メートル近くあるぞ!」

「それが5発だな、一回の補給で5発か……」

「じゃあさっきは何で一発しか撃たなかったんだよ、何発も装填できるならそんだけ撃てば良かったじゃねぇか」

「多分、だけど」

 

そう前置きするクウェンサー。

 

「試し撃ちだったんだと思う」

「試し撃ち?」

「ああ、俺達はこの城塞に強襲しに来ている訳だからな。主砲のテストも終わっていない機体を出したのかもしれない」

「そういう事かよ……。」

「もしかしたら機体自体も急いで組み上げたのかもしれない。それならば何処かに不具合が生じる可能性も……」

「そうだったら良いんだがな、そんなに上手く行くもんじゃないだろ」

「ああ、分かっている」

「つまりだクウェンサー、結論を言え」

「現在装填された分まではまだ耐えられるけど、その次、もう一度装填されて撃たれたら……」

「それまでに倒さなければコッチが落とされる、って事か」

「ああ、それまでにどうにかしてヤツを倒さなければいけない」

「まったく、給料も出ないのによ……」

「っておい!画面見ろ!」

 

そう叫ぶヘイヴィア。そこにはゆっくりと動き出すオブジェクトが映されていた。

 

「動き出したか……」

「此処からどうするんだ?いくら天才のヘイヴィア様でも直ぐにはアイディアは出ねぇぞ」

「ああ、気になっている事のもう一つを調べようと思う。」

「もう一つ、ってのは装甲の事だったか?」

「ああ、材質とか強度とか、その辺りだな」

「どうやって調べるんだそんな物、オブジェクトにクライミングでもする気か?」

「そんな事自殺行為でしか無いだろ。それにオブジェクトに登るのはもう懲り懲りだ。それよりも楽に分かる場所がある」

「まさか……!」

「ああ、オブジェクトに弾薬を装填していた所、ミレニア城塞の内部。そこに恐らく換えの装甲とかが有るはずだ」

「敵地のど真ん中じゃねえか……」

 

 




ありがとうございました。

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