Fate/Object   作:あんぼいな

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サブタイトルの阿呆はアホウと読んで下さい。


踊る阿呆と撃つ阿呆 ミレニア城塞強襲戦Ⅰ

「ランサー、呼び立てて申し訳ありません。」

 

中央に巨大な玉座のそびえる空間。そこに赤のサーヴァント達は集められていた。

 

「構わない。いよいよか。」

「はい、直ぐにアサシンも来ます。詳しい事はそれから……。」

「来たよー。」

「ったく、コッチはついさっきまで戦ってたんだけどな。」

 

そう言って扉から入ってくるクウェンサーとヘイヴィア。彼らは半日ほど前まで黒のアサシンと戦闘を行っていた。

 

「到着しましたか、アサシン。」

「ああ、全員集まっているって事はつまり……。」

「貴方には話してありましたか。」

「ともあれ、皆揃うたな。」

 

コトミネの隣、玉座に座ったキャスターが口を開く。

 

「準備が整った今こそ、打って出る時期だ。」

「えー、働きたく無ーい。」

「ブラック企業かよ此処は。」

 

茶々を入れるクウェンサーとヘイヴィア、だが……。

「せっかくの聖杯大戦だ、派手に行こうでは無いか。のう?」

「おっとクウェンサー、スルーされたぞ。」

「女王様には下々の言葉なんて聞こえないんだよ、きっと。」

 

ハッハッハッハ、笑うクウェンサーとヘイヴィア。

ドゴッ‼

 

クウェンサーとヘイヴィアの間をキャスターの放った魔術による砲撃が通り抜けた。

 

「「……。」」

「(…おいヘイヴィア!何も言わずに撃ってきたんだけど‼)」

「(…まずいな、キレさせたか。)」

「(まずいな、じゃねーよ!どうするんだよコレ!)」

「おい、アサシンよ。」

「「はいッ!」」

 

思わず姿勢を正すクウェンサーとヘイヴィア。

 

「次は、無いと思え。」

「「スイマセンデシタ!」」

 

そして飛び出すは極東の島国に伝わる伝家の宝刀、

DOGEZAであった……。

 

「話は逸れたが、これより黒の陣営に強襲を仕掛ける。」

「わざわざ城を造って、立て篭もる準備を整えたのか?」

 

ライダーが問いかけるがその疑問も最もだろう。

城とは本来、防衛するものなのだから。

 

「ライダー、お主は前提が間違っておるぞ。」

「は?そりゃどういう事だ?」

「まぁ、外を見てくるが良い。」

「あ?」

 

虚栄の空中庭園(ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン)

赤のキャスター、セミラミスが生前作り上げたと伝えられる空中庭園

その実態は一言で表せば "空中要塞" である。

 

「おいおい、こりゃ何の冗談だ……。」

 

思わず目を見開くライダー、その隣ではアーチャーも呆然としている。

何しろ、城が宙に浮き、移動しているのだ。驚くのも無理は無い。

 

「驚いたであろう。この城は、守るために存在しているのでは無い。」

「空中要塞、という事か。」

「成る程、こいつで攻め込むって訳だ。」

「大したものだな。」 

 

滅多に感情を表に出さないランサーですら、驚愕を表している。

 

「この速度であれば、黒の陣営が我々を視認出来る距離まで、そう時間もかからないでしょう。」

 

「それでは皆さん、戦闘準備を。」

 

「そういえばこれ、頼まれていた備品だ。」

「ありがとうございます、アサシン。」

「ったく、サーヴァントをパシリに使うなよ。」

 

コトミネにビニール袋を手渡すクウェンサー。

その中身は、洗剤や日用品など、黒のアサシンと交戦する前に買っていたものだ。

 

「サーヴァントと違い、この様なものが必要になるのは生身の辛い所ですね。」

「確かに、この体になってからはあんまり必要としなくなったからな……。」

「そういえば、貴方の要望もキチンと取り込んでいたとキャスターが言っていましたよ。後で確認しておいてください。」

「マジか、了解した。」

 

確認に向かうクウェンサーを眺めながら、ポツリと呟く。

「それにしても、あんな場所とあんなモノ、どう使うのでしょうか?」

 

 

ミレニア城塞到着まで、後四時間




まだまだクウェンサーとヘイヴィアの宝具が出せない……。

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