ヒロト「だめ。そもそもずらしたかどうかなんて投稿されてもわからないじゃないか」
筆者「それもそうだわ…」
「円堂さんたち、大丈夫だよね」
花瑞はつい円堂達のことが心配になり呟いてしまう。円堂を信用出来ないのではない。影山が不安材料になりすぎるのだ。しかし、託した以上気持ちを切り替えねばならない。今は目の前の特訓に集中だ。花瑞は立向居にゴッドノウズインパクトを繰り出す。
「うぉぉぉぉぉ!」
魔神とは違う何かが見えるがそれまで。まだ完成には遠い。
「ま、魔王みたいっす」
「確かに、魔王みたいだな」
壁山と小暮がオーラを見てそう言うと、ならこの技は魔王ザハンドにしようと名前が先に決まった。技名が決まることでイメージが固まることもあるから決して悪いことではない。
「ふぅ……連発しすぎて疲れた………」
「じゃあ休憩、立向居はちょっとこっちへ」
クララが立向居を連れ去り物陰でなにかこそこそと立向居の耳に流し込む。
「よ、よし!やります!」
「すごい気合い、これならきっと」
花瑞は渾身のゴッドノウズインパクトを放つ。
「魔王·ザ·ハンド!」
魔王の両手がボールを抑え、もう少しで止められそうだ。
「あっ! いた! おぉーい!たいへんたいへん!」
いいところでマキが現れて慌てた様子で声をかける。意識を削がれた立向居の顔に威力が殺しきれてなかったボールが激突する。
「いててててて」
「だ、大丈夫?」
「そんなのあと! はやく移動する準備して! 試合が今日になっちゃったの!?」
「ええぇ!!?」
「ま?」
「ほんとだから! 監督もいないし、とにかく急いで!」
全員慌てて試合にいく準備をする。監督も別の場所から身動きできないようで監督と円堂達の不在で試合となる。監督にできるせめてものことは出場選手のリストを更新することだけであった。
補欠に入っていた小暮、杏をベンチに加えて試合に臨む。
「監督もいないしマモル達もいない、キャプテン代行は誰が務める?」
「なら、私に任せてくれないか?」
「八神…よし、任せた」
イナズマジャパンのフォーメーションはこうなった。
FW 豪炎寺 ヒロト 虎丸
MF 染岡 マキ 八神
DF 風丸 壁山 花瑞 飛鷹 黒嶋
GK立向居
ベンチには 小暮 杏 クララ
「君、花瑞選手だろ? 俺はテレス、ジ·エンパイアのキャプテンだ」
「どうも、キャプテンならあちらの八神さんなので挨拶ならそちらにも」
「円堂はいないのだな、彼から君の守備のことを聞いていてね。是非今日はどちらのディフェンスが上かを決めたいと思ってる」
「そういうことなら、のぞむところです!」
試合開始、虎丸がボールを軽快に敵陣まで持ち込みタイガードライブを放つ。
「アイアンウォール!」
これをテレスがガッチリとディフェンス。すぐにカウンターに入る。フォワードのレオーネにボールが渡り必殺技を撃とうと構える。
「ヘルファイア!」
「ゴッドキャッスルV3!」
ここは花瑞ひとりで守りボールを奪った。サイドの風丸へとパスを出し横から攻める。
「マキ!」
マキにボールが渡るとグングニルを放つ。しかしそれもテレスの前には無力であった。
「むぅ……アイツ強い」
レオーネにボールが渡る。今度は飛鷹の真空魔でボールを奪う。ボールはキャプテン代行八神へと繋がり、攻撃を仕掛ける。
「アンデスの蟻地獄!」
ここでジ·エンパイアの必殺タクティクスにより八神はマキ達と分断され、連携技を撃てなくなる。ジリジリと蟻地獄の中から抜け出そうとするがダメで、シュートをするとテレスに防がれてしまった。
「いつの間にやつの前に……これがあいつらのタクティクスか」
八神はなんとか打開策を練らなければと考える。鬼道がいない今考えるのは自分だ。いつものタクティクスブレイカー、マキのメテオシャワーを試すがダメ、グングニルは蟻地獄にずっぽりと埋まるだけでダメ。打つ手はないのか。キャプテン代理八神の苦悩は続く。
クララ「苦戦してるな」
八神「あぁ。監督もなし、鬼道もなし、果たしてどう破ろうものか」
杏「こういうときに限ってマキの必殺技も通じないし」
マキ「なに? 誰が肝心な時に使えないって?」
杏「いや、そこまでは言ってない」
クララ「言ってた」
杏「クララ!?」