ー城之内笑太sideー
準決勝、今日は圧倒的パワーで他校を倒した世宇子中との試合や
準決勝までなんとか勝ち進んだ俺たちだったんやが、
今日は何故かいつも元気な花瑞ちゃんがずっとカチューシャを見つめて黙りこんでいる……
ま、まさか!?
その時俺はあのカチューシャを花瑞ちゃんが初めて着けてきた日のことを思い出した
「なあ、花瑞!そのカチューシャどうしたんだ?」
「んー、これ?これはね…貰ったの!」
あのとき花瑞ちゃんは少し顔を赤くしていた
そしてその日一日は、学年の男子全員が女神ロスショックを起こしていた…俺もや…
理由はもちろん一年の女神と言われていた亜風炉花瑞に、彼氏ができたという噂がたったからだ。
まさか花瑞ちゃんの彼氏が相手の中に!?
「あの~花瑞ちゃん」
「ん?どうしたの笑太君」
「そのーあれなんや、もしかして相手のチームの中に…会いたい人とかいたりして?」
「ど、どうしてわかったの!?」
やっぱりぃぃ!そうだこれはあれだ!好きな人と戦うのに戸惑ってるに違いないんや!
こ、ここはフォローすべき時や!
「花瑞ちゃん、たとえ相手が誰であろうと全力で相手しないと失礼だと思うんや。だから悩まない方がいいと俺は思うんや」
「?ありがとね…心配させちゃってたんだ」
その後花瑞ちゃんは元気に試合準備をしていた。
ー亜風炉花瑞sideー
どうして笑太君がお兄ちゃん探してることわかったか知らないけどお陰で元気がでた。
よくわからないモヤモヤも晴れた
「さあ、ついに始まります!フットボールフロンティア準決勝世宇子中対鬼怒川中!どちらも無名校ながらここまで勝ち進んできました!」
実況の声が響く
私はアフロディと名乗る男が兄であるとすぐにわかった。
「さあ、世宇子ボールから試合が始まります!」
「デメテル!いきなりボールを相手の明に渡した!これはどういうことでしょうか?」
「シュートしてこいってことかな?よーしやっちゃうぞ!」
「明、そのままドリブルで敵陣に攻め込むが誰もボールを取ろうとしません!」
「も~怒ったからね!ニコニコサンシャイン!」
「出た!明の必殺技ニコニコサンシャイン!今までの試合で必ず一回はゴールネットを揺らした技だ!」
あっれー実況さん頑張りすぎて私何も言うこと無いんだけど…
「つなみウォール!」
「キーパーポセイドン、これを難なく止めました!」
カウンターが来る!そう思っていた
「なんとポセイドン、そのボールを荒城に渡しました!これは打ってこいと言うこのなのでしょうか!?」
「後悔させてやる…いくぞ!ブリザードショットォ!」
しかしこれも相手のつなみウォールで止められてしまった…
「おおーと再び明にボールを渡しました!」
「漣君!一か八かあれをやろう!」
「あれか?確かにあれなら今のシュートよりも強いが…」
「ならやろう!いくぞぉサンシャイン~」
「おおっとこれはニコニコサンシャインではないのか!?そのボールをゴールではなく下にいる荒城に!」
「ブリザード!」
「燃え上がるボールがそのまま凍った!炎の氷です!ここで新必殺技のようです!」
「ふん!つなみウォール」
「しかしこれもポセイドン止めました」
「嘘だろ…」
「あれがダメだともうないよぅ……」
「これでおしまいか?つまらん」
「ついに世宇子中の攻撃が始まりました!」
これから先は地獄でした…皆が傷付き倒れ…