マキ「ひ·み·つ~♡」
筆者「ご機嫌だな」
マキ「お楽しみ!」
試合当日、会場へ向かおうとしたイナズマジャパンの前に不良集団が妨害しにきた。
「あいつら、この前の不良!」
「…ちぃ、古株さん、俺を下ろしてください」
「待て!飛鷹」
八神が戻るよう呼び掛ける。
「今までお世話になりました。八神さんも、俺の特訓に付き合ってくれて、ありがとうございました。俺の問題です、俺がいなくなれば解決するんです」
「お前がいなければイナズマジャパンではない」
「──っ!」
「そうだぜ飛鷹! みんな揃ってのイナズマジャパンだ!」
「円堂さんも…でも、そしたらあいつらを……」
「行ってください!飛鷹さん!」
「鈴目!」
飛鷹のことを慕う不良仲間達が、唐須を止めるために現れたのだ。
「飛鷹さん!必ず、世界に羽ばたいてください! 飛鷹さんは俺達の憧れであり、誇りです!」
「お、お前ら……くっ、古株さん。行ってください」
会場前から慌ただしいが、会場に入ってもまだ落ち着けない。
アフロディ達が試合前に挨拶にきたのだ。
「花瑞、久しぶり」
「お兄ちゃん! エイリア学園との戦い終わっても全然会いに来てくれないと思ったら韓国に行ってたなんて」
「君達とまた戦いたくてね」
「今日は絶対守るから」
「うん、期待してるよ。花瑞の進化に」
南雲と杏も軽い会話を交えていた。
「よぉ、杏。代表メンバーになれたんだってな」
「あぁ。今日は自由にプレーさせないからな」
「へっ、おもしれぇ。お前に俺が止められるかよ」
当然、クララもであった。
「風助、中二病は治ったか?」
「私は中二病などではないと言ってるだろう。今日は我々ファイアードラゴンの毒牙に力尽きないよう気を付けるのだな」
「変わらないようで安心した」
必ずお兄ちゃんのシュートを止める。花瑞はそう意気込んでいた
「スターティングメンバーを発表する」
FW 豪炎寺 ヒロト
MF 吹雪 鬼道 マキ
DF 杏 壁山 クララ 飛鷹 黒嶋
GK 立向井
「……あれ?」
花瑞はベンチスタートとなった。そしてキャプテンの円堂もしあいにでていない。
「花瑞、俺が何故お前を外したかそこでよく考えておけ。答えがわからないようなら、試合には出さん」
何かに気付けていない?それとも見失っている?花瑞はまだ何もわからなかった。
ベンチには不動、緑川、円堂、花瑞、虎丸が居た。出場する選手にも不安が残った。そして敵であるアフロディも少々驚いていたが、どんな作戦なのだろうかとワクワクもしていた。
試合開始、ヒロトからボールを奪ったアフロディはヘブンズタイムで吹雪と鬼道を突破。壁山がザ・ウォールで守ろうとするが、それを飛び越えて真ゴッドノウズを放った。
「ムゲンザハンドG4」
これは立向井のムゲンザハンドでガッチリとキャッチ。
「いいぞ! 立向井!」
ベンチから円堂も声を出す。
「さすがお兄ちゃん……やっぱりお兄ちゃんを止めるには私が出ないと……」
「さすがだね立向井君。けど、次はこうはいかないよ」
立向井はボールを黒嶋へと渡し、速攻を仕掛ける。そして、相手陣地の深くからヒロトへのセンタリングを上げる。
「流星ブレードV2!」
「だいばくはつ張り手!」
しかしこれは防がれてしまう。弾いたボールは相手の司令塔チェ·チャンスゥへと渡る。南雲と鈴野にはしっかりと杏とクララがマークについている。再びボールはアフロディへと渡る。
「行かせないよ!スノーエンジェル!」
吹雪の新必殺技によりアフロディからボールを奪い、そのまま攻め上がる。豪炎寺とのワンツーでディフェンスを掻い潜ると、ウルフレジェンドを放つ。しかし、これも弾かれる。
「大体わかってきましたよ…そろそろ始めますかね。我々のサッカーを」
チェチャンスゥが怪しげな事を言う。鬼道は警戒するが、出方を伺うしかない。
鈴野に渡ろうとしたパスをクララがカットして、マキへとパスを出す。
「いくぞ、パーフェクトゾーンプレス!」
「なに!?」
マキを取り囲うように高速でぐるぐるとチェチャンスゥ達が周りじりじりと責め寄る。その外側には鬼道が捉えられている。
「マキを分断させてボールを奪う必殺技ということか……」
「惜しいなクララ、分断させるのは個人ではない。チーム全体を分断させる必殺タクティクスだ。ジリジリとドラゴンの尾に締め付けられたように苦しみもがくがいい」
「お前は思春期抜け出したときに今の自分を思い出して苦しみもがくがいい」
ジリジリと迫るプレスに、焦りと苛立ちを隠せないマキ。しかし、ニヤリと笑って空に飛ぶ。
「まとめて蹴散らしてやる!メテオシャ……」
「そうはさせねぇぜ!」
「しまって!」
杏のマークを抜けて南雲がメテオシャワーを出そうとするマキ目掛けて飛んできた。空中でボールを奪った南雲はそのまま自分でボールを持っていく。
「くっ! イグナイトスティール!」
「アフロディ!」
アフロディとのワンツーで杏のディフェンスを突破、壁山もついでに抜き去る。
「アトミックフレアV2!」
「ムゲンザハンド………うわぁ!」
南雲のアトミックフレアで先制点を奪い取った。
「くっ、すまない。私のマークがしっかりしていれば」
「いいえ、俺がもっとキーパーとして強い技を使えれば」
「ドンマイドンマイ!まだ前半だー!まだまだ取り返せるぞー!」
ベンチから大声で円堂が励ます。そう、まだ試合は始まったばかり。本当の地獄はこれからなのだ。
杏「あぁぁ」
八神「そんなに気を落とすな」
クララ「そうそう、百パーセントの仕事なんて出きるわけないんだか」
杏「私の初陣が……ここで活躍しなかったらまた補欠落ちになりかねない」
八神「うーん、相当へこんでるな」
クララ「勝ち気な分今までの扱いといざ出たときにヘマしたって事実が相当ショックらしい」
杏「わたし晴矢とは幼馴染みなのに、あいつのことよくわかってるから裏をかかれない自信あったのに」