アフロディに妹がいた!?   作:ゆーこー

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ヒロト「これだけは言わせてくれるかい?」

筆者「なんだ」

ヒロト「ここ数回のタイトルだいたい熱い」

筆者「友情!努力!勝利!」


VS.デザートライオン 灼熱地獄! ヒートアイランド

 デザートライオンとの試合当日。天気は雲ひとつない快晴。今日はいい日になりそうだと陽気に鼻唄を歌うものも現れそうなものだが、温暖化した東京は朝から気温は三十度を超えていた。

 

「マキ、蒸し暑いの嫌い!」

 

「昨日、一昨日とは比べ物にならないくらい暑いね……」

 

グラウンドでアップをしているだけでも汗が止まらない。マネージャー達も大型のクーラーボックスを持ってきて中に氷を大量にいれてスポーツドリンクを用意している。

 

「スターティングメンバーを発表する」

 

FW  豪炎寺 ヒロト

 

MF 吹雪 鬼道 緑川 マキ

 

DF 小暮 壁山 飛鷹 黒嶋

 

GK 円堂

 

「花瑞さん抜きっスか?」

 

「どうした壁山。まさか、ひとりDFをベンチに下げただけで日本代表の守備は崩壊するなんて言わないだろうな?」

 

「そ、そんなことないっス」

 

花瑞はベンチスタートであった。壁山のように花瑞がスタメン落ちしたことに驚いている者は少なくない。しかし、ビッグウェイブスのときも狙いがあったように今回も狙いがあるに違いないと皆が信じていた。

前半が始まり、イナズマジャパンは調子よくボールを運んでいく。

 

「ばくねつスクリュー!」

 

「ストームライダー!」

 

豪炎寺のばくねつスクリューが前半早々に相手ゴールにねじ込まれる。幸先のいいスタートを切ったイナズマジャパン、相手のキックオフから試合が再開すると、強引なドリブルで相手が攻め上がってくる。不動レベルかそれ以上のラフプレーの数々であった。

中盤の鬼道が抜かれたあと、壁山がザ・ウォールでボールを奪い返すとそのボールは吹雪へと繋げるが再び奪い返される。中盤での激しい攻防が前半の半ばまで繰り広げられた頃であった。

 

「はぁはぁ…メテオシャワー……」

 

メテオシャワーを放ったマキは着地と同時に膝に手を当てたまま動けない。体力を消耗しすぎている。

 

「この猛暑のお陰で思ったより早く我々の時間がやってきたな。いくぞ!」

 

デザートライオンのキャプテン、ビヨンの指示により一気にデザートライオンが牙を向く。タックルでボールを奪われたマキは大きく吹っ飛ばされ、飛鷹は簡単に抜き去られた。

 

「させるかよ」

 

黒嶋がスライディングでボールを弾くが、弾いた先にいる壁山がボールを拾えずビヨンのボールになる。

 

「ミラージュシュート!」

 

「正義の鉄拳G3!」

 

このボールは円堂の正義の鉄拳で防いだ。GKの円堂の体力はまだ残っている。沖縄育ちの黒嶋もまだ大丈夫。しかし、他の選手の疲れはかなり溜まってきているようであった。

正義の鉄拳の弱点、パンチング技なのでその後のボールキープの保証がない。そこに動ける選手の減少が加わることで結局防いだボールを再び相手に取られる連続シュートの地獄へと変わってしまう。

何発でも入るまでシュートが続く。円堂があっという間に消耗していく。ついに、一点を奪われたあともすぐに攻め込まれてしまう。

 

「とどめだ!ミラージュシュート!」

 

「くっくそ! うぉぉ!」

 

飛鷹が大声をあげて振り上げた蹴りは空を切り、相手のシュートの勢いを抑えた。円堂は威力の弱まったボールをマジンザハンドでキャッチした。

 

「よしっ! 黒嶋っ!」

 

円堂はボールを黒嶋へと渡し、黒嶋はさらに緑川へとボールを渡した。緑川からボールを奪おうと二人の選手が襲い掛かる。

 

「このチャンスを生かさないわけにはいかないっ!ライトニングアクセル!」

 

ジェネシスの一部が覚えていた必殺技を緑川がここでモノにしたのだ。緑川は進撃を続け、シュート体勢に入った。

 

「アストロぉぉ…ブレイク!V2」

 

「ストームライダー!」

 

しかし、このシュートは止められてしまった。

 

「くっ、もっと強力な必殺技があれば…」

 

「緑川、ひとりで攻める必要はない。俺に回してくれたっていいんだ」

 

「ヒロト……すまない」

 

「別に責めてるわけじゃない。チームプレーを忘れるなってだけさ」

 

「……あぁ」

 

相手の反撃でいよいよイナズマジャパンの守備が突破されてしまった。同点にされただけならまだよかったが、その後さらなるラフプレーを加えられた挙げ句に二点目を許してしまったのだ。

出場選手の多くが疲労とダメージが蓄積した状態で前半戦が終了した。

 

「みんな…と、とりあえず飲んで」

 

花瑞はヒロトとマキにスポーツドリンクを手渡す。

 

「はぁっ……はっ…ぜぇ…」

 

マキは息を荒げて顔を俯いたまま受け取り、勢いよく上体を起こしてボトルの底を憎らしい太陽に向けて一気に飲み干す。そして再び下を向く。

 

「後半はマキ、小暮、壁山、緑川を花瑞、風丸、虎丸、立向井と交代する」

 

「まっ……マキは…まだ」

 

「監督…俺はまだやれます………」

 

「足を引っ張るだけだ、今は休め」

 

マキ達は何も言い返すことなく下がるしかなかった。

 

「……それと花瑞、後半はお前が守備の要になる。途中で体力切れを起こさないよう自分の管理は徹底しろ」

 

監督‥…前半に私を出さなかったのは後半に戦えるだけよ戦力を残すためだったんですね……




クララ「暑いのは苦手だ……」

八神「まあ記録的な酷暑のようだし無理もない。むしろ私はこんな時期に開催する大会運営に問題があると思う」

クララ「そうだよ、こんな暑い時期はアイスでも咥えながらクーラーの聞いた部屋でゲームをするに限る」

八神「練習はしてほしいものだな」

杏「そんな生活をしているが選ばれたのだからな……」

クララ「まあ次の試合には復活するし…」

杏「枠が空いていればいいな」

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