アフロディに妹がいた!?   作:ゆーこー

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熱き闘志

二回戦の相手がカタール代表に決まった。

スタミナが豊富だとされるためにイナズマジャパンは走り込みを中心にした練習メニューを行うことになったのだが……

 

「はぁはぁ……」

 

「クララ、大丈夫か!?」

 

「暑い……やばぃ」

 

カンカン照りの太陽の下、長時間休憩無しで行ってしまったランニングは何名かの選手には耐えきれないものになってしまった。

かくいう花瑞もかなりバテていた。必殺技も強力で全体的なテクニックも高い花瑞だがことフィジカルの話になるとか弱い。本人もそれを自覚しており、前回の試合でもそれを痛感させられたのだが早々変われるものではない。

 

「あき! クララを日陰に休ませてくれ!」

 

円堂があきにクララの手当てを任せる。壁山もかなりヘトヘトで、マキも実際のところかなりの疲労を溜め込んでいたのだが、意地を張って隠していた。

 

「円堂、全員倒れてしまったら元も子もない。一旦休憩を取って別のメニューに移ろう」

 

鬼道は練習メニューの変更を提案し、ここからは紅白戦へと切り替わった。

その中でも不動のラフプレーが目立ったり、何度も初歩的なミスをする飛鷹、途中で練習を切り上げ帰る虎丸など、チーム全体がまだ纏まっていない。

 

「はぁはぁ……マキあいつ嫌い!」

 

マキが遠くにいる不動のほうを睨みながら花瑞に口をこぼす。

 

「不動さんももっとチームの輪に入ってくれればいいんだけど……」

 

「ムリムリ、あんなやつ輪を乱すだけよ。さっさと緑川辺りと代えた方がいいんじゃない?」

 

 マキが緑川の名を出したのは恐らく誰よりも懸命に特訓しているからだろう。緑川は夜になってもひとりで練習をしていた。オーバーワークになるんじゃないかと心配されている程にだ。その姿勢はかつてマキ自身も花瑞に勝ちたいと猛特訓した経験があるから熱意がよく伝わる。

 練習が終わり夜になり、監督からチームに発表することがあった。

 

「倉掛を一度メンバーから外し、変わりに緑川を起用する」

 

仕方の無いことであった。クララは日中に熱中症になりカタール戦には万全の体調で挑めそうにない。体調が回復したとしても体力的に厳しいのは明白であった。

 

 

 

次の日、豪炎寺は途中で帰宅する虎丸の後を追って練習を途中で切り上げていた。その日は飛鷹も用事があるからと途中で抜けていた。

 

「円堂さん、なかなかチームが纏まらないですね…」

 

「あぁ。でも大丈夫さ! みんな勝ちたいって思いは一緒のはずだからさ」

 

「そうですよねっ! わたし、もう少し練習してきます」

 

「あぁ! 頑張れよ!」

 

円堂は虎丸、豪炎寺のことが気になって仕方がないのか一緒に練習をしたいのは山々なのだが二人を探しにいった。

 日が暮れてだいぶ時間が立つ。花瑞もさすがに切り上げて宿舎に戻っていたが、まだひとり練習をしている者がいる。緑川である。

次の試合で活躍してクララの一回だけの代わりにならないようにしたいため必死なのだ。

 

「精が出るな」

 

「ヒロト……」

 

「だが、あんまり無理すると怪我をする。今日はもう切り上げた方がいい」

 

「いや、俺なんかはもっと努力しないとダメなんだ。元セカンドランクチームの俺なんかは…」

 

「同じ日本代表のユニフォームを着ている。そして監督に選ばれたんだ。そんな人間が極端に劣っているわけないだろう? サッカーを楽しむことを忘れるなよ。緑川」

 

「わかったよ」

 

「さあ、夕食もまだなんだろ? 冷めてるとは思うけど緑川の分は残ってるから早く風呂にはいって食べてきな」

 

「あぁ!」

 

この日、円堂達は虎丸の家庭事情について知ることになった。豪炎寺は虎丸が全力で楽しめるサッカーを出来るようにするために、全力で取り組もうと決意した。




筆者「クララが倒れたから自動的に戻ってきた」

ヒロト「治ったら、また取られるんだろうね」

マキ「クララなら数日中に治るわよ。今のうちに荷物をまとめといたら?」

筆者「立ち退きかよ!?」

マキ「いいじゃない! 前書きにでも引っ越しなさい!」

ヒロト「また随分とめたいことを……まあこの空間がそういうものだから仕方無いか」

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