時間が立つに連れ、ダークエンペラーズが優勢になっていった。
0-2の状況。これ以上の失点は許されない。
しかし、体力を奪われ過ぎた私達は攻撃する余裕もなく、守りに徹するしかなかった。攻めるより、守る方が体力を使う。
「ブリザードキャノン!」
「ゴッドキャッスル!」
蓮くんのシュートは、悔しいけど私一人では止めきれない。
「ムゲンザハンド!」
でも、皆となら止められる。サッカーは一人でやるんじゃない。仲間、皆で戦うスポーツなんだってことを思い出させなきゃ!
「どうした?さっきから防戦一方だな」
蓮くん、何とかして止めないと…
「これで終わりだ!染岡さん!」
染岡さんをマークしていた吹雪さんが、疲労で追いきれてない。
「ワイバーーン!」「ブリザード!」
止めないと!止めないと!
「ゴッドフォートレス!」
ワイバーンは二本のゴッドフラワーによって相殺された。
残る氷も分厚い壁の前に消えた。
「お、俺達のワイバーンブリザードを止めただと…」
あっ、ヤバい…意識が……
再び意識を取り戻したとき、試合は後半に入っていた。
グラウンドを見るとポジションが変わっている。
FW 豪炎寺 吹雪
MF 土門 鬼道 リカ
DF 綱海 小暮 財前 壁山 黒嶋
GK円堂
ベンチ 目金 花瑞 立向居 一ノ瀬
ベンチにいる皆は負傷していた。
グラウンドにいる皆も辛うじて立っていられるだけだった。
「えっと…今の状況は……?」
「目が覚めたか、花瑞君」
雷門中の響監督が私が目覚めたことに気付き声をかけてくれた。
「試合自体は円堂達が踏ん張っているから0-2のままだが…」
「すみません、僕がもっとゴールを守れたら…」
ベンチにいた立向居君の腕は負傷していた。
「前半終了間際、染岡さんが一ノ瀬さんから強引にボールを奪い、そのままワイバーンブリザードを撃って
…一ノ瀬さんは意地でブロックに入った際に負傷してしまい、僕もそのシュートで右腕を痛めてしまい…ゴールに入りそうだったボールは円堂さんが守ってくれました。」
目金さんは交代して間もなく返り討ちにあったらしい。
フィールドを見ると、雷門でまともに動ける人は少なかった。
「さあこい!みんな俺が止めてやる!」
円堂さんがフィールドでそう叫ぶ。
「ふん、やれるもんならやってみろ!ブリザードキャノン!」
「キャプテンだけに負担はかけないっす!ザ・ウォール!」
壁山さんがシュートブロックに入りボールの威力は弱まった。
円堂さんは弱まったボールをゴッドハンドで受け止めた。
正義の鉄拳で弾いても、また取られてしまうからだろうか?
「か、壁山!」
壁山さんが負傷しているのに気が付いた円堂さんは、ボールをサイドラインから出した。
「響監督、私、いけます!」
「本当かね?」
「大丈夫です。体力は充分回復しました。」
響監督は私の目を三秒ほど見つめたあと頷いた。
「選手交代!壁山に代わって亜風炉花瑞!」