デスゾーンを完成させた円堂さん、鬼道さん、黒嶋さんはその日のうちに、デスゾーン2にパワーアップすることに成功しました。
その時、あのボールが空から現れたのです。
「我らはプロミネンスとダイヤモンドダストが合わさった宇宙最強のチーム、カオスだ。雷門よ、我々の挑戦を受けてもらおうか!」
二日後、ここ帝国学園のグラウンドで勝負せよとのこと。勿論断ることの出来ない私達はその挑戦を受けました。
次の日、雷門のグラウンドに移動した私達は立向居さんと綱海さんはムゲンザハンドの完成を、円堂さん、鬼道さん、黒嶋さんはデスゾーン2の最終調整をするため抜け、豪炎寺さんとお兄ちゃんを中心に残ったメンバーで練習をすることになりました。
久し振りに受けたお兄ちゃんのゴッドノウズは私のゴッドフラワーを破り、私の放った女神の逆鱗は小暮君の旋風陣と財前さんのザ・タワーにより防がれてしまった。
やはり今の私は力不足…何をすれば改善されるの?
その後の練習は思うように行かず、その日の練習は終わりました。
その日の夜、お兄ちゃんが私を起こして二人で散歩に行こうと言いました。私はゆっくりお兄ちゃんと話せるかなと思い行くことに決めました。
夜の稲妻町は静かで、人通りも少なく、一人だったらちょっと怖いかもしれません。
「こうやってゆっくり話せる日が来るとは、正直思ってなかったよ。花瑞」
「私も、お父さんとお母さんからお兄ちゃんがいたことを言われるまでそもそも知らなかったしね」
「影山に目をつけられた僕は、影山に着いていくしかなかった。もしあそこで着いていかなかったら僕等は生きていないと思う。結局両親を守ることは出来なかったけど、花瑞、君だけは絶対に守りたい」
若干の回復を見せつつも未だ植物人間のお父さん、実はお兄ちゃんと今日少し病院に行ってきたんです。その時そういわれて希望は見えたのですが、やはりあんなことになったこと事態に責任を感じているみたい。私にだって、むしろ私の方が責任を負うべきなんだろうに。
「それでだ花瑞、今から僕の言うことを守ってほしい」
「何?」
「試合中、感情に支配されるな」
真剣な目だった。思い返すとお兄ちゃんは試合中あまり感情を出さない。
「女神の逆鱗、ポセイドンのゴールから始めて点を奪ったあのシュートは確かに凄い。花瑞が怒っているときはゴッドノウズの1.5倍の威力は出せる。しかし、怒っていない時の威力はゴッドノウズの0.7倍、暗い気持ちの時は0.5倍の威力。波があまりにもある」
実際はお兄ちゃんと私ではキック力に違いがあるから純粋な技の威力ではそれだけの差が生まれているけど、実際は怒っているときの私の女神の逆鱗とお兄ちゃんのゴッドノウズではお兄ちゃんに軍配が上がる。
「花瑞、君ならできるはずだ。そして、神のみぞ知れる領域に触れてほしい」
「神のみぞ知れる領域?」
「そう、そうすればプレーも安定する(花瑞はまだ中学一年生、そんなことはわかっているが、今のままだといつか感情に心を潰されてしまうだろう)」
「わかった。頑張ってみる!」
散歩を終えた私はその日いい夢を見た。
エイリア学園の皆と解り合えて、マキュアちゃん達とサッカーをするそんな夢だった。
もし本当にそうなったらいいな。
二日後、カオスとの試合が始まろうとしていた。
マキュア「良いペース良いペース、そのまま頑張れ頑張れ!」
筆者「出来れば“頑張れ♡”が良いな~」
マキュア「張った押すわよ?」
ヒロト「すぐ調子に乗るんだからこの筆者は全く」