0-1で再び試合再開、ボールを豪炎寺さんに渡した私は豪炎寺さんと反対となる右側から敵陣に攻めこんだ。
豪炎寺さんがやや遠距離から爆熱ストームを放った。相手のGKはアイスブロックという必殺技で軽々と止めた。
止めたボールを私に渡してきた。なんか、デザームと似たようなことをしてくる…
「女神の逆鱗!」
「アイスブロック」
私のシュートも軽々と止められてしまった、相手のDF(クララ)に渡されたボールをゴッドルーツで何とかカットしたとき、ボールは勢いよくコートの外に飛び出してしまった。
攻撃も守備もダメ…こんなんじゃ私皆の力になれない…
ボールを拾いに行こうとした時、そのボールは勝手にコートに帰ってきた。
不思議に思いボールが帰ってきた方向を見たとき、思いがけない人物がそこに立っていた。
「お兄ちゃん!?」
「久しぶりだね、花瑞、そして雷門中」
私の兄、亜風炉照美。通称アフロディ。
かつてフットボールフロンティアで神のアクアというドーピングを行った世宇子中のキャプテン。
本当は影山の手により幼いときに拉致された被害者。
フットボールフロンティアの後、もう会えないかと思っていた兄が、今目の前に現れたのである。
「何しに来たんだアフロディ!」
円堂さんが珍しく攻撃的な口調で話しかける。
「僕は、君達と共に戦いに来たんだ」
お兄ちゃんから放たれたその言葉により、雷門中初期メンバーと私に衝撃が走った。
「俺達がお前を信用出来ると思うのか?」
鬼道さんもお兄ちゃんに良い印象を持っていないらしい。私は鬼道さんとお兄ちゃんの間に入った。
「鬼道さん、みなさんもどうかお兄ちゃんを信じてあげてください!お兄ちゃんだって、元はといえば影山が…」
「心配すんな花瑞、俺はアフロディを信じるぜ!」
円堂さんがそう言うと、皆も納得してくれた。
FW 豪炎寺 アフロディ
MF 土門 鬼道 一之瀬 綱海
DF 財前 花瑞 壁山 黒嶋
GK 円堂
ベンチ 目金 小暮 吹雪 リカ 立向居
フォーメーションを上のものに改めて試合は再開した。
ダイヤモンドダストはスローインから左サイドに攻め込んできた。しかしこれを土門さんがボルケイノカットで防いだ。その時お兄ちゃんはフリーになっていた。私は土門さんがパスを出すと思っていたのだけど、土門さんはパスを一瞬躊躇い、その隙にボールを奪われてしまった。
一ノ瀬さんも、フレイムダンスでボールを奪うもマークの厳しい豪炎寺さんの方にパスを出した。
やっぱり最初からいる雷門中皆はまだお兄ちゃんを信用しきれてないみたい。
いくら豪炎寺さんでもマークの厳しい状態では満足にボールをキープできず、奪われたボールはガゼルに回った。
ディフェンスの中央の私は再びガゼルと対決することになった。今度は負けません!
「ゴッドルーツ!」
ガゼルは数本の根を回避したが、ボールが一本の根に当たり綱海さんの方に転がっていった。
「やらせるか!」
ガゼル自身は根にやられなかっため、即座に転がったボールを追い掛けた。
正直に言うと噛み合っていない今の雷門のリズムを、綱海さんは変えてくれた。
ようやく、お兄ちゃんにパスが通ったのだ。海よりも心の広い男は、どんな悪い流れも変えてくれるようです。
お兄ちゃんは得意のヘブンズタイムで敵を寄せ付けず、豪炎寺さんとのワンツーパスまで決めて、あの時を遥かに凌駕する威力のゴッドノウズを放ち、試合を振り出しに戻してくれた。
やっぱり、お兄ちゃんは凄い人です
マキュア「風邪引いたんだって?」
筆者「うん」
マキュア「こんなことしてないで寝てなさいよ!」
ヒロト「あれ?いつもとなんか違うな」