私は今まででも一二を争うほど怒っている。
吹雪さんをここまで苦しめたんだ、デザームあなたを許さない!
「女神の逆鱗!」
吹雪さんの仇だ!
「ドリルスマッシャー!」
届け!ゴールに届いてぇ!
「花瑞渾身の女神の逆鱗!しかしデザームのドリルスマッシャーを破れなかったぁぁ!」
「そん…な…」
「花瑞ショックで立ち上がれない!」
私じゃ力不足なの?吹雪さんの仇は取れないの?
「デザーム今度は一之瀬にボールを渡した!そして一之瀬のシュートも止めたぁ!」
私の全力なのに…私じゃ、私じゃ力不足なんだ…
「いつまでそこで落ち込んでる気なの?」
この声は…
「マキュア?」
「私は貴女にリベンジするため、その気持ちだけでここまで強くなったの!それなのにあんたが全力出せないなんて、そんなのマキュア認めない!」
まさか敵チームの選手に元気付けられるとは…
「わかりました、私は私の出来ることを全力でやります。今度は抜かせないよ」
「そうこなくっちゃ、ウジウジしてるあんたはマキュア嫌いよ!」
コートを見渡すと、ボールはデザームが持っていた。
デザームはそのボールをサイドラインから出しポジションチェンジを審判の古株さんに伝えた。
「いいか円堂守!この試合、最初に点を取るのはこの私だ!」
GKはガイアブレイクのメンバーでガニメデプロトンも使うゼルが入った。
さあ、デザームはフィールドプレイヤーとしても強いのか?あれだけの自信だ、下手したらマキュアより強い。
予想は当たっていた。
メテオシャワーで一之瀬さんと鬼道さんを突破した後、突然地面の中にデザームが消えたかと思ったらボールが上からシュートされていたのだ。グングニルと言うその技は意図も容易く正義の鉄拳を破りゴールネットに突き刺さった。
「ゴーール!先制点はイプシロン改です!」
試合再開、リカさんにボールを渡すと同時にリカさんが吹っ飛んだ。
デザームがボールを奪っていた。
「グングニル!」
初見だった先程とは違い準備が出来たDFの壁山さんと財前さんがザ・タワーとザ・ウォールでシュートのパワーダウンをし、正義の鉄拳で威力の落ちたグングニルを弾いた。
しかしボールが地面につく前にマキュアがボールを取った。
「ガイアブレイクミドル!」
「正義の…」
円堂さんは体制が整わず二点目を奪われた。
これ以上点を取られたら勝ち目が無くなる。
雷門のポジションが変わり
FW リカ
MF 一之瀬 鬼道 立向居
DF土門 財前 花瑞 壁山 小暮 綱海
GK円堂
ベンチ 目金
と言う普通あり得ない超ディフェンス型に変わった。
デザームのメテオシャワーをゴッドルーツで耐え凌ぎボールを奪い、前衛に回そうとすればマキュアがカット、ガイアブレイクミドルをゴッドフラワーでシュートブロックし、サイドバックの綱海さんにパスを出し辛うじて前衛に回したがイプシロン改のDF陣を崩せない。
チーム全体の体力が残り少ない。
防戦一方の私達は消耗しきっていた。
メテオシャワーは異常なほど体力を奪い、小暮君が立てないでいる。
MF、FWもゴール前に駆け付けて失点だけはしないようにしている。
「グングニル!」
今度のグングニルは一之瀬さんとリカさんが円堂さんを後ろから支え、土門さんのボルケイノカットによるパワーダウンで防いだ。
五分後、立っているのは私と円堂さんだけ。
マキュアが攻めてきた。
「サザンクロスカット!」
あれを、あれを攻略するには何が必要なの!
「ゴッドルーツ!きゃぁぁぁ!」
「いただき!ガイアブレイクミドル!」
円堂さんの今の体力じゃ止められない!
「たぁぁぁ!正義の鉄拳!」
防いだ。そうだよね、この根性と熱血が円堂守。雷門中のキャプテンなんだもん。
弾いたボールはデザームの元に。
「グングニル!」
「正義の鉄拳!うわぁぁ!」
まずい!入っちゃう!
「させるかぁぁぁ!」
「おおっと!倒れていた綱海が横っ飛びファインセーブ!しかしこれで本当に立てそうにもない!」
「綱海さん!」
「前見ろ花瑞!次来るぞ!」
「グングニル!」
「ゴッドフラワー!」
威力は抑えたけど、円堂さんお願いします!
「正義の鉄拳っ!」
弾いたボールはマキュアに、そして私の前にマキュアは来た。
「これで決着よ!サザンクロスカット!」
理屈なんて要らないのかもしれない。熱血、根性。たまには頼っていいよね?
「ゴッドフラワー!」
耐えてみせる!ここで耐えないと、前半終了前に希望が無くなる!
「おおっと花瑞、先程破られたゴッドフラワーで防ぎました。」
「甘いぞ!」
「しかしデザームがすかさずボールを奪ったぁ!」
しまった!私は間に合わない!
「終わりだ雷門!グングニル!」
「てやぁぁぁ!正義の鉄拳っうわぁぁ!」
その時、一人の男が顔面ファインセーブをしたのを私は見た。
「土門さん!!」
「へへ、花瑞は知らない話だが昔もやったことあるし馴れてるさ」
ここで長い長い前半が終わった。
0-2
立てるのは、私と円堂さん、目金さんだけ。
黒嶋side
この試合を観戦している黒嶋さんはオレンジのパーカーを来ている男に話しかける。
「そろそろ、準備が出来たみたいだぜ」
「そうか?今まで本当にすまなかった」
「お別れみたいに言うなよ、俺も行くんだ」
そうさ、俺は雷電さんに助けられたように自分も人助けがしたいだけさ。
筆者「マキュア怒ってる?」
マキュア「怒って無いよ?」
筆者「ほんとに?」
マキュア「怒って無いよ?ってかちょっと何少し古いこと言わせてるの!」
筆者「えいえい!怒った?」
マキュア「ガイアブレイクミドル!」
筆者「いやぁぁぁ!」
ヒロト「時代をひとつ遅れて乗るこの筆者をお許しください」