アフロディに妹がいた!?   作:ゆーこー

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筆者「昨日の投稿は出してすぐ感想来たからびっくりした」

マキ「やっぱ2000文字くらいだとあれくらいで詠めるのかしらね」

筆者「まあ読みなれてるならそんなものなんだろうなやはり」

ヒロト「筆者もその気になれば5000文字/10分くらいだもんね」

マキ「ってことは毎話みんな数分で読み終わってたり?」

ヒロト「するかもね」

マキ「筆者! 毎日一万文字投稿しろ!」

筆者「無茶言うなよ! その半分も毎日はきついわ!」


ラグナログの生き残り参戦! ダイスケの意思を継ぐ者

「ふふ、アハハ! この声……あの雑魚か!」

 

エリカはその声を聞いて額に手を当てて高らかに笑いだした。

 

 

「あぁ…はいはい。この人ですか。まあ、知ってますよ。ええ」

 

ベータもそれほど期待してないような様子でその人物の方を見ていた。

そんな登場前の低い期待値ではあるがその男は特徴的なブロッコリーのシルエットを露にする。

 

「雷門中ゴールキーパー三国太一。微力ながらキーパーとして使ってください!」

 

「まあ、二試合目でルジクもダメになってますし彼しか生き残ってませんからねぇ……花瑞さん、任せますよ」

 

「助けてくれるなら是非おねがいします! 天馬君のチームメイトかな?」

 

「はい! 俺は二個上ですがお世話になってます。それに吉良っと……亜風炉花瑞さんには臨時コーチとして実は未来でお世話になってます」

 

「わ、私が臨時コーチ? そ、想像もつかないなぁ」

 

「いえいえ、お陰で雷門のディフェンス陣が強化されたんです。どうかここでも恩返しをさせてください!」

 

「う~ん未来の私のことまではわからないけど、その気持ち受け取るね。ゴールをおねがい」

 

「はい!」

 

三国が意気揚々とゴールに着く。花瑞からすれば知っているのは一回戦で彼がゴッドハンドXを使っていたことと今言われたことだけ。それでも彼の目に嘘は無く、また天馬の先輩でありこの戦いに出ていたことからも花瑞が彼を疑う理由などひとつもなかった。

問題は守備力である。ロココと比べて彼がどれだけのパフォーマンスを発揮できるかは正直未知数。ベータからは今までより守りは手厚くと念押しされた。

ドタバタしてしまったがやっと試合が再開。ただしボールはすぐにエリカが奪う。相当なめられているのかそのままシュートを放つ。

 

「天界落とし!」

 

「虚空の女神アテナ! たぁぁ!」「ゴッドフラワーG5!」「ラ·フラム!」「ウォーターフォール!」

 

四人でボールに勢いを削いで三国に託される。

 

「絶ゴッドハンドX! よし!」

 

味方のフォローもあり三国がっちりキャッチ。最後のバックアップに回ろうとしていた黒嶋がそのままボールを受け取りカウンターに入る。

 

「私がキーパーになっていたら多分無理だったな、助かった」

 

クララも今のシュートがもし自分の抜けたシュートブロックからのキーパーとして止めるといつシチュエーションだったら無理だろうと判断して彼の実力を認める。

 

「ヒロト、アフロディ!」

 

黒嶋から今度は直接パスが通る。

 

 

「ザ·バース!」

 

 

「ふほ、ゴッドフォートレス!」

 

今度はいつぞやに花瑞が出した高威力だが体力の消耗も激しいキーパー限定の大技をエリカが使用してきた。ただし見た目は禍々しい。ゴール全体にトゲトゲとした植物が巻き付いてゴールの上に花を咲かせてる。ザ·バースはこれを前に破れた。

 

「やはりまだ必殺技があったか」

 

「何とか同点までは花瑞を守りに専念させたいところだが、いけるかいヒロト君」

 

「やるしかありませんよね?」

 

「ふふ、そうだとも」

 

エリカの攻撃が始まる。今度は手加減なしのアームド状態で最初から動き出す。

 

「花瑞さん! 前に出てきて一緒に止めてください!」

 

「わかった! ベータちゃんは先にアームドを!」

 

「二人だけでは無理だ! 私も手伝う!」

 

八神も加わり三人、更に荒城も何か出来ることはないかと参戦する。

 

「さぁて、次は誰が耐えられないかなぁ?」

 

身体を壊すためにあえて直接のぶつかり合いで挑んでくる。八神はグラビティションで少しでも行動を制限させようとするがやはり大した変化は見られない。

 

「はぁぁぁ! おら荒城ぃ! 衝撃波で吹っ飛ばされたりすんなよ! いくぞぉ!」

 

「ったく、ベータちゃんの本性がこんなに荒々しいとは!」

 

「二人とも、耐えて!」

 

三人でボールを蹴って止めようとするがエリカの力が上回る。このままでは……負ける。

 

「エリカちゃん、次こそは教えてくれる? 私が憎いのは何故?」

 

「まだ言うか! しつこい! お前は仲間に恵まれてるから……同じように力を持っているのになんで私だけ独りなんだよぉぉ!」

 

「それが、答……きゃぁぁ!」

 

エリカの力が余ったのかボールは花瑞達を吹っ飛ばしたあとゴールの上空にソニックブームを巻き起こしながら消えていった。

 

「はぁはぁ…‥答えてくれてありがとう。エリカちゃんのことが少しずつわかってきたよ」

 

「何故私にちゃんなんてつける! 何故感謝する! 訳がわからない! 何なんだ本当に!」

 

「何って言われても……会話かな? コミュニケーションだよ。私はエリカちゃんのことが知りたい。だから気になってることを聞いてるだけだよ?」

 

「コミュニケーションだと…? 世界を賭けている敵だぞ私は!」

 

「確かにそれはそうだし重大だけど、エリカちゃんがどうしてそう思っているかとか、そういうのを知らないと私はダメだと思うの」

 

「訳がわからん……」

 

何故ここまで自分のことを知ろうとするのか、何故相手にここまでするのか。理解ができない。エリカには花瑞の気持ちが理解できない。花瑞に自分の孤独が理解できないと言った自分も花瑞の気持ちなどわからなかった。

 

「お前に……孤独を感じたことはあるのか?」

 

エリカは自分の口からそれが出ていたことに気付いて驚いた。何故質問した。そう考えている間に花瑞が応えた。

 

「そうだね……エイリア学園との戦いのとき、エリカちゃんが言ってたところだね。私も病んじゃったし絶望してた。そのまんま捕まっちゃったときは孤独感に襲われた。本当は自分のことを心配してくれる人がいてくれるのに、気付けなくなってた」

 

「ふぅん……でもわたしは違う。そんな相手はいない」

 

「そうかな? 私はエリカちゃんのことも平和に済ませたいと思ってるんだけどな」

 

「嘘だ! そうか、そうやってわたしの心を動揺させて騙そうって訳だな! 恐ろしい女だ! そうやって人を惑わして引き連れてるだけだ!」

 

エリカは自分を気にかけているようなことを言う花瑞に反射的に拒絶反応を示して根拠のない自分にとって許しがたい敵であるように花瑞を写す言葉を投げ掛けて一歩後ずさりする。

 

「やれやれ、このアホみたいに優しい彼女がそんな人にほんとに見えてるんですかねぇ? 消し去ろうとした私にも手を差しのべてくれた本物のお人好しですよ?」

 

ベータが対話に加わって花瑞を助ける。本人が言っても信用ならない言葉も他の人から言うならば少しは信頼できるだろうと思ったからだ。

 

「お人好しなんてそんなことないよ、ただ心配でわたしにできることがあるなら手助けしたいってだけで」

 

「それをお人好しって言うんです~」

 

両手を大きく振って否定する花瑞にベータは腰に手を当てて上目使いで距離を詰める。

 

「馬鹿馬鹿しい! 試合を再開するぞ!」

 

エリカは既にゴールキックの準備を済ませている三国を見てそのまま花瑞のマークについた。

 

「私は認めない。 この世は食うか食われるか、利用するかされるか、王になるか奴隷になるか、そういうものだ。何のメリットもなく助けるなんてするものか」

 

「エリカちゃん、ずっと独りだったんでしょ?」

 

「っ! そうか、お前は哀れんでるんだな! 誰からも愛されず、力だけを求められ、力のせいで独りになった私を!」

 

「哀れんでなんかない。でも、私はエリカちゃんを助けたい」

 

会話はここで途切れた。ボールが動き出したからだ。今はエリカ達相手にアフロディがボールをキープして進んでいる。

 

「偽善者の兄め! 兄妹まとめて消えろ!」

 

「例え偽善でも救われる人がいるなら僕は肯定する。 僕は花瑞の行いは正しいと信じている。真ヘブンズタイム!」

 

アフロディからマキにボールが繋がる。本体の動揺がそのまま現れているかのようにデュブリのエリカが苛立った顔で立ち塞がる。

 

「動揺してるの? 自分の心に素直になればいいのに」

 

「黙れ! お前らこそ外面はそうしてるが中では悪巧みしているんだろう!?」

 

「そんなわけないでしょうが! マキは欲望に忠実なタイプなの!全部言葉に出すくらいにはね! 今のマキはあんたを突破したい!」

 

マキはそういって技も使わずに追い抜くことに成功した。そしてヒロトへパスを出す。

 

「下心から花瑞に近付いた男が善人を気取れるわけ?」

 

「下心は心外だな。俺は花瑞が好きなだけだ。それを行動に示したまでさ。君はどうなんだい?」

 

「私はお前らが憎い! それを行動で示してる!」

 

「そうか。なら、これが通るのはどうしてかな?」

 

ヒロトは後方上空にボールを上げる。先程までのエリカ達なら先に反応して奪えただろう。だが一歩反応が遅れた隙に完璧なタイミングで入っていたベータがボールを受けとった。

 

「さぁて、そろそろ同点にしたいですよね。私に力を貸してくれる人このボールに集まってくださ~い」

 

八神がエリカ達の合間を抜けて合流する。俊足の黒嶋も加わり三人がシュート態勢に入った。

 

「さぁて、何を使います?」

 

「メンバーがバラバラだからな」

 

「デスゾーン2でどうだ。俺はやったことがあるしやれるはずさ」

 

「OKです、いきますよ!」

 

三人がそれぞれ自由に回転して力をボールに集める。

 

「よし、いくぞ!」

 

黒嶋の掛け声でボールを蹴るために三人がボールに向かって飛ぶ。

 

「「「デスゾーン2!!」」」

 

「ゴッドフォートレス!」

「残念、こちらの勝ちね」

 

「まだだ! ブリザードキャノンV4!」

 

ダメ押しで荒城が要塞に衝突しているボールを押し込む。このひと押しでギリギリ力が勝ったことで同点ゴールになった。

 

「あ~あ、いいとこ取られちゃいました」

 

「皆さんのお陰っすよ! これはみんなのゴールです!」

 

「おう、誰か一人欠けたら入らなかった皆のゴールだな」

 

荒城の言葉に賛同して黒嶋が荒城の背中を叩く。その頃、エリカは同点ゴールなど気にしておらず謎の鼓動の高まりに困惑していた。

 

 

「ちぃ……なんなのこの気持ちは」

 

胸に手を当てると走っているからという理由だけではない速い鼓動を感じる。どこか締め付けられるような切ない気持ち。エリカはそれも知らなかった。




ベータ「いや~まさかあのブロッコリー頭があんな堂々と助けに来た!って感じで出てくるなんて」

クララ「いや、普通に優秀な気がしたが」

ベータ「時代的に化身無しキーパーは人権ありませんから」

クララ「あー、ソシャゲの人権キャラみたいな感じか。最低ラインに立ててないと」

ベータ「ソシャゲの人権と違って化身は借りられませんからねぇ」

杏「いや人権を借りるってなんだよ」

クララ「人権を借りるってことだよ」

杏「いや人権は全人類に平等に与えられてるもんじゃ」

クララ「物の例えだ、気付け」

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