マキ「終盤キャンペーンでその土下座の背後からグングニルで許してあげるわよ」
筆者「ちょ、待て。それむしろ痛そうなんだけど…ねぇ、その角度絶対あれだよね!? けつなあな…」
マキ「グングニル!」
筆者「確定じゃねぇぇかぁぁ!」
ヒロト「ネタの鮮度が非常に悪い」
後半戦が開始する頃にはこの試合の前に傷付いた天馬達も治療が済み、この決戦を全員が見届けることができた。円堂も鬼道も豪炎寺も大介もだ。
「これが花瑞の選んだメンバーというわけか。面白い」
鬼道はその懐かしい姿の面々を見て当時の記憶が甦る。
「まさに対となるチームだな」
豪炎寺はエリカ軍団と比較して簡潔に感想を述べ、鬼道がそれに付け加える。
「強い絆で結ばれたチーム。そしてある意味それが一番強く示されているのは荒城とロココかもしれんな」
二人は敵としても味方としても戦ったことがない。さらに言ってしまえばロココにとっては荒城は初対面であった。
だがそれでも、花瑞が信頼を寄せる人物ならば間違いないだろう。
それだけの理由で彼らは共に戦えている。
ただし試合展開は後半に入ってもエリカ優勢である。いくら身体が回復しても元の実力差が覆るわけはない。だが前半の最初に比べればベータのゴーストミキシマックスを踏まえても明らかに全員がエリカの動きに対応しはじめていた。
目は既にエリカの動きを捉えられるようになり後は身体がどれだけついてこられるか、ゴーストミキシマックスを踏まえてもそれが至難の技であった。
「スーパーノヴァ!」
八神を中心としたヒロト、マキとのスーパーノヴァを打てるチャンスを作り出すがこれもジ・エンドを破ることはできなかった。
「あれもダメなんて!」
「あぁ、だがいい感じだ。このままいこう」
ヒロトも少しずつ手応えを感じている。最初が10対0の比率だったとしたら前半で8対2にひっくり返して、今は7対3くらいまでは巻き返しているというのがヒロトの感覚であり願いでもある。
これを試合終了までに戦力で6対4の比率くらいに巻き返して尚且つ現在なら三点を取り返さねばならない。状況の改善よりも先に試合が終わってしまいそうだ。
「さて、そろそろいいかしら?」
本体のエリカが軽々とヒロト達を抜き去りベータも力で突破する。
花瑞が既に化身アームドをして接近に備え、あえて身体と身体をぶつける形でボールを奪いにいく。
「今度こそ話して欲しいな。何で私が憎いのか」
「しつこいわねぇぇ! そんな明るい顔で私を見るな!」
エリカはジャッジスルー2を放って花瑞の腹にこれでもかというほどに蹴りを入れ、とどめの一撃で吹っ飛ばす。
「ぐふっ…」
「花瑞っ!」
クララと杏が着地点に回り込んで受け止め、花瑞はすぐに立ち上がる。
「お前だって絶望を知ってるだろう! なのに、なのになんでそんな目ができる! 気持ち悪いんだよ!」
花瑞の目は輝いていた。人を信じている目だ。それは仲間だけでなくエリカにも向けられていた。そんな目で見られたことがエリカにはない。故にその目は彼女にとってとても不気味であった。
「すごいね……ふぅ、はぁ、過去の私たちのことも見ることができるの?」
「あぁそうだよ! 私は過去を見れる! 別世界線に飛べる! そして世界の破壊だってできる! お前らの人に知られたくないこたも全部見れる! どうだ、軽蔑しろよ!」
「ううん、今のでひとつの答えが埋まった。ありがとう、教えてくれて」
変わらずに輝いた瞳で見続け更にはありがとう等とほざく花瑞にエリカの感情が掻き乱される。どす黒い羽を生やしてエリカが飛ぶ。
「消し飛べ! 破壊天使の逆鱗!」
「ゴッドフラワーG5!」「ラ·フラム!」「ウォーターフォール!」
三人の全力でも止められない、威力は落ちてもまだまだ殺人的な威力を保っている。
「烈風ブラスト!」
黒嶋がシュートコースに割り込みシュート技で押し返そうとするがそれでも止められない。
「このシュートは絶対止める! 皆の頑張りに俺も答える! タマシイザハンドGX! うおおぉぉぉ!」
まさに魂からの叫び、渾身の力を振り絞りシュートを止める。
「なっ、まさか」
「はぁはぁ……とめ、たぞ……」
ロココは片膝立ちになりながらもボールを掴んだ。
「ロココさん!」
「心配するよりボールを貰うんだ! あいつの頑張りが無駄になるぞ!」
ベータは心配する花瑞に優先順位を伝える。ボール事態は黒嶋がフォローして受け取った。
「このボール、絶対無駄にはしない」
ボールを黒嶋が受け取って走り去る背中を見て安心したロココはその場に力無くうつ伏せに倒れてしまった。
「世界最高峰のゴールキーパーが、命懸けでやっと止められたシュートだ。僕達もそれに答える義務がある、そうだろう? ヒロト君」
「あぁ、アフロディさん。 黒嶋さん! 俺たちにボールを回してくれ!」
「おぅ!」
「そう簡単に行かせないわよ」
エリカ二人が行く手を挟むがそれならばと八神にパスを出しそこからヒロトに繋げた。二人はディフェンス陣をアフロディのヘブンズタイムで躱してシュート態勢に突入。仁王立ちで二人が肩を並べて立った。
「「はぁぁぁぁ! ザ・バース!!」」
「ジ・エンド……!」
アフロディとヒロトの渾身の一撃がエリカの力を上回った。2-3と一点差に巻き返した。
だが手放しに喜ぶことはできなかった。ロココが、ロココが意識を失ってしまいもう試合に出れそうにはなかった。
「ロココさん……そんな」
花瑞はまさに魂を削ってゴールを守ってくれたロココを自ら担架で運んだ。
「ありがとうございます……ロココさん」
涙を溢しながら感謝を伝えフィールドに戻る。
「……さて、キーバーはどうする。私がいくしかないか?」
クララは残りのメンバーに確認をする。
「そうですね……エリカによって蹴散らされた時空最強イレブンのキーパーもまだ回復してませんし……」
ベータも已む無しと言った感じだ。困り顔で右手人差し指をほっぺに当ててもう片方の左手でその肘を掴んで考えている。
「待ってくれ! 俺が、俺がまだいる!」
コートの外、誰かの声が響き渡る。
花瑞はその声の主を知らない。果たして誰なのか。
クララ「あの孤独なシルエットは…」
杏「いや、孤独ではないだろ! 多分」
ベータ「まあ私は知ってますねぇ…確かにある意味孤独な戦いをしてそう……かもしれませんね」
クララ「辛辣だが強いのかそいつ?」
ベータ「まあ、クララさんがキーパーになってしまう方が戦略的には損失がでかい程度には優秀かと」
八神「なんだろう、嫌な予感がする」