ヒロト「前置きみたいなものだからね」
マキ「前置きにしては長くない?」
筆者「最後の決戦だからな」
「さぁ、みんな集まりましたね。早速ではありますが未来に行きますので皆さん私に触れてください」
ベータに全員が触れたのを確認すると転送装置を起動させ、あっという間に未来へと移動した。
「ん、ここは?」
花瑞達が到着したのは暗い部屋に浮き出たディスプレイを眺める大人達が何人もいる部屋。そのど真ん中に自分達がいた。
「ようこそ、私はプロトコルオメガを率いているトウドウ·ヘイキチだ」
「なんだ、把握済みなのか。いや、見てたのか」
「その通り。クララくんはデータ通り理解力があるようだ」
「おいおい、この時代に児童保護法や盗撮に関する法律は消されちまったのか? 大人達が私達のプライベートを覗いてたらしいぞ」
クララがちょっと大袈裟にそうアピールして大人の様子をみる。
「安心したまえ、見ていたのは試合や練習風景だけだ」
「よかったな杏、お前の夜の恥ずかしいところは覗かれてないってさ」
「誰がそんなことするか!! それにそうだとしたらお前が知ってたらお前も覗き魔だろ!」
「むっつりスケベな杏のことだからきっとそうだろうとな」
「誰がむっつりスケベだ!」
「さて、本題に入っていいぞ」
「あ、こら。無視するな!」
クララがシリアスな空気になりそうと察知して即座に作ったコミカル空気は結局すぐに元通りになる。
「もぉ、クララさんが話乱すから久々に帰ってこれた私への出迎えとかなくなっちゃうじゃないですか~。兎に角今日はここにいる人以外に見つからないで会場入りしますから」
「ここにいる方以外は事情をしらないのかい?」
アフロディがクララがボケる暇を与えずに切り込む。
「あぁ、他にもラグナロクを戦う選手はいるが彼らは君たちのことを知らない。言うならば君たちは隠し球だ」
そう、このことを知るのは一部の人間のみ。この後フェーダと戦う松風天馬達はこの事を知らない。唯一知っているのはもう一人のベータだけである。
「さて、会場もできたころでしょうし行きましょうか」
「会場ができる? 新設なの?」
「はい、あいつらの超能力でこの基地が作り替えられるのでそろそろ避難しますよ~」
少し離れたところにワープさせられ、先程まで自分達がいた建物が瓦礫となり、それが再び建造物に変わるところを目撃させられた。
「あ、あんなのと戦うのかよ!」
荒城はその異次元ぶりに圧倒され腰を抜かす。
「へっ! 面白いじゃない。どんな相手でもマキ達が負けるはずない」
「……まあとりあえずバレないように中に入って試合の観戦をしましょう」
杏「はぁ……驚いた」
ベータ「あらあら、やはり図星でしたか?」
杏「なっ!? ノーコメントだ」
ベータ「クララさんは洞察力高いですしちょっとしたことでバレてたり……?」
杏「ひとがやましいことしてる前提で話すな!」
八神「お前ら……終わりが近いからと色々自由だな。いや、もう三年生だからな……そんなものか」