アフロディに妹がいた!?   作:ゆーこー

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マキ「2日1回のペースになっていることについて何か真っ当でマキが納得するような説明はできるかしら?」

筆者「ワークライフバランス強化のために……」

マキ「これはどっちよ!」

筆者「ライフ!」

マキ「ワーク減らせ!」

筆者「できるわけねぇだろが!」

マキ「メテオシャワー!」

筆者「おま次の台詞のノリでうつなぎぃやぁぁぁぁ!」

ヒロト「えっと、俺の出る幕…… あー、今回もよろしく」


花焼き尽くす業火

 花瑞、クララ、杏、黒岩の必死の守りで何とか失点を防いでいる鬼怒川ではあったが、前半からほとんど守ってばかりで疲労も溜まる一方だ。

 

「花瑞……こんなの続けててもジリ貧だぞ」

 

クララは汗を腕で拭いながら花瑞に話しかけた。

 

「わかってるけど……どうする?」

 

「やられる前に絶つしかない」

 

 

「染岡13、ヒロト4、虎丸7、豪炎寺8、半田3、松野3、鬼道7、風丸6……むぅ」

 

「ベータ先輩…あの、先程から何を呟いてるんですか?」

 

ベンチでこの試合の記録を見ながら独り言の激しいベータに後輩である星原が恐る恐る尋ねる。

 

「気付きませんか? この試合のシュート数ですよ。エースストライカーである豪炎寺やヒロトのシュート数がこれまでの試合でのデータから考えると明らかに少なくて他の選手のシュートが多い」

 

「それってどういうことになるんですか?」

 

「勿論なにか企んでるんでしょ、それが何かはあの天才ゲームメーカーにでも聞いてみないとわかりませんが」

 

ベータは鬼道の方に視線を向ける。

 

「そろそろだな……一気に攻めるぞ!」

 

ボールを持っていた風丸が一度ボールを鬼道の声でボールを彼に渡す。すると鬼道はあっという間にフィールドを自由に操り理想の形へと変えていった。

 

「これは……!」

 

ベータが気付いたときにはもう遅い。攻撃とて疲れはするもの。だからこそ彼らは身体を暖める程度にとどめて相手が十分に疲れるのを待っていた。確実に一点を奪うために。

 

「「「グランドファイアG5!!」」」

 

ヒロト、虎丸、豪炎寺の放つ業火がフィールドを焼きながら襲い掛かる。

 

「はぁはぁ………ゴッドフラワーG5! っ~~くうゎ!」

 

化身を出したままのゴッドフラワーをあっという間に焼き付くしてまだ威力は衰えない。

 

「ウォーターフォール! …おいおい」

 

クララも止められない。杏は鬼道の戦略の中でこの守りに入り込めなかった。

 

「だ、ダブルロケット! ぐぉ……」

 

痛恨の一点であった。次の一点を容易にする最初の一点であった。

 

「まずい、後ろはみんな疲れてる……マキ、荒城、頼みがある」

 

令戸は二人を集めてコソコソと話をする。

 

「まあ、仕方無いわね。 気に入らないけど」

 

「さっきまで俺たちなにもできてないわけだしそれくらいしないとな!」

 

どうやらFW、MFで行うつもりのようだが果たして通用するのか不安な中試合が再開された。

 

「メテオシャワーV3!」

 

マキがいつも通りの動きをしたかと思えばあまり深くに攻め込まない。やや中盤深めの位置くらいで荒城にパスを出したかと思えば荒城も明へ、明は令戸へ、そして笑太、マキへとパスを繋ぐ。

 

「単純な手だ。 栗松!半田!風丸!松野! それぞれマークにつくんだ!」

 

 

「まあ、そりゃそうなるわよね」

 

マキは鬼道とボールを巡って激しいやりとりを繰り返す。荒城には風丸、令戸に松野、明に半田、笑太に栗松とどの組み合わせも雷門側が実力的には上回る組み合わせだ。

 

「結局マキがやるしかないじゃない! メテオシャワーV3!」

 

マキが後方を伺うと少しだけ息をつけたディフェンス陣の姿が見えた。が、この程度しかまだ回復できていないのだとマキはまだこの役割を強いられる。

 

「ほら荒城! あんただけでもなんとか出なさいよ!」

 

「んなこと言っても足の速い風丸さんだぜ!?」

 

「足の速さなら私も負けない!」

 

一年、岸川が荒城より前に出てパスコースを作り出す。

 

「ふん、ちゃんとマキのパス受け取りなさいよ? そら!」

 

マキが力強くパスを出す。

 

「くっ間に合え!」

 

風丸が後を追うが岸川も中々に速かった。少しずつ距離は詰められたがボールが渡る方が早かった。

 

「荒城先輩!」

 

そして風丸が到着するまえに思い切り荒城にパスを出す。

 

「よし! 受け取ったぜ!」

 

 

「へぇ、一年生だけど結構頑張りますねぇ…」

 

ベータがまるで敵みたいな口ぶりで岸川の小さな活躍を褒める。

だが彼女がパスの選択肢に加わることで最後の一枚である壁山を向かわせるか豪炎寺達の誰かを参加させなければならなくなる。

鬼道の選択は……

 

「染岡! 松野の代わりにマークにつけ! 松野は荒城だ! 風丸は岸川に着け!」

 

「おう!」

 

 

グランドファイア組は攻撃にすぐ移れるよう温存しつつボールを奪いにくる算段だ。

 

「このまんまじゃ取られちまうぅ!」

 

松野と一対一で奪い合いを続ける荒城は実力が拮抗しているようで決着が着かない。

ワタワタしていたが何とか松野を躱している間に後方の息はだいぶ整ったようで変わりに荒城が疲れている。

 

「はぁはぁ、撒いてもパスコースねぇしどうすんだよこれ!」

 

「攻めていいぞ! 任せた!」

 

「任せるなよ令戸ぉぉぉ!」

 

荒城はそのまま相手ゴールに向かって進むが壁山が立ち塞がる。

 

「いせないっす! ザ·マウンテンV3!」

 

「ええい、くらええぇぇ! ブリザードキャノンV3!」

 

完全に勢い巻かせになっているようだが荒城の放った一撃は壁山の技を破れなかった。

 

「やったっす!」

 

「気を付けろ! マキが来てるぞ!」

 

「もらったぁぁ!」

 

マキがスライディングを喰らわせてボールを奪おうとしたが、ボールはコートの外に出てしまった。

 

「ちっ」

 

マキが舌打ちをするが令戸は急いで花瑞に前に出てもらうよう頼んだ。

 

「これ最初のチャンスなんじゃないか? マキ、荒城は花瑞がボールを取ってくれたらそのままザ·ギャラクシーで頼む」

 

「なるほどね、任せなさい」

 

半田のスローインからマックスが受け取るが花瑞がゴッドルーツでボールを得た。

 

「マキちゃん! 蓮君! いくよ!」

 

「来なさい!」「任せろ!」

 

「ザ·ギャラクシーG2!」

 

「たぁぁぁ! ゴッドキャッチG5!」

 

「うそだろ!?」

 

「ちぃ、さすがね。でもムカつく」

 

「さすが円堂さん…つ、次こそ」

 

円堂は渾身のザギャラクシーを止めた。そして花瑞はパスカットしようとしたのだが円堂はそんな近くに投げるつもりはなかった。

 

「いっっけぇぇぇ! 豪炎寺ぃぃ!」

 

直接豪炎寺に渡して既に揃っていた虎丸、ヒロトと共に花瑞のいない間にグランドファイアを放った。

 

「まずいな、やるだけやるしかない。 ウォーターフォール!」

 

「ラ·フラム!」

 

「「ぁぁ!」」

 

二人の守りを突破してもなお黒岩のダブルロケットを打ち破る威力が自陣コートからのロングシュートであるにも関わらず持っていた。

 

 

これで0-2と差が広がった……




ベータ「カリカリカリカリ」

星原「先輩がスッゴいイライラしてる……男性も怖いけどこの人も怖い……かも」

ベータ(あ~見ててイライラしますねぇ……私がいればこんなざまにはならないのに……あ~我慢我慢、これも未来を取り戻すため……私欲は捨てろぉぉ)

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