筆者「その黒いボールは!」
マキ「マキ宛てに読者からAm○zonで送られてきたのよ」
筆者「よそ、それは保存用あるいは観賞用にしよう」
マキ「いや、使うわよ?」
筆者「待て待て待て、マジで粉砕玉砕大喝采する。俺の全身の骨が」
ヒロト「まあ次投稿速度止まってからでいいんじゃない?」
筆者「延命! めちゃくちゃ怖い延命!」
鬼道がボールを持ったまま先制点をもぎ取るために盤面を整えていく。グランドファイアを打てる態勢を敷きたいのだが相手もそれを警戒しており三人同時にフリーになる場面は早々現れない。ならば花瑞を前に出してマキ、ヒロトと合流させてザ·ギャラクシーを狙いたいが相手はそれも把握しておりヒロトのマークは他よりも手厳しいものになっている。
「花瑞、前に出てくれ!」
「はい!」
鬼道は花瑞が自身を追い越すタイミングを見計らいボールを虎丸へと渡す。花瑞の動きに合わせて警戒の緩まった虎丸、豪炎寺がシュート態勢に向かう。
「タイガぁぁ!」「ストーム!」
「ゴッドハンドX改!」
しかし二人のシュートではゴールを奪えない。チーム内最大級のシュートでなければロココからゴールを奪える見込みはやはり無いようだ。
「やっぱ凄いなロココさんは……」
「花瑞、予め近くにヒロトとマキをつけておいてボールを奪って即座にシュートでもしないと隙がないぞ」
「そうみたいだね、取れなかったときの守りはお願いね。クララちゃん」
「花瑞なら奪えるさ」
ロココからボールを受け取ったウィンディの前に花瑞が立ち塞がる。
「真疾風ダッシュ!」
「速い! でも、捉えられない訳じゃないはず。ゴッドルーツV3!」
花瑞の技を一度、二度と回避して間も無く花瑞の横を抜けようとしたそのとき、咄嗟の判断で花瑞がボールを奪う。
「ゴッドフラワーG4!」
背後から生えた神の花は抜き去ろうとしていたウィンディを巻き込んで空へと突き上げた。
「よし! 行くわよ花瑞!」
「三連続の技になるけど頑張ってくれ花瑞!」
「はい、ヒロトさん!マキちゃん!……いきます!」
「「「ザ·ギャラクシー!」」」
「ゴッドハンドX改! …っ!」
ベータのシュートさえも凌いだロココから、花瑞達が先制点を奪い取った。
「さすがですねぇ、花瑞さんは」
「当然さ。でも花瑞一人じゃここまで来れなかった。FFの時もその才能の片鱗こそ見せはしたけど、沢山の仲間に恵まれてここまで来れたんだ」
観客席から見守るベータ、アフロディ、そして不動と八神。先の会話は自身のシュートを協力してとはいえ防いだロココからゴールを奪った花瑞への称賛をするベータと、妹が誉められて気分のよいアフロディのものだ。
「えらく語りそうな感じだなぁ、お兄さんよぉ」
「ふふ、そう言ってくれるな。君だって先ほど鬼道君の判断にかなり語っていたではないか」
「あれは批評だ。妹バカなお前のとは訳が違う」
「まあまあ、二人とも試合を楽しんでいることに変わりは無いのだから落ち着くんだ」
「ほんとですよ~全く、愛が重い人達はこれだから」
「やめろベータ、まだ種火なんだから煽るようなことをするな」
八神はベータの口にポップコーンを詰めて黙らせた。
「モグモグ、この時代はこんないかにも利益重視のイベント価格なジャンクフードでさえ美味しいんだから恵まれてますよねぇ…」
「む、未来の食事情は違うのか?」
「結構壊滅的ですよ? まあ主に私がさんざん話してる相手との戦いで美味しいものより栄養とか備蓄性、量産性とかを重視した人工物が多いのが原因なんですけどね~」
「そうか……アフロディ、ベータと一緒に観戦用の食べ物を追加で購入してきてくれ」
八神は未来の境遇を聞いて今だけでも美味しいものをたくさん食べさせてあげたくなり、アフロディと不動を一度引き剥がすのも兼ねて二人を買い出しに行くよう仕向けた。
試合は1-0で前半のまだ半分にも満たないところであった。再開すると同時に花瑞を避けるようにサイドにボールを展開するとそのままヒロトを抜いて杏の出番が訪れる。
「イグナイトスティール!」
「エアライド!」
残念ながら杏はボールを奪えず抜かれてしまったが、すかさず飛鷹が反応する。
「真空魔!」
エアライドもお構いなしに吸い寄せてボールを奪った。
「やるねぇ、でもなぁ!」
ゴーシュがそのボールを素早く奪い去り、シュート態勢に入る。
「ファイアトルネード改!」
「ゴッドキャッチ!」
しかしこのシュートを止められないイナズマジャパンの守護神ではない。余裕のキャッチである。
「くっ、さすがだな」
「いいシュートだったぜ!」
それを遠くから見ていたロココも満足げにこう口にした。
「やるなマモル。そうでなくっちゃ」
カウンターを仕掛けて追加点を狙うイナズマジャパンはボールを鬼道に託して攻め上がる。
だが今度は三人どころか二人での連携シュートすら絶たせるようにマークされており、鬼道はボールを持ったまま前進するしかなかった。
「鬼道さん! 私が行きます!」
今回も花瑞が出るといい走り出した。しかし今回は一人だ。
「ここは行かせないぞ!アースクェイク!」
「はあぁぁぁっあぁ! 勝利の女神ニケ!」
「な、なんだ!?」
花瑞は化身を繰り出して強引に突破してドフリーでシュートを撃ち込む。
「ゴッドノウズ·インパクト!」
単体最大の威力であろう一撃を放ち、追加点を狙う。しかしロココもこれ以上やらせまいと力を目覚めさせる。
「二点目は……やらせない! タマシイ·ザ·ハンド!」
「と、止めた!?」
花瑞は止められたことに驚きつつも間髪いれずにパスコースを防ぐために移動する。しかし、それはロココの思惑通りだった。
ロココは自分でボールを持って攻め始めたのだ。
「フローズンスティールV3!」
ロココはクララの技を飛び越えて周りを置き去りする。
「いくぞ、マモル!」
「来い! ロココ!」
「Xブラスト!」
「ゴッドキャッチ‥! うぁぁ!」
同点ゴールをロココが決めた。
「ん~、化身を使いこなせてませんねぇ」
「それはアームドが出来てないからか?」
「それもありますね~まだ瞬間的な力がうまく噛み合わないとできないようですね~、化身を出すだけならもうナチュラルにできるようですけど。まあこの時代にそれが出来るのも前人未到なんですけど」
「二年後には使いこなせてるさ、花瑞ならね」
「そうしてもらわないと困ります。彼女に勝つにはそれしかないと思うので」
アフロディは花瑞ならその先にもいけるのではないかと信じている、ベータももしかしたらという気持ちはあるし、そうしてもらわなければ世界そのものに関わるのだ。
ベータ「いや~ポップコーンにフランクフルト、コーラとか色々ジャンキーな美味が多いですね~」
八神「フランクフルトといえば花瑞も好物だな」
クララ「あ~、ヒロトの……」
杏「いやなに意味深に止めるんだそこで」
クララ「まあそんなものだし」
八神「誤解を招くような言い方……いや、どちらとも言えん」
ベータ「未来から見てましたけどあれは……」
杏「お前まで意味深に止めるな! あと誰も庇うやついないんだな元ジェネシスキャプテンなのに」