筆者「あ、あぁ。まあ、でも許してくれ」
マキ「まあ、連日投稿だし?許してあげるわよ」
筆者「ここ最近やさしいな!?」
マキ「え、もしかしてメテオシャワー欲しい?」
筆者「いらねぇよ!」
ヒロト「なお、今回は試合こそないけど息抜き回でもないからよろしく」
宿舎に戻ると皆疲れきっていた為にご飯を大量に食べるとそのままぐっすりと眠ってしまった。無理もない。ブラジルとの試合を終えて間髪いれずにあれだけの激闘を繰り広げたのだ。クララは申し訳ないと頼み込んでマネージャーに自分と同じ部屋にベータを寝かせて一晩中交代で見張りを頼んだ。ベータは亀甲縛りに加えて身体に鈴まで付けられて天井から吊るされているからどう足掻いても脱出不能のようにも見えるがクララは徹底的であった。
三時間後とに交代で見張るが、締め付けられているのに絶妙にほどけずにストレスが少ないのか、それとも彼女も疲労しているのかスヤスヤとベータも眠っていた。
翌朝、何事もなく無事クララは起床した。
「すまない、異常はなかったか?」
「あっ、クララさんおはようございます。はい、ずっとぐっすり寝てたようで…」
クララの視界には音無と、吊るされているベータの後ろ姿が見えた。
「ほんとだ、まだ寝てる。寝顔は無駄に可愛いな」
クララは水を飲んで服を着替えて朝食のおにぎりを部屋に持っていき、そのままベータを監視し始めた。
──花瑞の部屋
「おきろー! おきろー! はーなーみーー!」
マキが揺らしても何をしても花瑞が目を覚まさない。鼓動もあるし息もあるが目を覚ましてくれない。昨日からずっと寝たきりなのだ。
「クララぁぁ! 花瑞が起きないんだけど~!」
マキは朝から騒がしくクララの部屋に入ってきた。
「おい、お前のせいでベータが起きたじゃないか」
「それどころじゃない! 花瑞がまだ目を覚まさないんだって!」
「あぁ、それならあれですよ。化身の使いすぎ」
ベータはさらっと答えた。
「意外だな、何も話さないと思ったのにこうも簡単にそちらから話してくれるとは」
「こうなったらもう吐く方がマシだと判断しただけですぅ~」
「で、詳しく頼む」
「はいはい、まず化身って物凄く疲れるんですよ。それも時空の歪み抜きでアームドまでこの時代でやったとなれば体力が底をつきるどころか底抜けしても不思議じゃない。で、体力が戻るまで多分おやすみでしょうね」
「命に別状なしか、ならまあいい」
「よくない! 明日は決勝! 監督も昨日のことを考えて今日は休みにしたけどメンバーもカツカツになったのよ!?」
「今更言っても仕方ない。花瑞は寝かせといてマキも身体を整えなよ」
「ドライ! 今日のクララめっちゃドライなんだけど!」
「現実的な話をしてるだけだ」
「……クララさん、お願いなんですけど全員集めてもらえますか?」
ベータは意を決したのかクララに下手に出て頼み込み始めた。
「どういう気の移り変わりだか知らないが、わかった」
クララは監督に頼み全員を集合させた。花瑞はまだ寝ているため不参加である。
「今からお伝えすることを信じてもらえるとは思いませんがお話ししますね。まず、なぜ私が円堂守やその祖父、そして花瑞と狙っていたのかなのですが…これは未来の危険人物を消そうとした為です。
我々は当初、円堂守がいなければサッカーは熱狂的なブームにならず未来に現れるセカンドステージチルドレンと呼ばれる簡単に言うと危険すぎる力を持った子供たちが現れるような未来を阻止できると試算しました」
ベータは一度ここまでの話を飲み込めているかを見渡して確認する。何名か理解できていなさそうだが、クララや不動、鬼道などが理解しているから問題ないと判断して話を進めた。
「しかし、問題が起きました。一部の時空にしか存在しない人物のせいで円堂守を消してもサッカーが栄えてしまうことがわかっまのです」
「それが花瑞というわけか」
「はい、クララさん正解。その通りです。しかも花瑞というイレギュラーの存在はそれだけではありませんでした。セカンドステージチルドレンの中に彼女の遺伝子が色濃く残る人物が発見されました。その人は他の人とはレベルの違う能力を持っていました。感情が爆発するとその世界線そのものを消し去るほどの力を有しているほどに…」
「世界線を消し去るだと?」
「前提として何個もの世界線が存在していて、それぞれに未来があるってことなのかよ」
「あ、そうですよね。この時代はその辺の分野は確立されてませんから驚きますよね。まあそんな感じで本来ならまあそんな時空もあるのかで処理しても良かったんですが、今回はそうもいかなかったんです。
花瑞の遺伝子を持ったセカンドステージチルドレン、名はエリカと言います。その能力によりひとつの世界線がなくなったのですが、彼女は他の自分の存在しない時空をまとめて消し去ったのです」
「!?」
話についていけている一同が目を大きく開いて衝撃を受けた。
「つまり今のこってる時空はそんなやばい人が待ち構えているわけなのですが、花瑞という種がなければ未来の花は咲かないだろうということで消しに来たわけですね」
「待て、今までの理屈でいくと残ってる時空全てでそれを達成しなければどのみちダメなんじゃないのか?」
「はい、察しが良くて助かります」
「……ここが最後の世界線か?」
クララは低めのトーンで聞き返した。
「……はい。正解です。そして、私は最初にエリカの覚醒に触れた世界線、円堂守のみ排除に成功し花瑞が存在した世界の唯一の生き承認」
「待て、世界線を消し去るような能力でどうやって生き残ったって言うんだ?」
不動の問いにベータは複雑な感情を顔にして答える。
「運が良かったとしか言えません……ザナークっていう頭おかしい化物がいるんですけど、そいつが全力で能力とぶつかったんですよ…そしたら時空の狭間みたいなのが生まれて、私は一か八かそこに入ったんですよ。どんどんと消えていく他の人達を置いて…」
「……重要なところがふわっとしてるな。信用できるのかよこんな話」
「気付いたら別の時空に飛ばされてたんですよ! それで、そこの時空の私と接触して私のいた時空の存在が確認できなくなったのを機械で見たんですよ! 私はその時間軸での決戦前に保険として自分一人だけしか無理ですが世界線転移する装置を開発してもらったんです。それで、それで私はそれから何個もの世界線を犠牲にして何度も何度も…次こそは世界の崩壊を守ろうと過去に干渉し、世界に干渉してきたんですよ!」
ベータは試合のときのようなオラオラしたものでも、小悪魔のような様子でもなくただ今までの感情を爆発させるように泣きながら訴えた。
「わかった、内容は信じよう。だがそれでお前をどうするかは花瑞に委ねる。悪いがその話、花瑞が目覚めたときにも話してくれ」
クララは沈黙した重い空気をバッサリと切って自分の答えを伝えた。
「まあ、そうだな。どうやらこの問題は花瑞抜きには決められねぇな。まあ、俺はまだお前のことは信用してないけどな」
不動はクララの意見に賛同する形だ。
「マキ、お前のことを許してないからね。でも今のあんたや試合のあんたを見て嘘ついてるとは思わなかった。未来とか良くわからないけど、何かあったらマキを頼りなさいよ。力になってあげるから」
「よし、みんなそういうことならまずは明日の試合に集中だ!まずは世界一になるぞ!」
「「おぉ!」」
円堂が締めてこの場は収まった。
八神「なぁ、ベータ」
ベータ「なんですかぁ?」
八神「随分大変だったのだな」
ベータ「ちなみに、黒嶋は何者?って質問がちょくちょくあったんですよねぇ。元々はコラボキャラみたいな感じで、言うならば花瑞の存在でこの時空に現れた人物ですよ~」
八神「ま、待て!? 急にメタな話をするな!」
ベータ「いいじゃないですか♡今日は正式にここに招待してくれたんですから♡八神さんが♡」
杏「だからやめろって言ったんだ!」
クララ「八神も甘くなったものだ」
八神「えぇい! もっとこう無いのか! メタでない話題は!」
クララ「ん、実は杏が未来の話とか半分も理解できなかったこととか?」
杏「な、なんでそれをこんなところで! わ、わたしは理解してたからな!」
八神「クララ! なぜあえて収集つかなくしようとするんだ!」