アフロディに妹がいた!?   作:ゆーこー

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マキ「3000文字あるわよ? どうしたわけ?」

筆者「最終局面だったのでまとめました」

マキ「なぁんだ、ここから常にこれではないのか」

筆者「死んでまうぞ? てか何気にうちの初めて完結させた作品よりもう文字数多いんだからな?」

マキ「ふぅん、それはマキ嬉しいかも!」

ヒロト「最初はギリギリそれより短い予定だったんだもんね。まだ続くし走りきったもらわなきゃ」


全力を超えて

 チームの全力を持ってしてもやや劣性のイナズマジャパン、試合が再開するまえにベータはポジションをFWの位置まで上げてきた。

 

「一瞬で奪い取るつもりだね」

 

「はい…ロココさん、どうしますか」

 

この距離だとボールに触れた瞬間には確実にベータの餌食になる。かといってこのまま長考してはベータの呼吸が整ってしまう。

 

「こら! 二人ともそこだけで解決しようとすんな!」

 

マキが焦れったそうにしていたが早々にしびれを切らして大声で自分のポジションから声をかける。

 

「あぁ! ゴールは任せろ! 次こそは止める!」

 

円堂も続けて声をかける。

 

「ここまで戦ってきたみんなの思い、無駄にしないさ!」

 

佐久間は脳裏に強く不動のことを浮かべながらそう言った。

 

「はぁ、そういうのいいので早くしてもらえますか?」

 

「おっと、待たせたね。じゃあ試合再開とするよ」

 

ロココはボールを大きく右サイドのマキュアに渡した。

 

「最初にマキを選ぶなんていいセンスよ!」

 

マキは目の前に立ちふさがる敵をメテオシャワーで一網打尽にしようと飛び上がる。

 

「だぁかぁらぁ……そんなの無駄っていってんだろぉ!虚空の女神アテネ! アァァァァムドォォォ!」

 

アームドしたマキを撃ち落とす鉄砲の如く地面に衝撃を与えて飛び上がる。

 

「ふんっ! あんなこと言っといて一人で何とかしようとするわけないでしょ! シュート!」

 

マキはメテオシャワーを下に撃ち込むと見せかけて逆サイドの虎丸に渡した。

 

「さぁて、間に合うかしら? お団子頭!」

 

「うっせぇ! 扇風機に煽られるほど酷くねぇ!」

 

空中での言い合いは着地と共に終わり、自由落下の間に虎丸は相手陣地の半ばを過ぎるまでに進んでいた。

 

「いきますよ! 豪炎寺さん! ヒロトさん!」

 

「グランド……」

 

「させねぇっ!」

 

三人が蹴り出す直前にベータが恐ろしい勢いで滑り込もうとする。豪炎寺はそれを待っていたように、ボールを上に上げた。

 

「ロココ!」

 

「おぅ! Xブラストぉぉ!」

 

「ビッグスパイダーV3!っぬぉぉ!」

 

ロココのXブラストはビッグスパイダーを破り同点となる。

 

「はぁはぁ……手こずらせますねぇ……でも今度はこちらのボール、このままなら私の先取が続いて勝ちです♡」

 

このままではよくて同点、タイミング次第で負けもありえる状況、次こそは先に点を決めねばならない。

今度はベータも最初からアームドして全力態勢。花瑞も化身を絞り出して迎え撃とうとしている。

 

 

「いくぜぇ!」

 

まずは花瑞と正面から対決、ベータの力は落ちてきているがアームド無しではやはり厳しく、ボールを奪えない。

 

「ブレードアタック!」「スノーエンジェル!」

 

「止まるもんかよぉ!」

 

一瞬の勢いは削げるもののそれでも止まらない。

 

「シュートコマンド07!!」

 

「させるかぁ!」

 

今度は佐久間がシュートを防ごうと飛び上がった。

 

「あいつの二の舞になりに来たか!」

 

「俺は約束を守る!」

 

片方のボールに向かって両足をぶつける。

 

「これは帝国のっ!」

 

「ニヒャクレツショットォォ!」

 

「そんなもんでぇぇ!」

 

佐久間の妨害をごり押しで乗り越えてシュートを放つ。

 

「真空魔!…キャプテン! 頼みます!」

 

「円堂! 頼む!」

 

「任せろ! 皆あがれぇぇ!」

 

円堂の背中からマントを着けた魔神が現れる。

 

「と、止めた…?」

 

ベータは自分の技を止められたことに驚き一瞬硬直する。

 

「いっけぇ!」

 

ボールを思い切り投げて佐久間が空中でダイレクトパスを送る。

 

「くそ! お前ら時間稼ぎをしろぉ!」

 

ベータは慌てて走り出す。呼吸はひどく乱れている。

 

「時間がないから……サザンクロスカット!」

 

マキは移動時間を考えて技を選び、ベータから離れようとする。

 

「はぁはぁ…少しは時間を稼げ……! ポンコツチームが!」

 

「デーモンカットV3!」

 

「んん、ヒロト!」

 

ボールをヒロトに流して自分は前に進む。

 

「ちぃ、結局頼れるのは自分だけかよぉ!」

 

ベータはゴーストミキシマックスを解き、自分の力に集中する。 

 

「花瑞!」

 

ヒロトは一度ボールを花瑞に託す。

 

「勝利の女神ニケ!」

 

「デーモンカット!」

 

「ヘブンズタイム!」

 

最後の一人を抜いた。あとはシュートするだけ……なのだが、化身が消えた。

 

「あ、あれ‥…」

 

「花瑞ぃぃ! あと少しだけ耐えろぉぉ!」

 

マキがボールを取り、ヒロトも集まり準備は整った。

 

「ふ、ふたりとも…おねがい………」

 

花瑞は最後の力を振り絞ってふたりを宇宙へ上げる。

 

「「ザ·ギャラクシー!」」

 

「はぁはぁ! 入れさせるかぁぁ!」

 

ベータが最後の抵抗といわんばかりにブロックに入る。

 

「!? う、うそ…」

 

ベータの化身アームドも解けた。そしてボールはベータを超えてネットのその先にまで貫いた。

──ホイッスルがなった。イナズマジャパンは辛くも勝利したのだ。

 

「そ、そんな……わたしが……こんな…」

 

「残念だったわね! あんたの悪巧みもここまでよ! それと、ガルシルド!あんた達も逃がさないんだから!」

 

ビシッと決めるマキだったが、その後視界が揺れたかと思うとふらっと倒れる。

 

「はぁはぁ、どうやら力を出しきったようですね…これは好都合です♡」

 

ベータもフラフラとしているがあのボールを取り出す。

 

「ま、不味い! 花瑞逃げるんだ!」

 

ヒロトが花瑞の方を向くと花瑞も倒れかけていた。

慌てて抱き寄せて守るが、ヒロトも限界ギリギリで動けない。

 

「試合に負けて、勝負に勝つ…残念でしたみなさん♡」

 

ベータがボールの上のボタンを押し、花瑞を吸い込もうとボールからブラックホールのような吸引が始まる。

 

「くっ……花瑞は絶対に離さないからな……!」

 

「無駄ですよぉ♡ あなたもまとめて吸い込んであげます」

 

その瞬間、背後から何者かが高速でベータからボールを奪い去った。

 

「!!?」

 

「……フローズンスティール、隠密バージョン」

 

「クララ!」

 

「この瞬間をずっと待ってた」

 

クララはボールをベータに向ける。

 

「ほら、お返しだ」

 

クララがボタンを押す。しかし、操作を誤ったのかそれともそういう仕様なのか、中から黒嶋が現れた。

 

「黒嶋!」

 

「こ、ここは……? 俺は脱出できたのか?」

 

「なるほど……使いまわしか」

 

クララは一人で納得するとベータに問いかける。

 

「おい、このボールにはもう誰もいないか?」

 

「さぁ、どうでしょうか?」

 

「……ポチッ」

 

再度押すが何も反応しない。どうやら誰も入ってはいなさそうだ。

 

「よし、ガルシルドは今度こそ警察に連行してもらうとして、こいつは私達でどうにかするしかないぞ」

 

「待てクララ、一人で話を進めるな」

 

一人だけ頭の中で順序だてて動こうとするクララに八神が待ったをかけた。

 

「こいつは未来人だ、警察に任せてもどうしようもない。なら、私達の目の届くところに置くしかない。杏、ちょっとこいつと私を布で隠せ」

 

「あ、あぁ」

 

「ちょ! なにするんですか! やめなさい! こら! 脱がすなぁ!」

 

中で何をやっているんだと杏は少し顔を赤らめながら興味深そうにしていた。そして、次にふたりの姿が出てきたときにはベータはイナズマジャパンの白い方のユニフォームになっていた。グルグルに縄で捕縛された状態で。

 

「怪しい持ち物は口の近くのあれだけだった。これは私の私物の服だから安全」

 

「お、覚えてなさいよ! こ、こんなことして後で痛い目みますからね!」

 

「あ、お前から剥ぎ取ったモノは全部破棄するから」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

壮絶な試合の直後、最後の抵抗を見せようとしたベータを瞬く間に捕らえたクララは早く引き上げるために指示を出して全員で宿舎へと戻ったのであった。




杏「クララ、ずっと隠れてたのか?」

クララ「あぁ。こうなることを予見してな」

八神「試合に来てほしかったがああしてくれてなければ我々は結果的に負けていた。助かった」

クララ「礼はいらない。それより大事なのはここから」

ベータ「んーー! ん!」

杏「何で口まで縛ってるんだ?」

クララ「移動中うるさかったからだ」

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