筆者「そのとーーり!」
マキ「じゃあ、月曜日は?」
筆者「え?」
マキ「月曜日は何時?」
筆者「えー、頑張る皆様に配慮して投稿は差し控え…」
マキ「逆でしょばかぁ!」
筆者「私の体にも配慮してくれぇ!」
ヒロト「月曜日、現在のところ未定です」
立向居のパスから試合が再開する。吹雪がボールを受け取りサイドから攻める。相手フォワード、ミッドフィルダー陣を抜き去り、豪炎寺へとセンタリングを上げたいがベータが既に戻ってきておりその道を塞いでいた。
吹雪は前方のマキへパスを出し、メテオシャワーでディフェンスを突破するため空に跳んだ。
「メテオ…」
「させるかよぉ!」
弾丸のようなスピードでベータが横からボールを奪った。
「マキの邪魔するなんて! マジ大嫌い!」
マキは着地してボールを奪い返そうとスライディングするが難なく避けられ、後ろから吹雪がスノーエンジェルを仕掛けるがそれすらも軽く突破した。
「フフ。私がボールを持ってから随分と早く後ろに下がるんですねぇ……花瑞さん?」
シュートブロック前提のポジションを取る花瑞は、既にペナルティエリアまで下がっていた。壁山もそこまで下がるために走っている途中だ。
「まあ、それも仕方ありませんよね……私のシュートは簡単には止められないからなぁ! シュートコマンドk02!」
ベータの化身シュートがイナズマジャパンゴールを三度襲う。
花瑞は一度発動したあの化身の感覚を何とか再現しようとしていた。しかし、うまく再現できない。背中からゾワゾワと力が噴出する感覚がうまく出せない。そうこうしているうちに必殺技を出さないと間に合わない位置までボールが接近する。
「真ゴッドキャッスル! きゃぁぁ!」
「ザ·マウンテン! うわぁぁ!」
壁山、花瑞が共に崩れ去る。
「魔王·ザ·ハンドぉぉ!ん……ぐ」
ボールを止めた立向居はそのままボールを拾うこと無く、ボールを風丸にパスした。
「立向居さん!?」
「す、すみません……う、腕が……くっ」
たった三度のシュートで立向居の腕が異常を起こしていた。しかし、それでもカウンターを仕掛けたいためにボールを風丸に託していた。
──その頃、コトアール代表ロココと監督のダイスケは、破壊活動が止まったことで住人の避難を終えてイナズマジャパンの試合をしている場所を目指していた。
「凄まじい力の衝撃だ……ここまで伝わってくる」
「あぁ。こりゃ早く行ってやらんとなんねぇな。ロココ、お前は先に行け。そこで必要なことは自分で決めていい」
「わかったよダイスケ。行ってくる!」
──イナズマジャパン監督、久遠は悩んでいた。立向居は既にボロボロ。しかし控えのキーパーもいない。更に壁山もダメージの蓄積が目立ち始めている。杏は本調子ではなくあと1日、2日は安静にさせたい。だからといって佐久間をディフェンスに出したとしてもあのシュートを防げない。
守備の基盤となる円堂の不在。しかしそれでも花瑞というディフェンスの根があれば大抵のことは防げるであろうという想定であったが、彼にとって始めて相対するベータという存在は話で聞いていた以上の実力を秘めていた。
立向居からボールを託された風丸はベータが戻ってこないうちに自慢の足で少しでもゴールに近付こうと全速力で駆け上がった。常時疾風ダッシュと言っても過言ではなかった。虎丸にパスを出し、シュートチャンスが訪れる。
「タイガーー!」
「ストーム!」
虎丸と豪炎寺のタイガーストームが炸裂する。
「デーモンカット!」
「ビッグスパイダーV2!」
しかし、シュートブロックを挟まれたことでボールが止められてしまった。ベータ単体も強力だが、チームガルシルドメンバー個々の力も十分に強大である。
キーパーのフォックスはボールをベータに渡す。
「さぁて、今度はどういじめましょうか?」
豪炎寺とヒロトがスライディングするが、軽々と頭上を飛び越えて進撃を開始する。
「キラースライド!」
不動が着地点目掛けてキラースライドを仕掛けるが、ベータは不動にボールを撃ち込んで退けた。跳ね返ったボールを狙う鬼道すらもベータがタックルをして競り勝ち、ボールをキープする。
「隙がない……!」
鬼道追いかけても追いかけても遠退くベータの背中を見ながらそう漏らした。
「今度こそ…今度こそ! はぁぁぁぁぁあ!」
花瑞は渾身の力を自分の背中付近に集めて、それを具現化させる。
「なにっ!?」
「勝利の女神 ニケ!」
「自力で化身を出したっていうのか! や、やはり危険な女だよおめぇは! 絶対ここで消してやる! アームド! シュートコマンド07!」
「ゴッドフラワーG5!」
「どうやら化身は出せたがあの時ほどの力は無いようだなぁ!」
ベータがそう言うと花瑞のゴッドフラワーをボールが貫き、なおもゴールに向かって猛進する。ボールは既にひとつに集束しているのだが立向居は目が霞み、ふたつに見えていた。
「(集中しろ俺。ムゲンザハンドの時のように、耳を澄ませ。五感を研ぎ澄ませ……)」
ビリビリと震えている腕を残り僅かのエネルギーで動かす。
「このゴールはもう割らせない! 魔王·ザ·ハンドぉぉぉ!うぉぉぉぉぉ!」
手とボールが触れた瞬間に一気に体がゴールラインまで後退する。更には右足も衝撃で剥がされ、残るは左足だけ。
「ご、ゴールだけは入れさせない!」
立向居は最後の力を振り絞り、ボールを外へと弾いた。
「立向居さぁぁぁん!!」
「立向居っ!」
力を出し尽くした立向居は意識を失っていた。しかしやりきった、ゴールを割らせなかったからかその顔は少し安らかであった。
杏「クララの気配はまだ無いな…」
八神「あぁ。試合は大変なことになっているのに…あれだけ潤沢だったイナズマジャパンディフェンス陣が壊滅状態になるなんてな…」
杏「主役は遅れてやってくる。とか思ってるのかもしれんな」
八神「ま、まあそれ+相当な移動時間なんだろう」
杏「エイリアボールをひとつふたつ隠し持っておくべきだったな。本当に」